MongoDB とは何ですか?

2021年10月14日

MongoDB とは何ですか?

MongoDBは、テーブルや行の代わりに柔軟なドキュメントを使用して、さまざまな形式のデータを処理および保存する、オープンソースの非リレーショナル・データベース管理システム(DBMS)です。

MongoDBはNoSQLデータベースソリューションであるため、リレーショナル・データベース管理システム(RDBMS)を必要としません。そのため、ユーザーが多変量データ型を簡単に保存および照会できる柔軟なデータ・ストレージ・モデルを提供します。これにより、開発者のデータベース管理が簡素化されるだけでなく、クロス・プラットフォームのアプリケーションやサービスのための高度にスケーラブルな環境も可能になります。

MongoDBドキュメントまたはドキュメントのコレクションは、データの基本単位です。バイナリーJSON(Java Script Object Notation)としてフォーマットされたこれらのドキュメントは、さまざまな種類のデータを保存し、複数のシステムに分散できます。MongoDBは動的スキーマ設計を採用しているため、ユーザーは極めて柔軟にデータ・レコードの作成、MongoDB集約によるドキュメント・コレクションの照会、大量の情報の分析を行うことができます。

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MongoDBと他のデータベースの違い

現在、非常に多くのデータベース管理ソリューションがあるため、最適なソリューションを選択するのは難しいかもしれません。ここでは、決定に役立つよう、人気ソリューションの比較と最適なユースケースをいくつか紹介します。

MongoDBとMySQLの違い

MySQLは、構造化クエリー言語を使用して保存されたデータにアクセスします。この形式では、スキーマを使用してデータベース構造を作成し、テーブルをデータ型の標準化方法として利用して、値を検索可能にし、適切に照会できるようにします。成熟したソリューションであるMySQLは、Webサイトのデータベース、アプリケーション、商用製品の管理など、さまざまな状況で役に立ちます。

MySQLは頑健であるため、トランザクション・データの管理など、データの整合性と分離が重要な場合にはMongoDBよりもMySQLが適しています。しかし、MongoDBは制限の少ないフォーマットと高いパフォーマンスを備えているため、特に可用性と速度が主な重要である場合は、MongoDBの方が適した選択肢となります。

MongoDBとCassandraの違い

Cassandra とMongoDBはどちらもNoSQLデータベースですが、それぞれに異なる長所があります。Cassandraは行と列を持つ従来のテーブル構造を使用しているため、ユーザーはデータをコンパイルする前にフォーマットする際に一貫性と耐久性を維持できます。

CassandraはSQLに似た構文を持っているため、NoSQLソリューションを探している企業にとってより容易な移行を提供できます。また、多くの設定を行わなくても、デプロイメントと複製を確実に処理できます。一方、構造化データと非構造化データセットを処理する際の柔軟性や、ミッションクリティカルなクラウド・アプリケーションのパフォーマンスと信頼性は、MongoDBに及びません。

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MongoDBのユースケース

モバイル・アプリ

MongoDBのJSONドキュメント・モデルにより、バックエンド・アプリケーション・データをApple iOSやAndroidデバイス、クラウドベースのストレージ・ソリューションなど、必要な場所に保存できます。この柔軟性により、セカンダリー・インデックスと地理空間インデックスを使用して複数の環境にまたがるデータを集約できるため、開発者はモバイル・アプリケーションをシームレスに拡張できます。

リアルタイム分析

事業が拡大するにつれて、大規模なデータプールから主要指標やビジネス分析情報にアクセスできることが重要になります。MongoDBは、JSONや、BSONなどのJSONに似たドキュメントをJavaオブジェクトに簡単に変換し、複数の開発環境でリアルタイムの情報を分析する際に、MongoDBでのデータの読み書きを高速かつ極めて効率的に実行します。これは、政府、金融サービス、小売業など、いくつかの業界では特に有益であることが実証されています。

コンテンツ管理システム

コンテンツ管理システム(CMS)は、電子商取引サイト、オンライン出版物、ドキュメント管理プラットフォーム、その他のアプリケーションやサービスにアクセスする際に、良好なユーザー・エクスペリエンスを確保する上で重要な役割を果たす強力なツールです。MongoDBを使用すると、単一のデータベースを使用して高い可用性を維持しながら、オンライン・アプリケーションやWebサイトに新しい機能や属性を簡単に追加できます。

Enterpriseデータウェアハウス

Apache Hadoopフレームワークは、Hadoop Distributed File SystemやHadoop MapReduceなどのオープンソース・モジュールのコレクションで、MongoDBと連携して大量のデータを保存、処理、分析します。組織はMongoDBとHadoopを使用して、リスク・モデリング、予測分析、リアルタイム・データ処理を実行できます。

Mongo DBを導入するメリット

長年にわたり、MongoDBは、強力で拡張性に優れたNoSQLデータベースを求める多くの企業にとって信頼できるソリューションとなっています。しかし、MongoDBは単なる従来のドキュメントベースのデータベースではありません。他のDBMSとは一線を画す優れた機能をいくつか備えています。

ロード・バランシング

企業のクラウド・アプリケーションの規模が拡大し、リソース需要が高まると、サービスの可用性と信頼性の確保に問題が生じる可能性があります。MongoDBのロード・バランシング共有プロセスは、許容可能な読み取りおよび書き込みスループットを維持しながら、大規模なデータセットを複数の仮想マシンに同時に分散します。この水平スケーリングはシャーディングと呼ばれ、組織がクラウドベースの展開の容量を拡張しながらハードウェアの垂直スケーリングのコストを回避するのに役立ちます。

アドホック・データベース・クエリー

MongoDBが他のデータベースに対して持つ最大のメリットの1つは、事前定義されたスキーマを必要としないアドホック・クエリーを処理できることです。MongoDBデータベースは、SQLデータベースに似たクエリー言語を使用しており、初心者から上級開発者まで、誰でも簡単に使用できます。この使い勝手のよさにより、一般的なヘルプ・メソッドと簡単なシェル・コマンドを使用して、データのプッシュ、照会、並べ替え、更新、エクスポートが簡単になります。

複数言語への対応

MongoDBの優れた1つの点は、多言語をサポートしていることです。MongoDBには複数のバージョンがリリースされていますが、Python、PHP、Ruby、Node.js、C++、Scala、JavaScriptなど、人気のプログラミング言語のドライバー・サポートも継続的に開発されています。

MongoDBのデプロイメントとセットアップ

デプロイメントのステップには、MongoDBのインストールとデータベースの作成という2つの主要なアクティビティーが含まれます。

MongoDBのインストール

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    • Windows:Windows環境にMongoDBをインストールするには、Windows Server 2008 R2、Windows Vista 以降を使用する必要があります。使用するデータベースのアーキテクチャー・タイプを決定したら、MongoDBのダウンロード・ページからプラットフォームの最新バージョンをダウンロードできます。
    • Mac:macOSにMongoDBをインストールするには、2つの方法があります。Windowsベースの環境のインストール・プロセスと同様に、使用するビルドの種類を決定したら、MongoDBを開発者Webサイトから直接インストールできます。ただし、これより簡単かつ一般的な方法は、ターミナル・アプリケーションを使用してHomebrewを実行することです。MongoDBのHomebrewインストールの詳細については、こちらをクリックしてください。

    データベースの作成

    MongoDBをインストールしたら、データを保存するディレクトリーを作成する必要があります。これは、ローカルで実行することも、パブリックまたはプライベートのクラウド・ストレージ・ソリューションを通じて実行することもできます。MongoDBの使用開始に関する詳細については、こちらをクリックして、包括的なガイド、チュートリアル、詳細な説明をご覧ください。

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