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yappyBuy社

インテリジェントなAIアシスタント・プラットフォームでデジタル・ビジネスに革命を起こす
yappyBuy社のCEO、Peter Hattingh氏がIBMと提携して電子商取引向けAIアシスタント・ソリューションを設計した経験について語る
ソファに座ってノートPCでクレジットカードを使用している人
真にパーソナライズされたショッピング体験を目指す

私は、自分のキャリアの中で最も興味深い時期の1つとして、優れたサービスを提供する世界的大手の電子部品販売会社で過ごすという、非常に恵まれた経験をしました。この期間中、この会社はアナログ事業の大部分をデジタル・チャネルに移行することに成功しました。当時は刺激的な時代で、オンライン・ショッピングは、特にB2B環境において、まだ進化を続けていました。この経験を通してeコマースに対する私の情熱がさらに高まり、以来、私はデジタル・ビジネスの進化に深く関わってきました。

時は流れ、現在、私が立ち上げた新しいスタートアップ企業yappyBuy社は、AIの優れた可能性を活用した、スマートでカスタマイズされたAIアシスタント・ソリューションである当社のBuddyプラットフォームにより、デジタル・チャネルを持つ企業がショッピング体験全体を通じてスムーズに顧客と関われるようにすることを使命としています。このスタートアップ企業を立ち上げるために、世界最大のプレシード・スタートアップ・アクセラレーター・プログラムの1つであるFounder Instituteをまず卒業しました。これにより、成功するスタートアップの構築と拡張可能なスマートテクノロジーの開発の主な側面を理解することができました。

オンラインストア向けのワンクリック決済ソリューションの開発に着手したとき、AIが当社のテクノロジー・スタックの将来において重要な役割を果たす必要があることが明らかになりました。また、AIによって、真にパーソナライズされたショッピング体験を可能にするソリューションを開発できるようになることもわかりました。100万件を超えるオンライン・コメントを分析した当社の徹底的な市場調査により、オンライン・ショッピングのユーザーが直面する大きな問題は、検索結果で求める結果が表示されないこと、パーソナライゼーションができないこと、サポートが充実していないことの3点であることが明確になりました。これらが当社の技術開発における焦点となりました。その後、私たちはアイデアを次のレベルに引き上げるための強力なパートナーを探し始めました。

IBMとの最初の接点は、当社の共同創業者が生成AI1とバーチャル・アシスタントに関する無料のIBMオンライン・コースを受講したことでした。この素晴らしい学習体験を経て、私たちは何をしたいのかがわかり、当社のプロダクト・ビジョンにぴったり合うものを探し始めました。





1IBM AI Academy
CourseraのIBM AI開発者プロフェッショナル認定
IBM watsonx Assistant学習
edXのIBM AIプロフェッショナルの基礎認定

IBMと緊密に連携することにより、可能性は無限であると感じています。私たちにとって、IBMと提携する意味は、テクノロジーの素晴らしさよりも、むしろ、共通のビジョンと共に成功するための揺るぎない意欲を共有できることです。 Peter Hattingh氏 CEO(最高経営責任者) yappyBuy社
刺激的なパートナーシップを築く

私たちは、IBMを含むAIリーダー数社に連絡を取りました。IBMチームに初めて直接コンタクトしたときに感銘を受けたのは、チームが私たちが達成したいことに対して心からの興味を示してくれたことです。IBMは、初期段階の小さなスタートアップである私たちを対等な開発パートナーとして扱ってくれました。IBMと協力することで、当社の能力が飛躍的に向上し、進歩が大幅に加速されることがすぐにわかりました。これは、あらゆるスタートアップにとって不可欠な競争上の優位性です。

他のAI企業は世界的な注目を集めるような派手なアプローチをするかもしれませんが、IBMは地に足のついたビジネス・ソリューションと実際の結果をもたらします。多くの新興のAI企業とは対照的に、IBM には、競合他社をはるかに超える機械学習とAIの分野での豊富な経験があります。例えば、私は今でも IBMの革新的なDeep Blueスーパーコンピューターがチェスの歴史に新たな一幕をもたらした瞬間を覚えています。IBMは、その絶えることのない起業家精神により、今日も歴史を作り続けています。私たちは、この旅に参加し、小さなテクノロジー系スタートアップ企業としてIBMのような強力な企業と連携し、共に素晴らしい成果を達成できることを大変うれしく思っています。

また、AIの創始者やリーダーで構成される素晴らしいコミュニティーの一員になれることにも大きなメリットがあります。IBMのおかげで、私たちは同じ志を持つイノベーターたちとつながることができました。「Build with watsonx」イベント・シリーズでのプレゼンテーションやデモ、講演に参加する中で、私たちはオンライン・ショップやeコマースを超えた、より大きなビジョンを開発する必要があることに気付きました。生成AIアシスタントにはまだまだ大きな可能性があります。まだコミュニティーに参加して間もないにもかかわらず、2つのIBMイベントで参加者から講演者へと昇格できたことを光栄に思います。IBMのような信頼できるパートナーと共に、他の人と経験を共有し、目標に向かって前進し続けるよう激励するのは、私たちにとっても大きな刺激です。

最先端テクノロジーを基盤に

IBMと協力することを決めると、すぐに前進し始めました。IBMは多大な時間とリソースを投資し、迅速な立ち上げを支援してくれました。例えば、IBMチームは私たちと3つのワークショップを開催しました。各ワークショップには、生成AIに関する豊富な知識と経験を持つ4~6人の技術専門家チームが参加してくれました。IBMがなければ、AIの取り組みの初期段階で、重要な決定を導いてくれる、博士号を持つ非常に有能な上級技術スペシャリストに簡単にアクセスすることはできなかったでしょう。

IBMはまた、大手ディストリビューターのTD SYNNEX社に紹介してくれました。同社は、ビジネス・ケースを構築する際の商業面をサポートし、私たちがアイデアからパイロット段階、そしてオープン・ベータ、さらにその先へと進んでいくためのベスト・プラクティスを含んだ詳細なガイダンスを提供してくれました。

コア・プラットフォームとしてIBM® watsonx aiを選択した理由を、何人かの方から質問されました。理由はたくさんありますが、特に重要な2点は、幅広いAIソリューションを備えたプラットフォームのパワーと、データのプライバシーとコンプライアンスです。ドイツを拠点とし、ヨーロッパ全域の企業と連携している当社にとって、データ保護の高水準と欧州連合一般データ保護規則(GDPR)への完全準拠は、当社のビジネス・モデルを成功させるために欠かせません。IBMのエンタープライズ・グレードのAI製品を使用することで、データの保存と処理の場所を完全に制御し、EU のデータおよびAI規制に準拠できるようになりました。

さらに、IBMの組み込み可能なAIソリューションでは、watsonx.aiモデル・ライブラリーに幅広い大規模言語モデル(LLM)があり、そこから自由に選択できます。つまり、ユースケースに最適なLLMを使用できます。私たちは、エージェント・フロー機能を備えた対話ツールとして、IBM Graniteモデルと、Meta社のオープンLLMの次世代であるMeta Llama 3.1を組み合わせて開発を開始しました。IBMプラットフォームはAIのオープン・イノベーションを推進しており、将来も最新テクノロジーやモデルを簡単に活用できるでしょう。

現在、当社のBuddyプラットフォームの主なIBM watsonx ソリューションには、watsonx.ai、IBM® Watson Discovery, watsonx.datawatsonx.governanceが含まれています。IBMチームは、これらのモジュールを実装すること、そして独自のデータをモデルに取り込んでLLM生成コンテンツの品質を向上させるAIフレームワークである検索拡張生成(RAG)などの最先端のアプローチを導入することのメリットを私たちが理解できるように説明してくれました。電子商取引およびWebサイト・アシスタントを構築および改良するための使いやすいツールを使用することで、PDF、JSON ファイル、CSV ファイル、[Microsoft] Wordドキュメントおよびデータベース、または動的API応答などのドキュメントを正常に組み込んで、より正確で信頼性の高い応答のためのコンテキスト情報を提供できるようになりました。

共にビジネスを立ち上げ、拡大する

現在、当社では、オープンベータ版でAIアシスタントをリリースして拡張することを目指していますが、IBMチームはコスト効率を改善し、応答の遅延を減らす方法を提案してくれました。レイテンシーは電子商取引のやり取りにとって重要な指標であるため、当社の対話型エージェント・ワークフローの一部には、レイテンシーを軽減し、ユーザー・エクスペリエンスを最適化するIBM Graniteモデルが広範に使用されるようになりました。

ビジネスが成長するにつれてますます重要になる側面は、ガバナンス、リスク、コンプライアンスです。これらすべてはエンタープライズ対応のIBM watsonxプラットフォームでカバーされているので、安心です。

当社は現在、さまざまなB2BおよびB2C業界のお客様と協力して、AIアシスタント「Buddy」をお客様のプラットフォームやeコマース・ショップに統合し、お客様が顧客とインタラクティブに交流できる新たな機会を提供しています。私たちは、インテリジェントな製品検索を通じて購入者が欲しいものを簡単に見つけ、閲覧中やショッピング中に製品やサポートに関する質問への回答を得て、決済時にスムーズな体験を楽しめるAIツールのバンドルを提供することを目指しています。

当社のお客様にとって、その影響は甚大なものとなる可能性があります。例えば、当社のAIアシスタントは、B2BおよびB2Cの両方の購入者とのやり取りを増やし、新たなクロスセルやアップセルの機会を生み出します。同時に、当社のアシスタントは決済プロセス中の離脱率を削減し、売上と収益を最大化します。私たちの目標は、お客様の状況を一変させる、包括的で知識豊富かつプロアクティブなAIアシスタントを提供することです。個人的には、バーチャル・ショッピング・アシスタントがデジタル・ショッピングの自然な一部となり、将来的には目に見える仮想ペルソナを活用して、高度にパーソナライズされたショッピング体験を提供するようになると確信しています。

現在、Buddyプラットフォーム内で新しいモジュールを開発しています。これは、eコマース・マネージャーに実用的な推奨事項を提供し、ダッシュボードでアシスタントに指示することでレポートの作成を可能にするAIアシスタントです。このツールを使用すると、課題と機会を簡単に特定できるだけでなく、競合他社と自社のベンチマークを比較することもできます。さらに、AIアシスタントを活用することで、データに基づく洞察を通じて、製品の選択、コンテンツ、価格設定を最適化し、売上を伸ばす方法を理解することができます。

IBMと緊密に連携することにより、可能性は無限であると感じています。私たちにとって、IBMと提携する意味は、テクノロジーの素晴らしさよりも、むしろ、共通のビジョンと共に成功するための揺るぎない意欲を共有できることです。スタートアップ企業を立ち上げるのは決して簡単なことではありませんが、IBMチームは継続的にサポートし、私たちを励まし、アイデアから市場性のあるプロダクトの提供へと迅速に前進させてくれました。

IBM watsonxと連携することで得られる主なメリット:

  • 欧州連合人工知能法の要件を満たすためにガバナンスとデータコンプライアンスを考慮して設計されたプラットフォーム

  • すぐに使用できる最先端のAIモデルの幅広い選択肢が用意されているwatsonx.aiモデル・ライブラリー
yappyBuy社のロゴ
yappyBuy社について

yappyBuy社は、オンライン・ストア向けのSoftware as a Service(SaaS)決済ソリューションを開発する、ドイツに拠点を置くスタートアップ企業です。同社は、最先端のAIテクノロジーを活用して決済プロセスを合理化し、ユーザー・エクスペリエンスを向上させるとともに、競争の激しい環境で小売業者がプラットフォームを最適化するための貴重な洞察を提供することを目指しています。

作成者について

Peter Hattingh氏は、AIソリューションによる電子商取引の最適化を専門とするドイツを拠点とする企業、yappyBuy社のCEOです。真の電子商取引の先駆者であり、worldwide web(www)の黎明期からオンラインショップに携わってきました。企業でキャリアを積んだ後、彼は独自の電子商取引コンサルティングおよび開発ビジネスを立ち上げ、世界中の顧客と協力し、その後、yappyBuy社を立ち上げて自分の専門知識を新たな方法で活用することを決意しました。

製品・サービス IBM Granite IBM® watsonx IBM watsonx.ai™ IBM Watson Discovery IBM watsonx.data IBM watsonx.governance
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示されている例は、説明のみを目的として提供されています。実際の結果はお客様の設定や条件により異なるため、一般的に期待される結果を提供するものではありません。