社内ソーシャル

エンタープライズソーシャルとビッグデータ

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当記事は2013年5月にin the looopに寄稿したものですが、元記事が削除されましたので転載します。


 

 エンタープライズソーシャルとビッグデータの関係

 

ここ1,2年で急速に(少なくともビジネス界隈では)市民権を得た言葉があります。「ビッグデータ」という言葉です。

きっと、毎日のように皆さんも目に耳にしているんじゃないでしょうか?

 

ではみなさん、エンタープライズソーシャルとビッグデータ、この2つの言葉には強い結び付きがあるのはご存知ですか?

 

エンタープライズソーシャルが活性化すると…

 

エンタープライズソーシャルの土台となるのは、社員一人ひとりの自律的な活動です。

なお、ここで、読者の皆さんとの認識を合わせておきたいのですが、私Pachiがエンタープライズソーシャルと書くときに指し示すのは、企業内の個人が「業務を含めた」コミュニケーションやコラボレーションを実施するプラットフォームです。

 

まれに「当社では、業務の話をエンタープライズソーシャル上で行うことは禁止しています。エンタープライズソーシャルは福利厚生の延長線上にあり、仕事から距離を置いたコミュニケーションのためのものですから。」という話を聞くこともあります。

 

エンタープライズソーシャルをどう捉えてどう使うかはもちろん自由なわけですが、福利厚生のクラブ活動が業務とみなされないように、そこで業務を行わないのであれば、私にとってはそれはのエンタープライズソーシャルの定義からは外れるものです(なお、クラブ活動はコミュニケーションの機会としてとても貴重なものだと私は思っています)。

 

エンタープライズソーシャルがうまく活用されている、活性化しているという状態は、社員一人ひとりが積極的に情報の発信者や流通者となっていることを意味します。

 

このように場が活性化しているとき、そこでは以下の図にあるフロー情報もストック情報も増え続けているはずです。

(画像はコラボレーション・エンジニア 大川宗之さんに提供いただきました)

 

簡単に、エンタープライズソーシャルにおけるフロー情報とストック情報の関係を解説しておきます。

 

多くのイノベーションが新しいアイデアや考え方によって生みだされている。
そこには強い瞬発力と拡散力で情報をフローさせるタイムライン型のツールが必要とされる。

 

しかし、イノベーションの多くは、これまでの技術の組み合わせによって編み出されることが多いのもよく知られている。
そして、用いられている技術が自社のものであれば、そのイノベーションが自社を強くする可能性は格段と高くなる。

 

自社内にストックされている有益な情報がフローに乗りやすいよう、シームレスにストックとフローの仕組みがつながっている方が良い。

 

でも、ちょっと待って下さい。

情報とその流通量の増加は、すべてが「良いこと」でしょうか。

 

エンタープライズソーシャルに対する意識や活用目的が正しく認識されていなければ、情報の増加が「無駄な情報に対する余計な作業」の増加につながる可能性も否定できないのではないでしょうか…?

 

エンタープライズソーシャルが作業の増加を招く?

 

エンタープライズソーシャル上で交わされるコミュニケーションの増加が、そこでインプットされた情報への対応作業の増加と比例していては、社員にとっては単なる「処理作業の増加」にしかならないという事になります。

 

おそらく、仕事にまじめに取り組んでいる社員は、現在すでに100%に近い業務をこなしているはずです。

そんな彼らに、これ以上の処理作業を与えることは、中長期的に考えて企業にとって良いことではないでしょう。

 

増やすべきは処理作業というやらされ仕事ではなく、目的意識から生まれる自発的な取り組みであり、それに費やすための時間です。

 

そうでなければ、自分たちを苦しめる結果になるであろう情報を、誰が好き好んで発信/流通させるでしょうか?

 

 大丈夫! たくさんのムダが減ります

 

ところで、エンタープライズソーシャルにおいて、Facebookにおける「いいね!」的な仕組みが一番役に立つのは、次の1~3のどれだと思いますか?

  1. いいね!を貰おうと社員がいい話や面白い話を書くようになり、PV(ページビュー)やUU(ユニークユーザー)が増える

  2. いい話や面白いニュースが社内に拡がりやすくなり笑い顔が増える

  3. 趣味の話などが社内に増え、コミュニケーション量が増える

 

どれも良いことではありますが、それが一番ではありません。

 

エンタープライズソーシャルにおける「いいね!」の真骨頂は、自社にとって高価値の情報や資料を高頻度、広範囲にフローさせるところにあります。

 

簡単に、高価値情報が社内に頻繁かつ広範囲にフローする仕組みを解説します。

 

ある人がいいね!した情報や資料は、その人とつながっている他の社員のタイムラインに表示されます。

 

個人によりつながっている人の多さに違いはあるものの、「いいね!する人の多さ」と「情報がタイムラインに表示される頻度」は比例します。そして「情報が表示される頻度」と「情報が活用される頻度」も比例の関係にあります。

 

また、表示頻度と活用機会が増えることで、情報が社内の別のクラスターに「飛ぶ」チャンスも増えます。

クラスター間の接点になっている人が「いいね!」をすることで、有効活用される機会が増えるのです。

 

そしてこれが積み重なっていくと、価値の高い情報や資料が社内に拡がり、それ以外のものは収束していくようになっていきます。

 

これが意味するところは「減るものもたくさんある」ということです。

具体的にいくつか挙げてみましょう。

 

  • 情報を無駄に探しまわる時間
  • すでに存在している資料をゼロから作り始めてしまうような無駄な作業の時間
  • 誰が特定の情報に詳しいかを調べまわる時間

 

エンタープライズソーシャルが企業の戦略や方向性を決める

 

ここまで、エンタープライズソーシャルのデータ増加が社員個人、あるいはグループにもたらす影響を見てきました。また、ビッグデータの「量」の側面を捉えてきました。

 

ビッグデータという言葉にはまだはっきりと定義されていない部分もあり、また、正直その言葉を聞く人によりイメージするものに大きな違いがあるのが現状だと思います。

 

自分たちに都合よく解釈したものが多いことも否めず、「胡散臭さ」を感じる人がいるのも無理もないことだろうと私自身も思っています。

それでも、大雑把には、以下のような特性があるのがビッグデータではないでしょうか。

 

  1.  データ量の多さ
  2.  データの質が非構造型だったり、不定形のものも
  3.  データソースの多元性
  4.  データの組み合わせが新しい何かにつながりやすい

 

今後、ビッグデータ活用方法や分野はより一層洗練され、マーケティングや製品開発、セールスやサポートなど、ビジネスのさまざまな局面やあらゆる部門に大きな変化をもたらす可能性が高いでしょう。

 

そして、エンタープライズソーシャル上で発生するデータも、自社発のビッグデータの主要構成要素と捉えられ、社員の意識や行動ログがその他のさまざまな情報と共に分析や解析され、自社の重要戦略や方向性を左右することになる日もそう遠くはなさそうです。

 


 

今回は、エンタープライズソーシャルとビッグデータの関係を、今とこれからの視点を交えて書きました。

 

自社のソーシャルシフトが順調に進むかどうかが、社員一人ひとりの行動次第という未来 — 私はとってもワクワクしています。

 

Happy Collaboration!

 

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