デジタル変革(DX)

DX Drive Program – 2. DX計画

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これまでDXを実践されたお客様での共通課題が次の3点でした。

  • このまま同じビジネスをしていては、自社のポジション(地位)を失う
  • 既存の事業に追加の価値をつけ将来の事業展開に結び付けたいが、具体的な方法がわからない
  • 社内の活動が改革の方向に進まない

では、この課題にどの様に取り組むべきか。
DXをどの様に具体化するか、その計画段階での検討について記載します。

 

これまで、デジタルを活用したトランスフォーメーションを実施された多数のお客様を支援してきました。ここ数年のいくつかの事例を以下に挙げます。

  • 大手製造業  :既存製品の付加価値をつけるSaaSサービスの事業企画
  • 中堅オート企業:新事業の会社の事業企画立案・事業立ち上げ
  • 大手情報広告業:自社テクノロジーから新規事業の立ち上げ
  • 大手製造業  :海外事業のSaaSサービス事業実施計画策定

ビジネスエリアの違う各社がこれほどまでに同じ内容でお困りなのは正直驚きでした。お困りごとを解決するDXをどの様に具体化するかの計画立案についていくつか記載します。

先ずは、既存ビジネスを前向きに効率化する。自社の競争力強化を狙う

新しい挑戦を実施するにあたり、何はともあれ実行する要員が必要です。
適任者が一人いるとします。彼/彼女にリーダーを任せることになりました。ではその他のメンバーは如何にしましょう。よくあるパターンは、各部署からチームメンバーを募り、そのメンバーは本業兼任で仕事をする。タスクチーム方式です。ワークロードの20%を新規事業にかけたとしましょう。週に何日でしょうか。たった、一日しかできません。6日間経って1日仕事して、また本業に戻る。これでは複数人がトータルでワークをこなせても事務的なものに終わってしまいます。タスクタイプの実施方式は、この失敗と背中合わせです。少数先鋭でやるケースでは、外注が多くなり、費用が硬直化するばかりでなく、変更に対応しにくいチームになります。

そこで、デジタルトランスフォーメーションを実践するお客様とよく一緒に検討するのが、アンゾフのマトリックスの応用のビジネス成長図です。下図をご覧ください。
アンゾフのマトリックスの応用のビジネス成長図

図1

まず実施するのは、左下に記載されている、既存ビジネスの効率化です。これは、新規ビジネスへの対応人員作りを捻出する目的です。その結果はビジネス効率を向上するならば、競争力が上がるはずです。逆にそれを狙って効率化するビジネスと局面を選択します。それらの一連の作業を実施する中で、新規ビジネスへの対応力のある人材を見極め、新規事業のリーダーやメンバーを選定することができます。その先の新規事業を顧客ベースで実施するか、新規性の高いソリューションを軸に新規顧客開拓するのか、は実施可能な価値次第で戦術を選択していくわけです。デジタルトランスフォーメーションは、自社の課題として、自社で実施するためには、自社内に関わるメンバーをできる限り増やしていく努力が必要です。

次に、同時進行で自社の価値を見出し、DXの戦術を確実なものにする

新たにデジタルを活用しビジネス展開することを決めたとして、どの様に戦術展開しますか。
我々は、まず、自社価値を見極めます。ここでは、スタンダードにビジネスモデルキャンバス等を活用し、自社が展開するビジネスにおける価値と自社が持つ価値を見直しましょう。

リーンキャンバス概要図

図2

よくある困ったケースが次の3つです。

  • 他社の真似サービス: 面白いことから発想するのだけれど、具体化すると他社サービスに似てしまうサービス
  • 全部借り物サービス:そこそこ新たな内容が盛り込まれているが、コアのソリューションも、システムも、ほとんど他社に頼っているサービス
  • レッドオーシャン突入型サービス:多くの企業が参入していることから市場の選択が正しいと考え、先行する企業の差別化を甘く見ているサービス

これらの何が問題かはお解りになりますよね。
この様な事態に突入しないための整理が、自社価値を見極める、ことですね。価値が整理できれば、喜んでもらえるお客様をターゲットできます。次は、その価値の展開を想像する。具体的にする。ビジネスケース化するのです。どの様に展開するかをより具体的に検討することで、初期展開の計画を立てることができます。一体、何人で何をやるのかを具体化するのです。また、この段階で、価値訴求のバリエーションを増やすと、アプローチを多様化できてヒット率が上がるはずです。また、ビジネスケース/モデル化を整理しておくと、万一失敗した場合でもその理由を明確化して改善の可能性も検討できますね。

これらを実践するなら少人数が良いですね。2-3人は辛いかもしれないけれど、4-5人いれば十分な気がします。具体像を検討する活動なので、レベルや言葉/用語などを合わせる必要があり、大人数でやるよりも少数先鋭で行きたいですね。

グローバル・ビジネス・サービス事業本部
技術戦略コンサルティグ
シニアマネージングコンサルタント
今関 靖英
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