ホーム お客様事例 ガトロノバ・グループ 自信を持って新しい市場に参入
ガストロノバ・グループは、効率向上、レジリエンス強化、成長加速を目指し、グループ全体のプロセス統合を採用
ベルトコンベア上の段ボール箱

70年以上にわたり、ガトロノバ・グループは、パキスタンにおける化学薬品・繊維製品・包装製品分野の大手プロバイダーに成長しました。現在、同グループは国内市場およびその他の市場で新たな分野への進出を目指しています。

事業の成長を加速させるため、同グループはSUSE Linux Enterprise Server for SAP Applications上で稼働するSAP S/4HANAによる統合プロセスに移行しているところです(リンクは、ibm.com 外にあります)。同アプリケーションは、IBM PowerサーバーとIBM ストレージを備えています。この新しいアプローチにより、グループ全体の効率が向上し、組織による買収を迅速に組み込み、無駄のない競争力のある運営を維持できるようになります。

ガストロノバ・グループは、繊維やその他のポリエステル関連製品の大手サプライヤーやPETプリフォームやPETシート、樹脂の専門メーカー、熱成形製品のリーダーを含む36の法人を通じて、幅広い業種・業務サービスを提供しています。現在、ガトロノバ・グループは急速な拡大を目指しており、有機的な成長と買収を組み合わせて医薬品などの新しい市場セグメントへの参入を目指しています。

従来、グループ各社は独自の業務プロセスやシステムを管理していました。合計約2800の異なるワークフローがあり、それらはすべて複数のレガシーERPシステムによって個別に管理されていました。ガトロノバ・グループは、これらのプロセスの標準化・統合・集中化が、成長を加速する強力なツールになると認識しました。

ガトロノバ・グループのCIO(最高情報責任者)であるアティフ・ナジャム氏は、「ビジネス・プロセスの統合によって、企業全体で信頼できる唯一の情報源が得られ、ビジネス・プロセスの最適化、運用コストの削減、ボトルネックの除去のための可視性を実現します」と説明しています。

超効率的なワークフロー

 

2800を超える個別のプロセスを150の超効率的なSAPワークフローに統合

より高速なプロセス

 

月末決算を最大75%短縮すると予測

リアルタイムの資材所要量計画データにアクセスすることで、予測分析を計画プロセスに組み込んでサプライチェーンを最適化し、すべての注文を満たすために適切な原材料を手元に確保することができるようになります。これらのイノベーションはいずれも、新しいIBM、SAP、SUSEソリューションがなければ実現できなかったでしょう。 アティフ・ナジャム CIO ガトロノバ・グループ

ナジャム氏はさらに次のように言います。「私たちは業務を統合することで他にも多くの利点があることに気づきました。データ入力プロセスを自動化することで、毎月の月末決算に要する時間を短縮できます。当社の製造業務では、計画・倉庫・物流データの共有ソースにより、系列会社全体で在庫と生産のバランスを動的に調整できるようになります。これには、顧客に地理的に最も近い工場での注文生産や、輸送コスト削減し、二酸化炭素フットプリント削減も含まれることでしょう。あるいは、供給が不足している製造現場への原材料移動によって、生産縮小する必要をなくすことも考えられます。」

目標実現に向けて、ガストロノバ・グループはデジタル・トランスフォーメーションとアプリケーションのモダナイゼーションの取り組みに着手しました。その目的は、サイロ化されたプロセスを単一の統合されたワークフロー・セットに置き換えることで、ビジネスの意思決定を強化し、業務効率を高め、より迅速に成長できるようにすることでした。ナジャム氏は次のようにコメントしています。「私たちは、長期的に私たちをサポートしてくれるテクノロジー基盤に支えられて、プロセスを根本から再考することにしました。」

 

グループをエンド・ツー・エンドで統合

デジタル・トランスフォーメーションの次のステップとして、ガストロノバ・グループは次世代ERP SAP S/4HANAソリューションを選択しました。同組織は、複数のカスタム構築されたERPシステムをSAPソリューションの単一インスタンスに置き換えました。このシステムは系列企業すべてを網羅するビジネス・データのリアルタイムの可視性を提供します。SAP BW/4HANASAP Analytics Cloudの活用により、同グループは意思決定者にきめ細かな洞察を提供し、より迅速で、より良い情報に基づいた意思決定を行えるようにします。また、SAP SuccessFactors Human Experience Management Suiteの活用により、従業員のライフサイクル全体にわたってシームレスな人事経験を形成できます。

「SAP S/4HANAを選択した主な理由の1つは、グローバルなベストプラクティスをグループにもたらすことです。」とナジャム氏。「SAPは、調達から支払いまでといったコア・プロセス分野を推進するための試行錯誤を重ねた方法や、特殊なユースケースに対応する業界ソリューションを提供してくれます。すでに世界中の大手企業がSAPソリューションに信頼を寄せているため、安心して利用できると確信していました。このプラットフォームはパキスタンでも広く採用されており、そのおかげでソリューションを管理・維持するための大規模な人材の確保が保証されました。」

ガストロノバ・グループ全体の事業単位は、日常業務を新しいSAPソリューションに依拠しているため、計画外のダウンタイムは不要です。新しいプラットフォームへの常時アクセスを確保するため、同社はIBM FlashSystem FS5015IBM FlashSystem FS5100ディスク・アレイに接続されたIBM Power E950サーバーを選択しました。IBM Spectrum Protectソリューションの自動データ保護機能を使用して、同グループはIBM TS4300 Tape Libraryへの定期的なバックアップを実行し、データ損失のリスクを低減し、復旧シナリオにおける事業継続性を強化します。

「パキスタンの大手銀行の多くは、勘定系システムの稼動にIBM Powerサーバーを利用しています。そのため、信頼性・可用性・スケーラビリティに関する当社の厳しい要件を、この弾力性の高いプラットフォームが満たしてくれると確信していました」とナジャム氏は振り返ります。「IBM Power E950サーバーとIBM FlashSystemストレージの組み合わせは、非常に高密度なフットプリントで高レベルのパフォーマンスを実現しています。これにより、進行中の事業取りきのパフォーマンスに影響を与えることなく、同じプラットフォームを介して、日常的な取引とリアルタイムのビジネス・インサイトをサポートできます。」

同グループは、IBMソリューションを同等のx86プラットフォームと比較した後、IBM PowerサーバーによってIT アーキテクチャの簡素化と統合が可能になり、コスト効率が大幅に向上すると判断しました。

ナジャム氏は次のように詳しく説明します。「論理パーティション(LPAR)を使用すると、SAPソリューションのために同じコンピューティング・リソースを得るのに、X86 Serverであれば9台必要なところを、物理IBM Powerサーバーであれば3台で済みます。ラックあたりのパフォーマンスに関しては、IBMに匹敵するベンダーは他にありませんでした。IBM Powerソリューションのおかげで、スペース・電力・冷却にかかる運用コストを約40%削減することができ、環境面でも持続可能な選択肢と言えます。」

IBM Systems Lab ServicesとIBMビジネス・パートナーのInfotechグループ(リンクは ibm.com 外にあります)との連携により、ガストロノバ・グループは新しいIBM PowerプラットフォームとSUSE Linux Enterprise Server (SLES) for SAP Applications(リンクは ibm.com の外にあります)のオペレーティング・システムを導入しました。

「パキスタンでSAP S/4HANAを稼動させている企業数社と話をしましたが、圧倒的多数がSUSEオペレーティング・システムを使用していました。」とナジャム氏。「SLES for SAP Applicationsに関するユーザーの意見はすべて非常に好意的で、このプラットフォームが当グループにとって正しい選択であると確信しました。また、SUSEチームから受けたサポートと指導にも非常に感銘を受けました。彼らは、SAP導入のベスト・プラクティスを共有し、私たちの質問に徹底的に答えてくれました。」

ガストロノバ・グループは、ミッションクリティカルなSAPアプリケーションに対して最大限の可用性を実現するため、IBM Systems Lab Servicesを採用し、SAP HANA System複製がSAP HANAデータベースをセカンダリ・データセンターにミラーリングし、SUSE Linux Enterprise High Availabilityクラスタをプロビジョニングして、SAP S/4HANAアプリケーションのシームレスな事業継続性を確保できるようにしました。

「新しいインフラストラクチャの導入は非常にスムーズに進み、Infotech グループとIBM Systems Lab Servicesのチームは協力的で、いつでも支援してくれました」とナジャム氏は付け加えます。「導入を開始した直後に新型コロナウイルス感染症のパンデミックが発生しましたが、影響はほとんど感じられませんでした。両組織のおかげで、当初のプロジェクトのマイルストーンを達成することができました。」

 

ラックあたりのパフォーマンスに関しては、IBMに匹敵するベンダーは他にありませんでした。IBM Powerソリューションのおかげで、スペース・電力・冷却にかかる運用コストを約40%削減することができ、環境面でも持続可能な選択肢と言えます。」 アティフ・ナジャム CIO ガトロノバ・グループ
急成長のための強固な基盤の構築

現在、ガストロノバ・グループは2800以上の異なるプロセスをわずか150の SAP ワークフローに統合しています。今後数か月以内に、同社は26の法人で新しいSAP S/4HANAプラットフォームに切り替え、残りの10法人もそのすぐ後の第2フェーズに移行する予定です。

SAP S/4HANAでの統合プロセスへの取り組みはまだ始まったばかりですが、ガストロノバ・グループは、新しい働き方が成長目標を促進させる上で強力なメリットをもたらすと確信しています。同社は、すべてのグループ事業を単一の財務会計システムに移行することで、月末決算を4日から24時間未満に短縮できると予測しており、これは75%の短縮に相当します。

メリットは財務プロセスだけにとどまりません。Najam 氏は次のように説明します。「リアルタイムの資材要件計画データにアクセスすることで、予測分析を計画プロセスに組み込むことができます。たとえば、販売予測と現在の注文および在庫レベルのデータを組み合わせることで、サプライチェーンを最適化し、すべての注文に対応するために適切な原材料を確実に手元に確保できるようになります。また、価格の上昇が予想される場合には、事前に材料を購入しておくことでリスクを軽減することができます。これらのイノベーションはいずれも、新しい IBM、SAP、SUSE ソリューションなしでは実現できません。」

ガストロノバ・グループは、SAPソリューションの正確でタイムリーなビジネス・データに基づいて、業務をエンド・ツー・エンドで変革するつもりです。ロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)によって、ベンダーの請求書と発注書の照合など、反復的なプロセスの自動化が可能になり、プラントの予知保全によって、組織が資産の可用性最大化のために迅速に行動できるようになり、ブロックチェーン技術によって、より迅速な顧客サービスの提供が可能になります。

「顧客の中には、消費ベースの契約を結んでいるところもあります。これは、つまり、倉庫の在庫をあらかじめ決められたレベルに保つよう取り組むことを意味します」とナジャム氏は言います。「SAP S/4HANAとブロックチェーン技術を統合することで、在庫レベルの共有台帳を作成できるようになります。顧客は在庫を出すたびにQRコードをスキャンし、共有台帳を安全に更新することができる。

同グループは成長を続けており、ビジネスを構築するための長期的なプラットフォームを持っていると確信しています。SAPソリューションをIBM Power上の SLES に導入することで、同グループは、組織的な拡大や企業買収に伴い、新しいワークロードを追加するためのパフォーマンスと拡張性を手に入れました。

「既存のIBMインフラストラクチャ・プラットフォームには33%拡張余地があり、今後数年間で十分な成長が可能です」とナジャム氏は結論します。「IBM、SAP、SUSEとの連携のおかげで、当社のプロセスとテクノロジープラットフォームは盤石であり、当社は成長を加速し、自信を持って新しい市場に参入することができます。」

ガトロノバ・グループのロゴ
ガトロノバ・グループについて

パキスタンに本社を置き、1948年に設立されたガトロノば・グループ(リンクは ibm.com の外にあります)は、化学・繊維・包装など、さまざまな業種・業務で事業を展開する企業グループです。同グループは、パキスタン、米国、UAE の拠点全体で6000人以上の従業員を擁し、世界45か国以上に輸出し、年間3億5000万米ドル以上の収益を上げています。

 

Infotechグループについて

ロンドンからアクラまで世界中にオフィスを持つIBMビジネス・パートナーInfotech(リンクは ibm.com の外にあります)は、ソリューション・インテグレーションを専門とする急成長中のIT企業です。Infotechは、20年以上さまざまな業種にわたる企業に数百万ドル規模のプロジェクトを提供してきた経験があり、ISO 9001や、27001、およびCMMI レベル3の認証を取得しています。

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法務

© Copyright IBM Corporation 2022. IBM Corporation, IBM Systems, New Orchard Road, Armonk, NY 10504

2022年6月、米国で作成

IBM、IBMロゴ、ibm.com、IBM FlashSystem、IBM Spectrum、Power、Power9は、International Business Machines Corp.の商標であり、世界中の多くの法域で登録されています。その他の製品名・サービス名はIBMまたは他社の商標である可能性があります。IBM商標の最新リストは、Web のwww.ibm.com/jp-ja/legal/copytradeで閲覧できます。

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