AWSにおけるクラウドの自律セキュリティ:安全な未来のためにAIの力を活用する

コンピューターの前で働く同僚

共同執筆者

Souvik Khamaru

Executive Security Consultant

EMEA Cloud Security Center of Competency

Akram Zaky

Product Manager - Consulting & Cybersecurity Services

IBM

Moumita Saha

Senior Security Partner Solutions Architect - Amazon Web Services

デジタルの世界が進化するにつれ、企業はデータの保管、オペレーションの実行、アプリケーションの管理にクラウド・ソリューションをますます利用するようになっています。しかし、この成長に伴い、クラウド環境の安全性を維持し、刻々と変化する規制に準拠し続けるという課題が生じています。ここで、クラウド向け自律セキュリティー(ASC)の概念が登場します。

セキュリティとコンプライアンスは単なる技術的な流行語ではなく、あらゆる規模の企業にとって重要です。データ侵害やサイバー脅威が増加する中、データの安全性を確保し、規制基準を満たすシステムを導入することはもはや必須となっています。しかし、従来のセキュリティとコンプライアンスの管理方法では、多くの場合、多大な手作業が必要となり、遅延、エラー、または脆弱性の見落としにつながる可能性があります。

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ASCとは

ASCは、クラウド環境を保護し、規制や組織の基準に準拠させるための複雑なタスクを自動化する画期的なソリューションです。生成型人工知能 (生成AI )を搭載した ASC は、今日のセキュリティニーズを満たし、将来の課題に適応できるように設計されています。ASCは現在、Amazon Web Services(AWS)で実行されるワークロード用に設計されています。

その核となるのは、AWS環境の変化やリスクを継続的に監視するインテリジェントなシステムです。つまり、新しいクラウド・サービスの追加、構成の変更、スケールアップなど、ビジネスの進化に応じて、セキュリティーとコンプライアンスのフレームワークがリアルタイムで自動的に調整されます。

セキュリティとコンプライアンスが重要な理由

多くの組織にとって、データ・プライバシー法、業界標準、サイバーセキュリティーのフレームワークなどの最新の規制に準拠し続けることは、常に頭痛の種です。これらの規制を遵守しないと、多額の罰金、信頼の喪失、さらにはビジネスの中断につながる可能性があります。

ASCは24時間365日の守護者として、お客様のクラウド環境が米国国立標準技術研究所(NIST)、ペイメントカード業界データセキュリティ基準(PCI-DSS)、デジタル業務継続性法(DORA)をはじめとする業界標準やその他の規制・基準に準拠し続けることを保証します。ASCは、問題を検知して問題に対処することで、脅威やコンプライアンス要件が問題になる前に先手を打つことができます。

ASCの仕組み:シンプルでありながら強力なプロセス

ASCの機能は次のように定義できます。

  • 継続的な監視:ASCはクラウド環境を常に監視し、潜在的なリスク、セキュリティー・ギャップ、コンプライアンス違反を精査します。

  • 自動調整: ASC が設定ミスや新たなセキュリティ脅威などの問題を検知すると、プログラムを修正するために必要な変更を自動的に加えます。

  • プロアクティブな保護: AI搭載の予測を使用して、ASC はお客様のビジネス要件をレビューし、お客様のビジネスに必要な AWS リソースの安全で準拠した構成を推奨します。また、Infrastructure as Code(IaC)テンプレートを生成して、規制基準や社内ポリシーへの組織のコンプライアンスに必要な安全な構成を用いてAWSクラウドにリソースを展開することもできます。規制基準の変更であれ、新たなサイバー脅威であれ、ASCはそれに応じてセキュリティー設定を調整します。

  • 必要に応じた人的専門知識: ASCはほぼ自律型ですが、人的監視の必要性がなくなるわけではありません。クリティカルな意思決定が必要な場合は専門家が介入し、人間の判断がAI効率性を確実に補完します。

レジリエントな未来を築くAIの役割

ASCの中核をなす生成AIは、システムの考察、学習、予測の能力を強化します。生成AI機能を統合することで、ASCは継続的に進化し、改善されます。これは、システムが時間の経過とともにスマートになり、セキュリティーランドスケープにおける新たな課題に適応することを意味します。

たとえば、新しいタイプのサイバー攻撃が発生した場合、ASC は外部データソースから学習し、AWS 環境に適切な保護を自動的に適用できます。このような自己修復機能とリアルタイムでの調整能力が、ASCが従来のセキュリティソリューションと一線を画す理由です。

コンプライアンスの未来:ストレスを減らし、セキュリティを強化

コンプライアンスの世界はますます複雑になっていますが、ASC はコンプライアンスの管理がストレスの原因とならない未来を提供します。ASC は、監視やレポート作成などの日常的なタスクを自動化することで、チームが最も得意とするビジネスの成長に集中できるようにします。

クラウド・コンピューティングへの移行は今後も続きます。それに伴い、クラウド環境でセキュリティとコンプライアンスを管理するための、よりスマートで効率的な方法が必要になります。最先端の生成AIを搭載したAWSのASCが先頭に立っています。ASCは、複雑なプロセスを自動化し、クラウド環境を先見的に保護することで、企業が安全性とコンプライアンスを維持し、将来に備えられるようにします。

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