データはこれまでないほど広がっていますが、その可能性すべてを十分に活用するには、創造性と信念が必要です。

データ・リーダーは、増加の一途をたどる社内外のデータ・ソースのプールを適切に利用して、ますます競争が激しくなる、データが豊富な市場での戦略と方向性を明確にします。

ビジネス・インテリジェンスにのみ注目していた日々は遠い昔です。 今日のデータ・リーダーたちは、組織の継続的な前進に役立つ、リアルタイムの意思決定モデルと予測モデルを求めて努力しています。 しかし、その目標を達成するためには、大量のデータの意味を理解し、ビジネス戦略に合わせて調整し、組織全体を網羅するソリューションを構築するための適切なアプローチが、データ戦略で定義されている必要があります。 ユーザーを支援し、従来の分析とデータサイエンスから運用分析、デジタル、IoTセンサー・データ、新製品開発に至るまでのビジネス・ニーズに応えるユースケースを定義する必要があります。

創造性と革新的な意思決定は、成功のために必須のものです。 しかし、データの可能性すべてを実現するには、構想、説得力、サポートも必要です。 業界のデータ・リーダーたちの洞察を活用した6ステップのフレームワークは、チーム、人材、組織としての強みを最大限活用すると同時に、データ戦略の設計・実装を支援します。

始める

戦略の策定

01. ビジネス目標の理解

データ戦略とビジネス戦略を結び付ける

データ戦略においては、賛同が重要です。 データ戦略のフレームワークが機能するのは、その構想が、組織の全体的な目標と連携して管理、サポート、収益化されている場合のみです。

ビジネスとデータの優先事項を調整するためには、組織と経営層のより大きな目標を明確に理解する必要があります。 経営層とビジネス利害関係者とのミーティングを行うことが、組織が目標に到達し、真の競争上の優位性としてのデータの活用を支援するための最初のステップです。「取り組む対象であるビジネス上の問題が何かということ、実際、すべてはこれに始まり、これに終わります」と Inari社の最高情報/データ責任者、Rania Khalaf博士が話しています。

経営陣がデータの戦略的メリットを確認できるようにするために、協業的かつデータ駆動型の環境を作り上げる過程で、優先事項が明確化され賛同を得られるようにします。

「何よりも、現実的になることです」と、保険業界の企業データ/分析リーダーであるSrinivasan Sankar氏は話しています。

各利害関係者に行う質問

これは、あなたの方向性を策定するための重要な初回の対話で行う質問のチェックリストです。

データとAIの使用を必要とする、最上位のビジネスの優先事項とイニシアチブは何ですか?

これらの優先事項の達成を妨げる最大の課題は何ですか?

セルフサービス・データ・アクセスに関連したデータ・プライバシーとセキュリティーの課題には何がありますか?

ソリューションを構築するために、ツールの統合にどのぐらいの時間を費やしますか?

データが使用できればと思う、現時点で十分に解決できない課題は何ですか?

自分自身とチームの成功をどのように測定しますか?

最も説得力のあるユースケースを特定する

高品質なデータによりアクセスできた場合、組織内のどこで問題を解決できますか?その発見プロセスには、幅広いレビューが必要です。IBMのお客様向けのデータ戦略の設計と実装を専門とするJo Ramosは、「利害関係者とのミーティングでは、事業部門内または複数の事業部門にわたる、複数のビジネス目標におけるデータのニーズを特定して、戦略的資産としてのデータの価値を示します」と述べています。

財務、販売、マーケティングなど、組織の領域間でデータがどのように流れるか(あるいは流れないか)をよりよく理解することで、運用の全体像を把握し、コストの削減、効率性の向上、収益の増加のための新しい方法を見つけることができます。

選択肢を知ることも重要です。 古くなったアプリケーションを更新することにより、サプライチェーンのコストを削減できるとしたらどうでしょうか? あるいは、AIによりリスクとコンプライアンスを自動化して、より優れた洞察を迅速に得られるとしたら? 総収入を増やし、最終収益を拡大し、リスクを軽減する機会を見つけるために、データの状況をあらゆる方向から調べましょう。

ツールキット内のツールを把握する

IT部門と連携して取り組みましょう。 IT部門は、既存のインフラストラクチャーとテクノロジーとともに、新しい最先端テクノロジーも活用して、データ戦略を次のレベルへと引き上げるために力になってくれます。 組織の現在のテクノロジー・エコシステムと戦略(さらにサブ戦略とサブサブ戦略も)を理解することは、ビジネスの成果達成を支えるためのデータ、AI、アプリケーションの使用について確固とした達成可能な行動方針を作成する際に役立ちます。 計画済みかつ資金調達済みのイニシアチブの活用は、データ戦略の確実な実現に役立つため、こうした知識は非常に重要です。

組織のデジタル・トランスフォーメーション戦略を把握する

Ramosは、企業の現在のデータ環境を最初に考慮しなければ、アプリケーションの更新や古いシステムの刷新は機能しないことを指摘しています。また、「多くの組織が、アプリケーションのモダナイゼーションとアプリケーションのクラウドへの移行を話題にしていますが、データ自体を見失っています。データの統合と、分析の実行について言えば、それはすべてのアプリケーションをクラウドに移行することではなく、新しい現代のアーキテクチャーでデータをどのように生かすかを考え出すことです」と述べています。

02. 現状の評価

問題点を明らかにして調査し、阻害要因とギャップを発見する

最終目標を把握し、次のステップのためのリーダーたちの参加を得られたところで、次はデータの不足と脆弱性についてエコシステム全体を包括的に検討します。 何が機能していて、何が機能していませんか? 真の「データ・ファースト」体験を備えたビジネスを行う際に障害になるものは何ですか?データ統合、データ管理、ワークフローに関する課題の根底には、組織的な問題が存在することが多くあります。 実際、82%の企業がデータ・サイロによって阻害されています。²最適に機能するようにするために、従業員は適切に管理されたセルフサービス・データ・アクセスを必要とします。 単純にアクセス権を持つこと自体が阻害要因になることは決してありません。IBMのデータとAIの製品リーダーであるPriya Krishnanは、「私がビジネス所有者で、アプリケーションを実行するためにデータを使用したい場合、データがどこから来るのか、あるいはその背後にあるメタデータやコンプライアンスに関するルールについては考える必要すらないはずです。データを入手でき、そのデータを大きな成果に変えられる、ということだけが必要です」と述べています。
デザイン思考のアプローチは、組織的な問題点を明らかにして検出する際に役立ち、複数のユース・ケース、事業部門、あるいはチームにわたって戦略的な価値をもたらします。

データ戦略のためのデザイン思考

デザイン思考では、当て推量ではなく実際の観察によって、現状をより深く理解し、将来を構想します。 このプロセスは、問題と解決策を進行中の対話として見ることで、観察、反映、作成の継続的なサイクルでの達成可能な修正を生成するために役立ちます。 詳しくは、IBMのデザイン思考の参考資料をご覧ください。

 

所有しているものと必要なものを明らかにするためにデータを検討する

データ・トポロジーは、地形図が山、丘、谷を示すような方法で、情報の曲線や輪郭を明らかにします。 データ・トポロジーでは、競合する優先事項と組織のあらゆるニーズを包含するデータ・シナリオの分類、クラスター化、管理を行います。 データ・トポロジーを理解することで、制約を確認できます。 既存のデータ・トポロジーを取り込むことは、論理的なアップグレードが必要な領域、より堅固かつ有用なテクノロジーを活用する機会、データ統合を妨げる危険信号とともに、古くなったデータ・アーキテクチャー(ビジネス戦略に合わないテクノロジーなど)を特定するために役立ちます。

誰が参加しているか、彼らが何をもたらすかを把握するためにチームの見直しを行う

どんなに明晰で才能があるとしても、独力で大量のデータ変更を行える人はいません。 自身を含むチームが、IT業界の急速なペースに対応するために必要な特定のスキルを持ち、継続的なトレーニングを行っていることを確認してください。 半数を超える組織が、データ・リテラシーと専門知識を拡大するために、内部スタッフのスキル向上を行っています。その一方で、5分の1の組織は、大卒者を雇用してトレーニングを行っています。³スマートになり、スマートであり続けましょう。

ガバナンスのための重要なデータ要素に優先順位を付ける

氏名、住所、性別、社会保障番号など、重要な規制対象のデータ要素を管理することは、複製エラー、信頼できない検索、プライバシー侵害を経験することなく、さまざまなビジネス・システムを実行するために不可欠です。 データの保護とイノベーションの促進の間で微妙なバランスを取ります。 データに関連するポリシーを現在誰が所有、管理、定義しているか、そのガバナンスがセキュリティー、プライバシー、またはコンプライアンスに影響するかどうかを検討します。 組織内の適切な人物に、データと分析の評価、作成、利用、制御における適切な行動を保証するための決定権、説明責任フレームワーク、外部リソースがあることを確認します。 この段階で、使用しているAIテクノロジーのガバナンスも忘れないでください。

03. データ戦略フレームワークの策定

データの目標とする状態を定義する

目標とする状態、オペレーティング・モデル、実装のブループリントは、データ戦略のアイデアを創出し、その戦略を向上させ、発展させるために役立ちます。 データ・リーダーは、単なるテクノロジー・アドバイザーやデータサイエンティストではなく、データ駆動型企業を構築するための戦士であり、伝道者です。 データ戦略の対話とその結果としてのビジネス・プロセスの変更が、人事や営業にとってと同様に、アプリケーション・エンジニアとビジネス・アナリストにとっても有意義であるように、包括的な構想の概要を説明する必要があります。IBMのデータ戦略、コンサルティング、変革のエンゲージメントを率いるTony Giordanoは、「現在、多くのデータ環境は時代遅れであり、今日のデジタル環境で発展するための柔軟性があることはほとんどありません」と述べています。また、「しかし、デジタルにはリアルタイムの意思決定機能が必要であり、これらのリアルタイムの意思決定機能を提供する予測モデルにはデータサイエンス環境が必要です。 運用データは現在、次第にデータ・エコシステムの重要な部分になっています。 そのため、現代のデータ・アーキテクチャーには統合されたデータ・エコシステムが必要です。このエコシステムは、一貫性のあるデータ品質と、デジタル・チャネルの発展に従って進化する柔軟性を確保するために管理、ガバナンス、保護を行う必要のある機能を備えたものです」とも話しています。
この詳細レベルでは、ビジネス・プロセスの変更の困難さが多少軽減されます。これにより、何が、どこで、なぜ、そしてどのように、特定のユーザーの日々の業務を容易にするかについて、詳細な説明を使用して、データの問題に対応する準備ができているためです。 そしてこれは重大なことです。最近の調査では、回答者の37%が、データ・セキュリティーが 一番の課題であると答え、データ・プライバシーの問題とデータ・パイプラインの管理がそれに続いています。⁴データ戦略のブループリント、将来目標とするオペレーティング・モデルの状態、実装ロードマップによって、チームは明確なデータ管理アプローチを使用して課題に対応する力が得られます。

主要な資産の把握

目標とするブループリント

テクノロジー・ソリューションをどのように設計するか

目標とするオペレーティング・モデル

新しいソリューションが運用上どのように機能するか

実装ロードマップ

ステップバイステップのプロセスで目標とするブループリントとオペレーティング・モデルにどのように到達するか

アプリケーションのモダナイゼーション、自動化、AIによって、どこで戦略を次のレベルに進めることができるかを特定する

デジタル・トランスフォーメーションとIT戦略から多くを学ぶほど、データ戦略がさらに実現に近づきます。 このような洞察は、特にアプリケーションのモダナイゼーション、自動化、AIを使用して拡張された場合に、効率性を促進し、収益を増大させ、リスクを軽減するために役立ちます。

Lufthansa社はIBMチームと協力して、顧客体験を向上させる新しいAIベースのビジネスのアイデアとサービスを試行しました。 以前は共通点がなかった各データ・ソースは、今では自然言語と航空用語によって検索できるようになり、年間10万件近くの顧客からの問い合わせに簡単に対応できるようになりました。Lufthansaグループのクロスドメイン・ソリューションのシニア・ディレクター、Mirco Bharpalania氏は、「Lufthansa社にとってAIは非常に重要になっています。私たちが現在いるデータの世界を実際に開くからです。AIは、データベース内のどこかに何らかの形で既に存在している可能性をすべて引き出すために実際に役立っています」と話しています。

目標への進捗を測定する

IBMは、お客様が何に直面しているかを理解しています。 多くの場合、データ・リーダーには、3つの相反する局面で大きな成果をもたらし、定量化することが期待されます。 つまり、収益の増大、運用効率の向上、セキュリティーとプライバシーのリスクの軽減です。 成功するためにデータを活用できます。 攻撃から防御へと移行し、会社の成長に直接貢献しましょう。 成功のメトリックを確立することで、組織にとってこの時点で最も重要なことに基づいて、優先事項に集中することができます。

次のことを覚えておいてください。 短期目標と長期目標は、企業が測定可能な成果を達成するためにデータがどのように役立つかを示すべきです。 利害関係者との最初のミーティングでのメモを見直して、重要業績評価指標と目標を彼らがどのように定義しているか、また、それらが現在のデータ・プラットフォームとAI戦略と合っているかを確認してください。 あなたのメトリックは、その時に提示した大胆な計画を達成していますか? 達成していない場合、このタイミングで、関連付けと調整を再度行います。 過去の予想を覚えていない場合は、スキップして次のステップに進んでください。

「CDOの役割の期間は非常に短い場合が多くあります。 その理由は、期待値を設定しないことです。 それらの期待値を設定し、その設定に従って結果を出すようにします」とSankar氏は話しています。

データ戦略のハイライトを取り込み、共有する

この時点で、組織の優先順位と、ビジネスの価値の実現とそれに要する時間を短縮するためのデータとAIの使用方法について、一点の曇りもなく明確にしている必要があります。 次に解消するギャップは何ですか? あなたがどこにいて先に何があるか、全体像を見ると、実現と拡大のための実用的な計画を立てるための戦略的な状況がわかります。 そうすることで、順調に進み続けるための成果、目標、測定を組み込み、ジャーニーが進展するにつれてそれらを自分の会社と共有することができます。 データ戦略の概要に含める内容の一部を以下に示します。

  • 観察、課題、および推奨事項
  • 目標、成果、および測定
  • 複数のユースケースをサポートするための、機能横断的なデータ・ニーズ
  • データのプライバシーとセキュリティーのニーズ
  • データ・トポロジー、データ編成、およびパイプライン
  • 参照アーキテクチャーおよびサポート・テクノロジー
  • 概念的な将来の状態のデータ・トポロジー
  • 選択された開始領域のアクション・プラン

次のことを覚えておいてください。 戦略とは、単なる机上の演習ではなく、生きていて進化するアプローチです。 変化するビジネス目標とゴールに基づいて、レビューと反復を頻繁に行い、戦略が柔軟性、俊敏性、人的イノベーションを考慮に入れていることを常に確認します。 これは創造性を発揮する機会です。

データ・ガバナンスの説明

データ・ガバナンスの説明(07:46)

ソリューションの提供

戦略の実装

04. 管理の確立

実世界のシナリオをマップしてナビゲートする

疲弊したシステムの革新、古い製品の廃棄、データに精通するパートナーへの委任、ビジネスの領域全体への人工知能の適用のいずれを意味するかにかかわらず、タスクとは、できる限り逸脱を少なくしてデータの目標に焦点を当てることです。 それは、最終的には、価値実現までの時間を短縮するために洞察をスピードアップさせることです。 データ・ユーザーから洞察が得られます。 その情報を機能させるための最適な方法を検討してください。 戦略フェーズで作成したデータ・トポロジーを実装することで、複数の事業部門にわたって情報を機能させ、ユースケースの定期的な確認とそれぞれに対するさまざまな管理の監視に役立てます。

品質、プライバシー、セキュリティーに基づいてデータ・ガバナンス・ポリシーの概要を決める

最新のデータ管理アプローチの一環として、堅固なガバナンスとプライバシーの機能は、データが圧倒的な量になる可能性がある世界で組織が成功するために役立ちます。 すべてのデータ、分析、AIのイニシアチブのためのメタデータとガバナンス・レイヤーにより、データがどこにあるかにかかわらず、組織全体での可視性とコラボレーションが向上します。 データ・ガバナンス・ポリシーは、データ品質、プライバシー、セキュリティー、管理に関する行動を形成し、AIがそれらの規制の取り組みを簡素化する場所を示します。 データが顧客、製品、従業員、または財務のいずれに集中していても、組織内のすべての人が同じ言語を話すことができるように、実施するポリシーがどのようなものであっても、構造化データと非構造化データの両方について用語を標準化する必要があります。 そのすべては、最適な保護を保証するために、特定の環境向けに指定されたアプリケーションによって支援され、セキュリティーと規制上の要件に合わせて調整され、ハイブリッド・マルチクラウド・アプローチで実行される必要があります。

データ統合は、保有するデータを最大限に活用するために不可欠です。 ING社のチーフ・アーキテクトであるFerd Scheepers氏は、どのようにすれば、このグローバルな金融機関がさまざまな国の間やクラウドへのデータ移動をより適切に管理できるかを考えていました。 IBMはING社と協力して、データとING社の顧客との間に抽象化層を構築するために、データ・ファブリック・アーキテクチャーの形でデータ管理ソリューションを提供しました。 この方法により、ING社のマルチプラットフォームかつ異機種混合の状況に適合する、オープンなハイブリッドクラウド環境で、情報をどこでも自動的に利用することができます。Scheepers氏は、「データがどこから来るのか、知る必要はありません。このレイヤーさえあれば、私たちは、そのデータが何であるかを理解しているため、自動的に取り込まれ、自動的にマップされ、すべてのポリシーが実施されているデータを利用できます」と話しています。

データ・アドボケイトを確認する

組織の中でデータ戦略における支持者でありアドボケートであると確認された人々は、成功のためのパートナーです。 データが業務に与える影響について組織内で最も熱心な人を見つけ出し、彼らが定期的なミーティングや基準の維持に携わるようにします。Sankar氏は、「私は、プロダクト・チャンピオンを特定することで、小規模に開始しました。1つの事業部門から始め、その部門が成功すれば、他の部門にも容易に拡大できます」と話しています。

戦略はここまでに既に大きく前進している可能性が高いため、現在と将来のデータ・パートナーが、他にどこで、新たな領域での結果の反復と拡大を支援できるかを検討してください。 例えば、データ・ファーストの企業として、IBMには、データ・アドボケートの専任チームが存在します。このチームは、IBMがあらゆるレベルでさらに優れたより広範なデータの利用を採用するための支援を行っています。 Bhandariは、「こうしたデータ・アドボケイトたちは、売掛金やサプライチェーンにおいて同じ意見のグループを見つけ、データとAIの機能により前進したいと考えている場合、許可や資金を得るために戻る必要がなく、そのまま前進できる、という意味で、十分な力を持っています」と説明しています。

用語体系を標準化する

2024年までに、アクティブなメタデータを効果的に活用する組織は、統合データの提供までに要する時間を半分に短縮し、データ・チームの生産性を20%向上させるでしょう。⁵

堅固なナレッジ・カタログにより、データ、知識資産、コンプライアンス情報についてのアクセス、キュレート、分類、共有が可能になります。 これはつまり、データがどこにあるかに関係なく、データの関係を一元化する、一貫性のあるメタデータ基盤を構築する方法です。

中でも特に、ナレッジ・カタログは、ユーザーに、ニーズと用語体系に合わせた複数の組織間の共通用語集へのアクセスを提供できるため、誰もがガバナンス、データ品質、コンプライアンスについて文字通り同じ認識を持つことができます。 その目標は運用効率です。

05. 統合ソリューションの作成

スプリント・サイクルを設定する

データ戦略を定着させるために、組織は多くの場合、ハイブリッド・マルチクラウド環境やエンドツーエンドのデータ管理機能など、新しい概念に関する文化全体を再設計する必要があります。 それは困難なように聞こえますが、決して不可能ではありません。まず、価値があり短期間で実行可能な達成できるものを考えることから始めます。 明確な目標に対して、部門の枠を超えたチームを編成します。 それから、結果の証明に役立つ実行可能なマイルストーンのある、短いスプリント・サイクルを設定します。 アプローチの1つは、IBMのデータ・エキスパートが使用する、反復可能でシンプルな以下のプロセスに従うことです。


  • 発見ワークショップとデータ・トポロジーを含むデータ戦略について1週間から2週間の計画を立てます。
  • アクションと学習が可能なマイルストーンが設定された顧客主導型のユースケースで6週間以上にわたって証明を行います。
  • コンバージョンを確認するために社内の利害関係者の間で追跡されるテスト製品について採用と拡大を行います。
     

この最後の部分が重要です。 あらゆる戦略のメリットの明確な理解を推進するために、経営層、技術チーム、ビジネス・ユーザーがすべて、同じゴールを見ていることを確認してください。


MVPの形で小さな成功を集める

時には最も少ない投資額から最も多くの成果を得ることがあります。 Experian社のITチームは、バックオフィスに分析のための余地があることを知りませんでした。彼らが知っていたのは、自分たちが情報の中で溺れていることだけでした。 1つのクレジット・レポートを1秒未満でアセンブルするには、3,000以上のデータ・ソース、毎月常に更新される2億件のレコード、アーカイブ済みの履歴データと派生データ・セットを追跡する数十億行の追加データが必要です。Experian社はIBMと協力することで、最小限の投資と機能を含む新しいアイデアの検討とテストをユーザーに促すMVPの利用を実施しました。 多くの場合、これが、仮説をテストして継続的な投資に意味があるどうかを把握するための最も短時間でできる、コスト効率の高い方法です。 この場合、実際そうなりました。「90日以内に、PoC(概念検証)を実施し、その結果により、対象範囲を500%改善し、コストを80%削減できることを実証しました」と、Experian社の最高データ責任者Joni Rolenaitis氏は話しています。

サイロとサイロ化された思考を越えて行動する

新しいテクノロジーとシステムに関連する統合とは、組織がより自動化され、データ駆動型になり、リスク体制が高まり、安全になる方法です。 また、現代の企業の収益性が向上する方法でもあります。 時代遅れのデータ・エコシステムと、最適なデータ使用を妨げる管理手法に直面したときに、従業員の時間がどれほど浪費されるかを考えてください。 調査によると、ほとんどの組織で、最大68%のデータが分析されていません。⁶コンピューティング能力の目まぐるしい進歩、よりスマートなアルゴリズム、手ごろな価格のストレージにより、データの統合は、将来に向けたビジネスの一部になります。

 

洞察を見つけて共有するための一元化されたカタログを作成する

洞察を保管し共有するために、データの利用の簡素化が可能な、一元化されたカタログが必要になるでしょう。 データは、データのパブリッシュとサブスクリプションが可能な、目的に適合したストレージを使用して、元の形式とキュレートされた形式に拡張されます。 データ・アクセス・ツールは、データがどのように利用されているのか、また、どのような知識が新しく登場しているのかを検討するために、個別のアプリケーションやプロセスの先に目を向けたものになっています。 この詳細レベルにより、アナリスト、データサイエンティスト、規制機関、連邦機関向けだけでなく、複数の事業部門のユーザーのために、リアルタイムの意思決定を行えるようになります。

データの利用者を支援することにより、あらゆる方向からの採用を推奨する

これはデータに取り組んでいるだけのことではありません。 職場の文化を未来へと推し進めているのです。 トップダウンだけではなくすべての方向からのデータ戦略の採用を推奨することにより、あなたは、ビジネスのコミュニケーション方法に影響を与え、重要なワークフローを向上させ、セキュリティーを最適化し、新たな市場機会を創出しています。 しかしそれ以上に、可能な最善の方法でパラダイムを破壊しているのです。 新しいデータ管理フレームワークは、デジタル・トランスフォーメーションにおける新しいビジネス・モデルのペースを加速させています。これは、すべての人に対するサービスを向上させ、運用の効率を高め、組織の従業員とそれらの従業員が出会う人々にとってより優れた体験を生み出します。

06. チームとプロセスの拡大

最大の可視性のために結果を伝える

自分の取り組みがどれほどの利益をもたらしているかを人々に知らせましょう。Sankar氏は「ビジネス・プロセスとデータを結び付けることで、また、説得力のあるデータの事例を話すことで、信頼性を構築します」と話しています。 新しい戦略がどのように収益を促進し、すべての人がより充実した業務を行えるようにするかについて、迅速な更新を行い、定期的にレポートすることで、人々への周知を企業全体(上、下、横、斜めの方向)で行います。 自分のイニシアチブと成果が、上級利害関係者との早期の議論でのイニシアチブと成果に対してどのように実行されているかについて、パフォーマンス・メトリックを共有することをためらわないでください。 測定可能な結果は、あなたの価値を強化し、データ活用を推進する継続的なキャンペーンをサポートします。

俊敏性を維持するための人材を採用(および再訓練)する

人材不足は現実ですが、ほとんどの組織はそれについて何をすべきかを知りません。 スキル・ギャップを解消することは、従来型の採用と研修の戦略の先を考えることです。 企業がその人材のニーズに対応しようと争う中、多くの企業は、職務を満たすためだけに、学歴と職歴の要件を調整しています。 研修や雇用が十分でない場合に何ができるでしょうか? 以下のスキル・ギャップを解消するためのIBMのエンタープライズ・ガイドのヒントを検討してください。

  • 組織外から人材を獲得する
  • 事業部門間で人材を異動させる
  • ビジネスの優先順位に基づいて従業員の再訓練を行う
  • 人材を育成するために実習/インターンシップのプログラムを活用する
  • 従業員のスキルを強化するために新規および新興の研修プログラム/プラットフォームを活用する
  • スキルの供給と需要を分析して予測するために分析を利用する
  • スキルの進歩を評価、追跡するために、スキル認証イニシアチブを立ち上げる

データ・リテラシーを常時促進する

Gartner社は、データ・リテラシーはデータと分析の戦略とチェンジ・マネジメント・プログラムの80%以上に組み入れられており、2023年までにビジネス価値の必要不可欠な推進要因になると予測しています。⁷しかし、データ・リテラシーの最新情報についていくには、年1回や四半期ごとの取り組みではなく、常時行うことが必要です。 従業員にデータ・リテラシーがある場合、彼らは、科学によって裏付けられた意思決定を行う力があり、飛躍的な成長のためにテクノロジーを適用するインテリジェント・ワークフローと直感的なツールを利用できます。Bhandariは、「データ駆動型の文化に到達しようとしていて、人々に力を与えていないなら、それはある意味矛盾しています。それがデータ駆動の文化なら、人々はデータを見るべきです」と述べています。

80%

Gartner社は、データと分析の戦略と変更管理プログラムの80%以上に公式に組み入れられることによって示されるように、データ・リテラシーが2023年までにビジネス価値の必要不可欠な推進要因になると予測しています。¹

組織全体で強固なパートナーシップを構築する

最も基本的なレベルでのデータ・リーダーの業務は、組織がデータの管理と使用に関して最も賢明な意思決定を行うよう支援することです。 しかしこれらの意思決定には膨大な範囲と長期的な結果が伴います。 戦略は組織全体と、組織と対話するすべての人に影響を与えます。 あらゆるレベルでパートナーシップを構築して強化する際には、フィードバックとコラボレーションに対してオープンな姿勢を持ち、予想外の事態を予想します。 データ・ファーストの組織を成長させるに従い、何か魅力的なことが起きるからです。 構想が組織のDNAに組み込まれていくほど、より多くのものを「自由にさせる」ことができます。これは、単純にエンゲージメントとスキルの文化をサポートすることによって行います。この文化の中では、人々は新しい役割を学び、その役割を引き受けることに意欲を持ちます。 そのすべてを通じて、明瞭さと未来に向けた目をもって、目的と目標を伝え続けます。

データを差別化要因にする

あなたのデータ戦略に刺激を受けた組織は、あなたの味方になります。 既存のテクノロジーを拡張し、新しいテクノロジーを導入してあらゆる組織レベルのデータ・アクセスを簡素化する際に、効率を向上させ、新しい洞察を推進している以上のことを行っていることを忘れないでください。データの可能性を最大限に活用する情熱を持つ人々の文化を醸成しているのです。

データ・アーキテクチャーの構築

データ・アクセスの向上によりユーザーに力を与えます。

 

脚注

¹「CDO Agenda 2022: Pull Ahead By Focusing on Value, Talent and Culture」、Gartner社、2021年。² Forrester Consulting社が実施した委託調査「IBM GarageのTotal Economic Impact」、2020年10月
³「Tableau Boosts its Data Literacy Initiatives to Address Data Skills Gap, Expand Market」、IDC社資料#EUR148573521、IDC社、2021年12月
⁴「Diving into the data lake—Highlights from VotE: Data & Analytics, Data Platforms 2021」、451 Research社(S&P Global Market Intelligence社の一部であるテクノロジー調査グループ)、2021年
⁵「The Impacts of Emerging Cloud Data Ecosystems: An Architectural Perspective」、Gartner社、2021年9月9日
⁶「Rethink Data: Put More of Your Business Data to Work – From Edge to Cloud」、Seagate Technology社、2020年7月
⁷「A Data and Analytics Leader's Guide to Data Literacy」、Gartner社、2021年

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