ルフトハンザドイツ航空、直感的でパーソナライズされたウェブサイトを開設

航空会社グループは、IBMおよびアドビ社と協力して顧客のエクスペリエンスを向上させています

ルフトハンザ・グループのビジネス戦略の重要な必須事項は、世界で最も革新的でデジタルな航空グループの1つとしての地位を拡大することです。そのために、同社はコア・ビジネスの効率と安定性を高め、Webサイトを通じて提供するよりパーソナライズされたサービスによって顧客エクスペリエンスを向上させる、デジタル・トランスフォーメーションの取り組みに着手しました。

ルフトハンザ・グループは、IBM® AIXオペレーティング・システムをベースとするオンプレミス・ソリューションを使用して、社内チームが開発したフライト予約エンジンを組み込んだ1996年に、最初のWebサイトを立ち上げました。2002年から2005年にかけて、ルフトハンザ・グループは別の専門サービス組織から移行し、 IBM Coinsultingとの関係を確立しました。

長年にわたり、同社はテクノロジープラットフォームを更新し、オンライン・ロイヤルティー・プログラムや管理機能などの追加の顧客向けサービスでWebプレゼンスを拡大してきました。しかし、長年の運用後、このWebプラットフォームは、変化するビジネス・ニーズへの対応に苦労していました。

そのインフラストラクチャーは、もはや要求を満たすように拡張することができませんでした。ルフトハンザ・グループのオンライン・セールス部門プロジェクト・マネージャーであるJurik Auer氏は「このプラットフォームは、ライフサイクルが終了しただけでなく、パーソナライズされた顧客によるセルフサービス機能の限界に達していました」と述べました。

カフェでルフトハンザ社のWebサイトを開いて、ノートPCを使っている人
 104 高性能で応答性の高いWebサイトは、104の国または地域と14の言語で利用できます。 1,200万人 Lufthansa.comは月間最大1,200万人のユーザーにサービスを提供しています。
ルフトハンザとIBMのパートナーシップを新たなレベルに引き上げたのは、アドビベースのクラウド・インフラストラクチャーを採用し、ルフトハンザ(グループ)のデジタルハンガーの新組織をサポートするために開発の流れを変えることを決めたときです。
Karsten Krämer氏 コンテンツ管理、サービス、インフラストラクチャー・プラットフォーム担当リード Lufthansa Group
技術的ソリューションの再考

他の航空会社3社(SWISS、オーストリア航空、ブリュッセル航空)と合併したルフトハンザ・グループは、ITを統合し、すべてのブランド・エクスペリエンスを1つにまとめる時期が来たと認識していました。同時に、プロモーションのトピック、フライト計画、プランの変更への対応方法など、ユーザージャーニーのさまざまなポイントで、より個別化されたコンテンツを実現したいと考えていました。また、手動プロセスを排除したいとも考えていました。

ルフトハンザ・グループのコンテンツ管理、サービス、インフラストラクチャー・プラットフォームリードのKarsten Krämer氏は、「当社は、顧客重視であり、ルフトハンザ社の関連会社を1つのプラットフォームに統合して、航空会社の効率性を高められるようにしたいと考えています」と述べています。

このプロジェクトの使命は、ルフトハンザ・グループが、Webサイト上でアプリのようなエクスペリエンスを提供することにより、オンライン販売チャネルとカスタマー・サービス機能を次のレベルに引き上げ、フライトと目的地のさらなる探索を促すことでした。同社は、保守と開発のコストを節約しながら、個々の航空会社が共通のユーザー・インターフェイス内で共有コンポーネントのライブラリーを使用して、独自のアイデンティティを維持できるようにするために、1つのマルチテナント・エアライン・エクスペリエンス・マネージャー(AirEM)を構築しました。

会議室で進行中の会議で、ボードに付箋が貼られている
新しいルフトハンザ社のWebサイトは直感的にデザインされているため、ルフトハンザ社のコンテンツとビジネス・オーナーは市場の変化に迅速に対応できます(以下略)。
Jurik Auer氏 オンラインセールス部門プロジェクト・マネージャー Lufthansa Group
適切なパートナーの選択

「アドビ・ベースのクラウド・インフラストラクチャーへの移行を決定し、開発フローをルフトハンザ(グループ) デジタル・ハンガー組織をサポートするように変更したことで、ルフトハンザとIBMのパートナーシップがさらに強化されました」とKrämer氏は付け加えます。

ルフトハンザ・グループは、製品所有者、スクラム・マスターのIBM® iXチーム、IBM Enterprise Security Solutionsの担当者と協力して、 Microsoft Azureのクラウド・ソリューションでホストされるマネージド型Adobeソリューションを設計・実装しました。新しいLufthansa.comは、コンテンツおよびデジタル資産管理ソリューションであるAdobe Experience Managerをベースにしています。

ルフトハンザがアドビとのコラボレーションを選択したのは、アドビの製品が現在のニーズと将来のニーズの両方を満たすことができるからです。「Adobeは、現在と将来に向けた幅広い機能を提供してくれました。現在はAdobe Experience Managerのみを使用していますが、今後は、マーケティングとコンテンツ管理の追加業務のために、ソフトウェアの強化版を活用する予定です」とKrämer氏は述べています。

さらに、IBMは既存のベンダーでしたが、この変革プロジェクトに選ばれることは、一筋縄ではいきませんでした。まだ提案依頼書(RFP)のプロセスがあったためです。IBMからの回答には、ルフトハンザ・グループのビジネスに対する深い理解が示されており、またIBMはデジタル・トランスフォーメーションを可能にする専任チームを提案しました。

「私たちがIBMを選んだのは、IBMが開発とコンサルティング、そして世界中で24時間365日営業している私たちのビジネスにおいて、アプリケーションの保守を24時間365日でサポートしてくれるケイパビリティーがあるからです」と、Krämer氏は続けます。「こうした統合サービスのおかげで、オンライン化する際の機能的要件のみに集中し、短期間で市場に投入する機会が得られたのです。」

「その結果、強固なセキュリティを備え、シームレスなデジタル顧客エクスペリエンスをすべてのデバイス上で提供し、旅行者が世界中の休暇の目的地を検索できるように設計された、現代的で応答性の高いウェブサイトが実現しました」と、ルフトハンザ・グループのIBMアカウント・パートナーであるHans Maul氏は述べています。「IBMのアプリケーション管理サービスが提供するソリューションは、必要な拡張性、柔軟性、信頼性を継続的に提供し、特に危機の際にはそのことを実感します。」

2005年以来協力関係を続けるIBMとルフトハンザ・グループは、このデジタル・トランスフォーメーションの取り組みにおいて連携を続けるとともに、旅行者のエクスペリエンスを向上させます。
Harald Hartmann氏 eコマース & グローバル販売責任者 Lufthansa Group
新しい方法でビジネス価値を提供
ルフトハンザ社のWebサイトのスクリーンショット

「AirEMが登場する前は、アジャイルな作業形態よりもウォーターフォール・モデルで取り組んでいるプロジェクトが多数派でした」とKrämer氏は言います。「AirEMが成功例となったため、アジャイルで行われるプロジェクトの割合が増えました。」

「AirEMは、Lufthansa.comのエンドユーザー向けの製品トランスフォーメーションであっただけでなく、組織内の共同作業におけるトランスフォーメーションでもありました」とAuer氏は付け加えます。

「まず、それは当社の事業部門とIT部門との間で起こりました。以前ウォーターフォール手法を採用していた時は、より多くのサイロがありました」とAuer氏は続けます。「事業部門とIT部門は、RFPと調達プロセス中に協力し始めました。2つ目のトランスフォーメーションでは、組織チームをまとめるために、部門全体のさまざまな航空部門を統合することに取り組みました。最後に、開発パートナー(設計機関やITパートナー、そしてプロジェクトの他のすべての利害関係者)にとって、全員がプロジェクトの成功にコミットしていると感じられるように、『ワンチーム』の精神を築くことが非常に重要でした。」

IBMとルフトハンザ・グループは、新しいLufthansa.comを制作すると同時に、2019年からScaled Agile Framework(SAFe)チームの結成を共同で行いました。チームがウォーターフォールからアジャイルに移行し、最初の稼働を開始するまで、何度も「ピザ・ナイト」がありました。それ以来、両組織は1つのチームとして協力してきました。

時間の経過と共に、新たな航空会社がAirEMプラットフォームにオンボーディングされるにつれて、SAFeの方法論は全面的に実装され、従業員のエンゲージメントと効率が向上し、新機能の市場投入までの時間が短縮されました。

ルフトハンザ・グループと5つの異なるベンダー(IBMを含む)から、120人以上の異なるビジネスとITの利害関係者が、10週間ごとに3日間集まり、次の10週間のスコープを定義するプロダクト・インクリメント・プランニング(PIプランニング)を行いました。チームでは毎日スタンドアップを行うほか、直近2週間のスプリントを思い返して、何がうまくいき、何を改善し、何をやめるべきかを検討する振り返りも行っています。この「検査と適応」エクササイズの目的は、学習を加速させることです。また、2週間ごとにレビューが行われ、チームが成果と障害を発表します。透明性は、変化に適応するための重要なアジャイルの原則です。

ルフトハンザ・グループとIBMは、顧客体験を向上させる新機能で、プラットフォームを強化するために協力し続けています。アジャイル・リリース・トレインを使用することで、複数の独立しながらも連携した開発チームが、同じプラットフォーム上のすべてのWebサイトで、並行して新機能の開発に取り組むことができます。

さらに、AirEMプロジェクトは、ルフトハンザ・グループ内の別組織で、アジャイルの原則を活用して大規模なプロジェクトを運用する方法の参考例となっています。「過去2年間で、私たちは多くのことを学びました」とKrämer氏は言います。「Lufthansa.comで共同作業を行なった方法は、他のプロジェクトを同じ方法で構築するための青写真でした。」

学んだ教訓に関連して、Auer氏は次のように述べています。「AirEMプロジェクトの主な成功要因には、中心的な目標を定義することや、柔軟性を維持すること、経営陣による関与を維持すること、そして何よりもエンドユーザーを中心に据えて、そこからブレないことなどがあります。」

テーブルを囲んだ人たちが立ったり座ったりしている大規模なチーム・ミーティング
成果の提供

Lufthansa.comは現在、ヨーロッパ最大のIBM Adobe Experience Manager導入企業となっています。このWebサイトは、使用するデバイスに関係なく、アプリのような直感的なエクスペリエンスを提供します。ここは、ルフトハンザ・グループの「グローバル・デジタル・ストアフロント」となり、製品のショールームであると同時に、乗客のセルフ・サービスや情報の主要なエントリー・ポイントとなっています。月間1,200万ものユーザーがログオンして最適運賃検索を実行し、旅行中断からの回復オプションなどについて学習します。これらすべてを、高速で実行します。

AirEMプラットフォームは、より柔軟なサービス提供と機能の迅速なデプロイメントをサポートし、すべてのブランド間で相乗効果をもたらし、保守とライセンスのコストを削減するように設計されています。「新しいルフトハンザ社のWebサイトは直感的に設計されており、ルフトハンザ社のコンテンツと事業主は市場の変化に迅速に適応することができます。また、外部顧客も簡単にナビゲートできるため、多様かつインテリジェントな、顧客中心の機能が提供されています」とAuer氏は言います。モジュール式マルチテナント設計は、ルフトハンザ・グループがハブとなっている各航空会社それぞれのニーズに応えます。Austrian.com、Swiss.comおよびBrussels.comもこのプラットフォームに移行されました。ルフトハンザ・グループは現在、104か国に14の言語で、パーソナライズされた、高性能なウェブ・エクスペリエンスを提供しています。

「当社は年間1億2,800万ページ以上のサービスを提供しています。これは、顧客に情報を提供して当社のWebプラットフォームに誘導する最も効率的な方法です」とKrämer氏は述べています。

ノートPCでルフトハンザ社のWebサイトを閲覧している人
パンデミック下で行なった最善の対応

パンデミック中、PI計画会議とその他すべてのAirEMプロジェクト活動は、完全なリモート環境に移行しました。

「渡航制限が始まった2020年3月12日を、私は決して忘れなません」とAuer氏は言います。「この日は、プラットフォームの拡張性がテストされた最初の日でした。多くの旅行者は、旅行の変更や延期に関する情報を必要としていました。1日あたりのユーザー数は2倍の600,000人にまで増えました。」

「私たちの目標は常に、できるだけ多くのセルフ・サービス機能をオンラインにすることでした」とKrämer 氏は付け加えます。「新型コロナウイルスによる危機の影響で、この機能を一部高速化する必要がありました。たとえば、「オンライン返金」は3か月で導入されました。コール・センターよりもWebサイトの方が迅速に処理できることがわかりました。」

その後の数週間で、AirEMのチームは情報ページを作成し、現金払い戻しに加えてバウチャー・プログラムなどの新しいサービスを迅速に開発することが求められました。

IBMのAirEMプロジェクト・リーダーであるVivian Betac氏は、新型コロナウイルス感染症の危機下にチームがどのように適応したかについて、次のように説明しています。「新型コロナウイルス感染症のロックダウン中も、開発者、製品オーナー、スクラム・マスター、ソフトウェア・アーキテクトを含む、3つの異なる国の8拠点から5つの異なる関係者によるチーム全体が、継続的にリモートで連携することができたため、アジャイルな作業方法には大きな利点がありました。」

インフラストラクチャーの拡張性もさることながら、IBM Managed Servicesチームのサポートが光明となる場面も多くありました。ルフトハンザ・グループは、旅行制限や火山灰による雲による困難な気象条件といった事態に対応しなければならなりませんでしたが、チームはこれらの事態すべてに対処し、機能停止を防ぎ、顧客とのコミュニケーションにおけるスピードを確保しました。

「私たちは、ワンチームの精神によって、この重大な時期を一緒に乗り越えてきました」とAuer氏は言います。

「パンデミック後、企業が出張を再開する中、AirEMプラットフォームには、Lufthansa.comの法人顧客が、自社のバウチャーを使用して追加サービスを予約できるイノベーションも含まれています」とルフトハンザ・グループのeコマースおよびグローバル販売責任者であるHarald Hartmann氏は述べています。「2005年以来協力関係を続けるIBMとルフトハンザ・グループは、このデジタル・トランスフォーメーションの取り組みにおいて連携を続けるとともに、旅行者のエクスペリエンスを向上させます。」

IBMのIBM iXパートナーであるTanja Waldeck氏は「パンデミック後に人々が再び旅行し始めたため、高度にパーソナライズされた顧客エクスペリエンスを提供することが、これまで以上に重要になっています。」と述べます。「強力なデジタル製品ストラテジーにより、Lufthansa社のような旅行会社はカスタマー・ジャーニー全体にわたってコンテンツ主導のデジタル・エクスペリエンスを設計することができるため、最終的には顧客満足度が高まり、より多くのウェブサイト訪問者を実際の旅行者にコンバートすることができます。」

「主な成功要因はルフトハンザ社、アドビ社、IBMの間の信頼です。私たちはお互いに信頼し合い、チームとして同じ目標に対する責任を負います」とKrämer氏は締めくくります。

ルフトハンザ・グループについて

ルフトハンザ・グループは、世界中でオペレーションを展開する航空関連組織です。ヨーロッパの国内市場で主導的な役割を果たしています。96,677人の従業員を擁するルフトハンザ・グループは、会計年度2023年に、354億4,200万ユーロの収益を上げました。

ルフトハンザ・グループは、旅客航空部門と航空サービス部門で構成されています。

旅客航空部門には、ネットワーク航空会社のルフトハンザ航空、SWISS、オーストリア航空、ブリュッセル航空が含まれます。ルフトハンザ航空は、地域航空会社であるルフトハンザ・シティーライン、ルフトハンザ・シティ航空、エア・ドロミティ、およびルフトハンザ・グループの休日利用者向け航空会社であるディスカバー・エアラインズとも密接な関係を築いています。スイスを代表する休日利用者向け航空会社であるエーデルワイス航空は、SWISSの姉妹会社です。さらに、ユーロウィングスが旅客航空部門に属しています。

航空サービス部門は、ロジスティクスとMROのほか、Lufthansa Aviation Training社やルフトハンザ・システムズ社などの追加事業で構成されています。2023年に、AirPlusを売却する契約が締結されました。Group Functions社もこのセグメントに含まれます。

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