パートナー企業様によるThink 2025振り返りと、二人三脚プログラム「PAP」ご紹介(イベントレポート)

2025年5月26日、日本IBM箱崎事業所にて「2025年データ・プラットフォーム事業部全体戦略セミナー」が開催されました。

当記事では、IBMパートナー企業2社(EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社様、株式会社メトロ様)による「Think 2025参加レポート」と、クライアント・エンジニアリング事業部がIBMパートナー企業様へのご提供をスタートした「Partner Assistance Program (PAP)」ご紹介セッションの様子をご紹介します。

会議室にいる人々のグループ、発表者、プロジェクター スクリーン。

お集まりいただいたパートナー企業の皆様へのご挨拶が行われたオープニングの後、Data and AI エバンジェリストの田中孝による、5月前半米国ボストンで開催された「Think 2025」にて発表されたwatsonx関連の発表の要点解説が行われました(なお、当セミナーは近日Seismicにてアーカイブ配信をご覧いただけるようになる予定です)。

参考 | IBM「企業業務の25%は“完全自動化”できる」 AIエージェント戦略と新製品を紹介

続いて、EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社(以下EYSC) 兒玉 崇 氏、株式会社メトロ 真野 謙一 氏より、「Think 2025」参加レポートが行われました。まずは兒玉氏の報告をご紹介します。

EYSC 兒玉 崇 氏「世界規模で盛り上がるAIエージェント」

EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社 Customer Experience Transformation(CXT) アソシエートパートナー 兒玉 崇 氏

「日本国内での盛り上がりは重々承知していましたが、AIエージェントの盛り上がりが世界規模であることを再確認しました。

AIエージェント関連のセッションは複数ありましたが、どのセッションも数百人が入れるサイズの部屋から人があふれ出そうになっていました。」

こう語る兒玉氏は、一般公開セッション前日に開催されたパートナー企業向け特別セッションにも参加し、そこでも「盛り上がり」を強く感じたと言う。

「この日、米IBM CEOのアービンド・クリシュナさんとグローバルEYのトップ・エグゼグティブが対話するセッションがありました。会場到着がギリギリとなってしまったところ、すでに『メイン会場は満員で入れない』ということでリモート会場に案内されたのですが、そちらも数百人もの人で大賑わいでした。」

CEOはじめ生成AIについての言及が非常に多く、会場では他の参加者の方から「あなたも生成AIに関わっているのか? どんなことをしているのか?」と質問されることもあったと言う。

「個人的には、ビジネスコンサルタント職に就く者として、新しいテクノロジートレンドがどのような状況で、どう展開していくのかがよくわかったのもありがたかったのですが、一番嬉しかったのは、日本から来た230名の参加者の皆様とのネットワークが生まれたことかもしれません。

普段とは異なるビジネス環境のせいもあってか、以前から『コンタクトを取りたい』とずっと思っていた方とお会いすることができ、最初から親しくお話しすることができました。今後のビジネスについても、しっかりとお話を進めさせていただくことができました。」

セッションの最後に、兒玉氏はIBMのAIエージェント「watsonx Orchestrate」を基に設計し、EYSCが提供している業務・システム改革ソリューション「Work Agent One」をデモンストレーションと共に紹介されました。

「これらのソリューション提供は我われEYSCだけでできるビジネスではありません。IBMパートナー企業の皆様との協業、共創機会をぜひ持てればと思っていますので、よろしくお願いします」と話し、セッションを終えられました。

参考 | 商談準備も案件管理もわずか数分。AIエージェントはビジネス価値で (「IBM AI Forum 2025」より)

メトロ 真野 謙一 氏「やっぱり人じゃないとできないこと」

株式会社メトロ 取締役 執行役員 営業本部 本部長 真野 謙一 氏

株式会社メトロはIBMのコアパートナーとして長年活動していますが、アメリカで開催されるグローバルイベント『Think』への参加は今回が初めてです。

実は私自身も、この10年ほど、直接的なIBMビジネスからは距離を置いていました。ですが今回、“エンタープライズAIの流れが今大きく変わろうとしている”ということを強く感じていたことから、初参加にも関わらず弊社から4名で参加させていただきました。」

「Think 2025」への参加理由をそう語った真野氏は、Microsoft社やMeta社、Box社など、多くのテクノロジー企業がIBMとの連携を求め、そして進めていることに驚いたとともに、この10年間のIBMの変化を端的に感じ、素晴らしいと思ったと語られました。

その後、「『実装フェーズから業務全体への組み込みへ』や、『タスクをこなすAIから目的を持って動くAIへ』といったキーノートセッションでのメッセージは、正直“どこのベンダーも似たようなことを言っているかな“という感想で、”さすがIBM!“には至りませんでしたね。でも……」と語られると、強く感銘を受けた部分についてお話しされました。

「IBM製品のほとんどに現在すでにAIが組み込まれているという事実にも驚かされましたし、AI×AIで統合整理していく『オーケストレーション』もさすがだなと思いましたが、それ以上だったのは『「AI×AI」「AI×人」「人×人」のハイブリッド体制』というメッセージングです。

人×人の要素がしっかりと強調されメッセージに盛り込まれているのは“さすがIBMだな!”“上手いな”と思いましたね。」

真野氏がそう語るのは、現地でセットされた多くの方々との打ち合わせにおける会話が理由となっているそうです。

「打ち合わせの場では、多くの方が『ベリファイ』や『エンシュア』——確認や保証の意味ですよね——という単語を口にしていました。システム進化のスピードは目覚ましいですが、同時に、人が介在して検証しながら進めていくAI×人の重要性がしっかり認識されているということですよね。

そしてやはり人×人が重要です。実際、こうした場でメッセージを伝えることだったり、プロジェクトでメンバーのモチベーションを上げたり、そして人や組織の蘇生や経営理念の実現などは、“やっぱり人じゃないとできないこと”ですからね。」

真野氏は最後に、メトロ社のビジネスの中心の一つである「データ&セキュリティー事業」について紹介を行いました。

「先ほどもお伝えしたように、『Think 2025』現地での個別打ち合わせや展示解説の中でも、“最も大切なのはやはりデータ”ということが繰り返し話題となりました。

皆様ご存じのように『Garbage In, Garbage Out』、つまり『悪いデータを入れたら悪い結果が帰ってくる』という問題がAIにはあります。今後ますます、PDFや画像などの『非構造化データ』からより高いビジネス価値を生み出すことが求められるようになるでしょう。

そのためにはどういうところが重要なのか、何が必要となるのか——そうしたことを改めて考えさせていただける『Think 2025』でした。

私たちメトロは、AI時代に必要なデータ処理、統合、連携、品質、ETL、マイグレーションなどにおいて、他社に負けることのない強みを持っている会社であり、お客様には“データを活用するならデータの品質を守らなくては”ということを強くお伝えしています。

私たちは『モノを売る会社』というよりは、『現場の実装力』を一緒に創っていきましょうという『デリバリー・パートナー』的な役割色の強い会社だということもあり、さまざまなIBMパートナー企業の皆様と一緒に『共創を進める仲間』として活動できるのではないかと思います。

何かご支援できることがあれば遠慮なくお声掛けくださいますようお願いします。次は、案件でお会いしましょう。」

クライアント・エンジニアリング「Partner Assistance Program (PAP)」

日本アイ・ビー・エム株式会社 テクノロジー事業部 クライアント・エンジニアリング ディレクター 大澄 佳織

クロージング前の最終セッションでは、クライアント・エンジニアリング部門をリードする大澄佳織より、「Partner Assistance Program (PAP: パートナー・アシスタンス・プログラム)」の紹介が行われました。

PAPは、異なる専門性をもつメンバー(ビジネステクノロジーリーダー、エンジニア、デザイナーなど)が集うマルチタレントチーム「クライアント・エンジニアリング」が、ワークショップなどを通じてお客様のビジネス課題を炙り出し、そこからオーダーメイドで解決策を提案・開発・形にしていく「無償」プリセール活動を、ビジネス・パートナーの皆さまと共にパートナー企業のお客様にお届けするプログラムです。

「従来の提案活動が、お客様の要件を聞いて持ち帰ったのち、提案をお持ちし、再度フィードバックをいただいて持ち帰る…というスピード感とやり方だったのに対し、私たちはその場でゼロからイチを作り、育てていくというアプローチを取っています。

具体的には、最初のワークショップからだいたい1週間ほどで「見えるモノ」「動くモノ」を作り上げ、そこから一カ月ほどで作り上げた価値を磨いていきます。昨年は1年間で500件以上の活動を行いました。

また、成果物としてお届けするのは、オンライン上で動くアプリだけではなく、「アウトカムレポート」と呼んでいる報告書や、稟議を上げるための資料という形でもお届けしています。

この活動を進めることで、お客様の課題に対して何が良くなり何が解決されるのか——こうした価値を数値で表すことが重要だからです。」

大澄はPAPの内容を説明すると、進め方における大事なポイントを紹介しました。

「無償でこうした活動をご提供させていただいていますが、『検証で終わらせない』『本番業務で活用いただく』という結果につなげなくてはなりません。そのためにまず大切なのが『最初の入り方』です。

『無料だからちょっとやってみませんか』とお客様にお伝えしてスタートするのではなく、取り組みの目標とお客様の期待値をしっかり確認し、ステップを合意して進めることが大切です。

2つ目のポイントは、この取り組みに対する担当者のアサインです。「変革のための取り組み」ですから、現場をよく分かっている方に参画いただかないと本当の課題が炙り出されないで終わってしまうことがあります。

3つ目が、決定権のある方にも活動を認識していただくということ。次のビジネスにつなげるためには、決定権のある方に最初のワークショップと最後の完了報告、そして大事な中間報告にしっかりご同席いただくことが重要です。

そして最後は事前タスクへのご協力です。ワークショップ前のアンケートや、効率化のための準備などはお客様側でやっていただきます。」

大澄は「まだ、生成AI関連の本番業務への組み込みは事例化があまり進んでいないのですが…」と言いながらも、クライアント・エンジニアリングが「ビジネス視点」「ユーザー視点」「テクノロジー視点」を三位一体で統合して手がけた関連事例を4つ紹介しました。

以下より概要などご確認いただけます。

最後に、大澄はPAPの進め方の柔軟性について言及してセッションを終えました。

「クライアント・エンジニアリングの共創活動を、パートナー企業の皆様と二人三脚で、『皆様のお客様との共創活動』へと広めていきたいというのが、本日一番お伝えしたいことでした。

そのためのステップとして、PoCから本番稼働までを3つのステップに分けて、パートナーの皆さまと以下の形でご一緒させていただきたいというのが皆様へのお願いとなります。

  • ステップ1は無償PoCとして、パートナー企業のお客様に、私たちが皆様と一緒に取り組みをご提供します。パートナー企業の皆様にとっては、私たちの技術的スキルを取得いただく場として、また、私たちのスピード感を知ってもらう機会としていただければと思います。
  • ステップ2はパイロット導入となります。パートナーの皆様にリード頂き、私たちはサポートとして入る形でのお客様へのご提供となります。基本的には有償PoCとなるかと思いますが、その点はパートナー企業の皆様にご判断いただければと思います。
  • ステップ3は、運用可能な環境を整備し継続的な業務改善の推進・定着を図る、ビジネスの本格展開フェーズとなります。

内容も進め方も、お客様の実情をよくご理解いただいているパートナー企業の皆様からのリクエストに合わせる形で進めていきたいと思っていますので、共創パートナーとして「クライアント・エンジニアリング」をご指名いただけましたら幸いです。ぜひ、お気軽にお問い合わせください。」

著者

パチ 八木橋

コラボレーションエナジャイザー

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