チャットボット・マーケティングとは、ユーザーとの対話に対するエンゲージメントのために設計された自動コンピューター・プログラムであるチャットボットを利用して、製品、サービス、ブランドのプロモーションをするというデジタル・マーケティング・ストラテジーです。
チャットボットは、さまざまなメッセージング・プラットフォーム、Webサイト、モバイル・アプリケーションに統合されることで、顧客や見込み客とリアルタイムでやり取りできるのです。
チャットボットをマーケティングに利用する企業は、業務を合理化し、顧客エンゲージメントを強化し、マーケティング活動を全体的に改善することにより、複数のメリットが得られます。主なメリットのうち、いくつかを次に挙げます。
24時間365日利用可能:プラットフォームは24時間稼動しているので、顧客には情報やサポートへのアクセスがいつでも(通常の営業時間外でも)確保されます。チャットボットは顧客の問い合わせに即座に応答できるため、問い合わせの解決が迅速化し、カスタマー・サービスが改善します。
マルチチャネル・リーチ:このテクノロジーをさまざまなプラットフォーム(Webサイトのランディング・ページ、ソーシャル・メディア、SMS、メッセージング・アプリ、モバイル・アプリなど)に統合する企業は、顧客が最もアクティブになっているところにリーチできるようになります。
コスト効率:チャットボットで日常的な反復タスクが処理できるので、人間のエージェントが介入する必要性が減ります。そうすれば、企業は人的資源をより複雑で戦略的なタスクに割り当てることができるため、マーケティング業務コストの大幅削減につながります。
拡張性:複数の対話を同時に処理できるため、非常にスケーラブルです。顧客ベースが拡大するのに合わせてコストやスタッフを増やさなくても、チャットボットなら、対話が増えるのに対応できます。
一貫性:チャットボットで情報とメッセージングに一貫性を持たせると、どの顧客も同じレベルのサービスと情報を受けられるようになります。この一貫性は、コミュニケーションでブランドの完全性と正確性を維持するのに役立ちます。
データの収集と分析:顧客のフィードバック、プレファレンス、振る舞いに関する貴重なデータを、やり取りの中から収集することができます。このデータは、マーケティング・キャンペーンの改良、メッセージのパーソナライズ、製品やサービスの改善に利用できます。
パーソナライゼーション:チャットボットで、ユーザーとのやり取りから得たデータを利用することで、エクスペリエンスのパーソナライズやマーケティングのテーラード・メッセージの作成ができます。このパーソナライゼーションで、コンバージョンと顧客ロイヤルティーの可能性が高まります。
リード・ナーチャリング:チャットボットによって、フォローアップ・メッセージやドリップ・キャンペーンを送信して潜在顧客をセールス・ファネルに導くことで、リード・ナーチャリング・プロセスを拡張できます。
チャットボット・マーケティングは、チャットボットをカスタマー・ジャーニーで利用することに関わる幅広いユースケースを包含しています。次に示すチャットボット・マーケティングのサンプルシナリオは、よくあるユースケースのうち、顧客支援、データ収集、リード創出、レコメンデーションのパーソナライズなどを説明するものです。
たとえば、「Acme Widgets」というeコマース会社で働いていると想像してください。そこでは、さまざまなウィジェットやアクセサリーを販売しています。目標は、チャットボットを利用して、会社のマーケティング活動を拡張することです。
Sarahという名前の潜在顧客が、Acme WidgetsのWebサイトにアクセスして、購入に興味を持っている特定のウィジェットに関する情報を探しています。SarahがWebサイトにアクセスすると、「WidgetGuide」という名前のチャットボットが画面の隅にポップアップ表示され、サポートするとのウェルカム・メッセージを出しています。
WidgetGuideからは、ウィジェットに関する詳細情報(仕様、価格、在庫の有無など)が提供されます。しかし、Sarahがまず質問したのは他のこと、保証と返品ポリシーについてです。WidgetGuideから返ってきた答えは助けになります。
Sarahはウィジェットの購入に興味がありますが、他のモデルと比較してから決定しようと考えています。Sarahが興味を持っていることを認識したWidgetGuideからは、ウィジェットを類似のモデルと比較するよう提案されます。Sarahは同意し、他に検討しているウィジェットの名前を指定します。
WidgetGuideはSarahのEメール・アドレスを収集して、比較の詳細情報を送信し、ニュースレターを購読できるようにします。SarahのEメールを受信したAcme Widgetsのマーケティング・チームから送信する通知には、比較情報がリレーされており、プレファレンスに基づいてパーソナライズしたレコメンデーションも記載されています。比較情報を受信したSarahは、現在購入に向けて検討しています。WidgetGuideは数日後、Sarahへのフォローアップで、以前のやり取りと比較データに基づいてパーソナライズした製品レコメンデーションをします。
Sarahは、いくつかのアクセサリーをカートに追加することにして、購入にかかります。このシナリオで、Acme Widgetsはチャットボットを効果的に利用して、潜在顧客とのエンゲージメントを行い、情報を提供し、見込み客をキャプチャし、レコメンデーションをパーソナライズして見込み客を育成し、最終的に見込み客から顧客へのコンバージョンをしました。これは、チャットボットがいかにマーケティング・ストラテジーで不可欠な要素であるかを示すものです。顧客体験を向上させており、売上を促進しています。
ここでは、新しいチャットボットを強力な戦略的アプローチで作成し維持するために完了しておく必要のある一般的なタスクのいくつかを挙げます。
チャットボットは数十年前からありましたが、真の対話型AIが市場にデプロイされたのはつい最近のことです。チャットボットも対話型AIも、ユーザーとの対話の自動化に関連して使用されるテクノロジーですが、その機能はさまざまな面で異なります。
チャットボットは機能が狭められています。FAQへの回答、カスタマー・サポートの提供、ユーザーを特定のプロセスにガイドすることなど、事前定義した特定のタスクや機能に向けて設計されています。日常的でわかりやすいタスクの処理に優れています。多くのチャットボットは、事前定義したルールと決定木に基づいて動作します。一連の指示やスクリプトに従って、ユーザーインプットに応答します。チャットボットの自然言語処理 (NLP)機能は限られており、複雑でコンテキストリッチな言語の理解や応答となると苦しいです。多くの場合は適応性があまりなく、ユーザーからの問い合わせが予期しないものであったりスクリプトに基づいていなかったりすると十分に処理できないことがあります。時間を経ても対応を学習したり改善したりしない場合があります。チャットボットは通常、ホテルの客室の予約や、特定の製品やサービスに関連したよくある質問への回答など、シングルパーパスのアプリケーション向けに構築されます。しかしプラス面を見ると、チャットボットは傾向として開発やデプロイがさほど複雑ではないため、わかりやすいタスクやアプリケーションに適しています。
一方、対話型AI搭載バーチャル・アシスタントの機能は、より広範で包括的です。質問への回答から、より複雑で動的な対話を行うことまで、さまざまなタスクを処理することができます。対話型AIでは、人工知能と機械学習アルゴリズムを頼りに、本当の人間から想定されるものにはるかに近い応答を理解して生成します。ユーザーインプットとコンテキストに、動的に適応できます。バーチャル・アシスタントはディープNLP機能を備えていることが多く、人間のようなテキストや音声での応答を効果的に理解して生成できます。ユーザーのやり取りから学習し、時間を経るほど改善します。パフォーマンスを向上させるため、強化学習などの手法を採用する場合があります。
最終的に。複雑さを処理し、対話から学習し、あらゆるサイロで多数の目的を果たすという対話型AIの能力が、競争力を維持して顧客体験を向上しようとする大規模組織にとって心惹かれる選択肢となります。チャットボットの機能は、対話型AIプラットフォームと比べて原始的なものであり、今やチャットボットは、今日の対話型マーケティングでのAIに起きているエキサイティングなトレンドに対し、本質的に時代遅れで限定的な先例とみなされています。
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