スタートアップ

商機はハードとクラウドの合わせ技にあり

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IBM BlueHubは日本IBMが推進しているスタートアップとの共創プログラムです。テクノロジーとオープン・イノベーションで日本発の革新的事業の創出をご支援しています。プログラムのメンターや卒業生による、スタートアップから注目テクノロジーについて語っていただきます。

スタートアップが語る注目テクノロジー
ナーブ代表取締役、多田英起氏

今回、技術トレンドを語るのは、VRプラットフォームを手がけるナーブ代表取締役の多田英起氏です(太字の質問は全て筆者。回答は多田氏)。

ナーブ代表取締役、多田英起氏

 
ドローン、協調ロボティックスと続いて今回はVRです。ライフスタイル分野のVR(バーチャルリアリティ)を手がける多田さんにお聞きします。バーチャルリアリティも随分と一般的な認知が進みましたよね

多田: そうですね、私たちは不動産やトラベルといった、消費者の生活シーンに出てくる購入体験を中心にVR技術で課題解決してきました。例えばビジネス特化のVR閲覧デバイス「CREWL(クルール)」は接客に効果的で、これまで事前の知識や情報がないと購入後を想像できなかったような購入体験を変えています。

 
消費者に近い場所でパートナーと事業展開されていますが、今、手がけるクラウドビジネスの現場でトレンドの特徴を挙げるとしたら何がありますか

多田: 一言で言えば「B2Bの多角化」ですね。SaaSと言っても例えば「真っ向からSalesForce対抗」のようなエンタープライズ全般というよりは、バーティカル、つまり業界特化の方向に進んでいると思っています。

 
このリレーの初回、倉林さんもエンタープライズとインダストリーでSaaSビジネスの分類を説明されてました。

多田: フィンテックや不動産テック、フードテック等 各業界の課題を解決するソリューションが必要とされる一方、技術も多角化しています。例えばキャッシュレスではRFID(非接触)にQR、銀行引落など、ハードからソフトウェアまで様々な分野の知識が必要になっています。特にテック的にはハードの多様化もビジネスチャンスを拡大させているんじゃないでしょうか
 
多田さんが注目されている企業は

多田: SansanさんのようにハードウェアとSaaSを一体化させたのはやはり面白いですね。名刺という分野に特化していたり、OCRをビジネスとして標準的なサービスにしたのも興味深い戦略だと思っています。

ビジネス向けとは少しズレますが、メルカリなんかもロジスティックも絡めた総合的なサービスになっているのが特徴だと思います。決してスマホアプリだけで完結していない。

 
確かにツールだけで完結しないビジネスモデルというのは最近の特徴です。前回の沢登さんも調理ロボットはクライアントであるロボット、サービスとしてのクラウド、さらに関連する事業者が一体となって最適化する必要性を指摘されていました。

ところで多田さんはこれらのテクノロジーがさらに拡大していく上で社会的に必要なことは何があるとお考えですか

多田: 法律面については勉強しなければいけないことが多いですが、国としてはスタートアップ応援の方向性にありますし、非常に助かっている面もあります。

 
確かに国の新規事業推進は肌で感じることも増えました

多田: 企業間のオープンイノベーションも重要ですよね。三菱地所さんが「たまひよ」という言葉を使っていたのが印象に残ってます。たまごか鳥かの理屈においてオープンイノベーションは完成する(鳥は卵を産めるけどひよこは卵は産めない、先に鳥になる必要性がある)ということだと思います。

スタートアップ側も大企業を知り、大企業もスタートアップを知ることでさらにオープンイノベーションは加速して日本企業が世界で戦えるようになるのではないかと期待してます。

あと、チャレンジする側の起業家も幅広い年代に広がって欲しいですね。シリコンバレーの成功事例は起業年齢が20代より30代、30代よりも40代が倍以上の成功確率を出してますし、そもそも40代の起業家が6割近い状況なんです。

日本に足りないのは40代や50代といった、経験をたくさん積んだベテランの起業家なのではないでしょうか。

※このページはTHE BRIDGE記事の加筆・転載です。

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