ファイルシステム

ファイルシステム とは、ファイルとディレクトリーの階層構造 (ファイル・ツリー) のことです。

この構造は、根が上に、枝が下にある逆向きの木に似ています。 このファイル・ツリーでは、ディレクトリーを使って、データとプログラムをグループに編成するので、 複数のディレクトリーとファイルを同時に管理することができます。

ファイルシステムは 1 つの論理ボリューム上に存在します。 すべてのファイルおよびディレクトリーは、論理ボリューム内のファイルシステムに属します。 その構造上、 タスクによっては、ファイルシステム内の各ディレクトリーに対して実行するよりも、 ファイルシステム全体に対して実行する方が効果的なものがあります。 例えば、ファイルシステム全体のバックアップ、移動、または保護を行えます。 JFS ファイルシステムの時刻指定イメージまたは JFS2 ファイルシステムの時刻指定イメージ (スナップショット と呼ばれる) を作成できます。

注: 論理ボリューム当たりの論理区画の最大数は、32,512 です。 ファイルシステムの論理ボリュームの特性についての詳細は、 『chlv コマンド』を参照してください。

mkfs (make file system) コマンド、 またはシステム管理インターフェース・ツール (smit コマンド) は、 ファイルシステムを論理ボリューム上に作成します。

ファイルシステムをアクセス可能にするには、ディレクトリー・マウント・ポイントにマウントしなければなりません。 複数のファイルシステムがマウントされると、ディレクトリーの構造が単一のファイルシステムのイメージを表すように作成されます。 これは、1 つのルートを持つ階層構造です。 この構造には、基本ファイルシステムとユーザーが作成した他のファイルシステムが含まれます。 mount コマンドを使用して、ローカルとリモートの両方のファイルシステムにアクセスできます。 これにより、ご使用のシステムからこのファイルシステムの読み取りおよび書き込みが可能になります。 ファイルシステムのマウントおよびアンマウントを行うには、 通常、システム・グループのメンバーである必要があります。 ファイルシステムは、/etc/filesystems ファイルに定義されている場合には、自動的にマウントできます。 ユーザーまたはプロセスがファイルシステムにアクセスしていない限り、umount コマンドで、ローカルまたはリモート・ファイルシステムをアンマウントできます。 ファイルシステムのマウントの詳細については、マウントを参照してください。

AIX® によって使用されるファイルシステムの基本のタイプは、ジャーナル・ファイルシステム (JFS) と呼ばれます。 このファイルシステムでは、構造上の整合性を保つために、データベースのジャーナリング技法を利用します。 これにより、システムが異常停止したときに、ファイルシステムの損傷を回避することができます。

AIX オペレーティング・システムは、ジャーナル・ファイルシステム (JFS) および拡張ジャーナル・ファイルシステム (JFS2) を含む複数のファイルシステム・タイプをサポートします。 ファイルシステム・タイプおよび各タイプの特性の詳細については、ファイルシステムのタイプを参照してください。

きわめて重要なシステム管理作業の中には、ファイルシステムに関連したものがいくつかあります。代表的なものを次に示します。

  • 論理ボリューム上でのファイルシステムに対するスペースの割り振り
  • ファイルシステムの作成
  • ファイルシステムのスペースがシステム・ユーザーに使用できるようにする設定
  • ファイルシステムのスペース使用のモニター
  • システム障害時のデータ損失の防止のためのファイルシステムのバックアップの作成
  • ファイルシステムの整合状態を維持する

以上の作業は、システム管理者が実行するものです。