社員が語る「キャリアとIBM」

通信建設業界から、セキュリティー・コンサルタントへ

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社員が語る「キャリアとIBM」では、IBM社員のキャリアや仕事内容をインタビュー形式でご紹介します。今回は、セキュリティー・コンサルタント、Y.Y.さんのインタビューをお届けします。

Q.現在の所属部署と入社時期を教えてください。

IBMコンサルティング事業本部のセキュリティチームでセキュリティー・コンサルタントをしています。中途で、2022年6月に入社しました。

Q.これまでのキャリアを教えてください。

IBMに入社するまで2社、経験しました。

1社目は、通信建設業界で、主にネットワーク関連の仕事を行っていました。インターネットを引いたり、携帯電話のアンテナを立てたり、ODAの一環で、海外でインフラ関連の工事を行いました。海外の空港に入退管理システムを導入したこともあります。IBMには、様々なキャリアの方がいますが、ヘルメットを被って屋根裏に入って配線を引いたり、太陽光パネルを建てるための穴を掘った経験がある社員は、ほとんどいないかもしれません。

2社目で、コンサルティングファームに転職し、セキュリティー・コンサルタントとしての経験を積みました。IBMは3社目になります。

Q.なぜ、セキュリティー・コンサルタントになろうと思ったのですか?

海外、特に発展途上国に足を運んだ際に、セキュリティに対する取り組みの杜撰な現状を目の当たりにしました。物理的に太陽光パネルを設置すると、もちろんそこにいる方々の役には立つのですが、より多くの人たちにインパクトをもたらす仕事がしたい、日本企業の情報を守るためにできることはないかと考えたのがきっかけです。

Q.通信建設業界からセキュリティー・コンサルタントへ。苦労した点はありますか?

難しかったのは、コンサルタントとしての考え方、スキルを身につけることでした。特に考え方が、それまでの積み上げ式とは異なっていたので、苦労しました。

Q.詳しく教えてください。

1社目のネットワークエンジニアでは、あるものから考える「積み上げ式」で物事を考えてきたのですが、2社目のコンサルタントは、逆の「トップダウン式」で考える必要がありました。あるべき論から考えて、何をすれば良いのか、何がお客様にとって一番良いのかを、お客様に寄り添ってきちんと考え、提言を行う考え方です。また、コンサルタントとしての考え方や話し方の論理性が高いレベルで求められ、この点のスキルアップが必要でした。

Q.3社目にIBMを選んだのはなぜですか?

2社目の上司が、IBM出身の方だったからです。IBMを意識したことはほとんどなかったのですが、調べてみると、IBMはコンサルティングだけではなく、自社で製品やサービスを持っているし、お客様のシステムを作ることもできる会社だということを知りました。コンサルティングだけではない点に魅力を感じ、転職を決断しました。

Q.現在の仕事内容、役割マップ*を見ながら解説ください。

*役割マップ
=「社員が何を行なっているのか」「誰と仕事をしているのか」「期待の大きさ」を視覚化したもの

セキュリティー・コンサルタントとして、プロジェクトに参画し、セキュリティのアセスメントの実施やルールの作成等を行っています。プリセールスのフェーズで、提案の方向性策定や資料作成の支援を行うこともあります。また、最近はメンター的な立場で、若手社員からの相談に乗ることが増えてきました。

Q.お客様は、どのような課題をお持ちですか?

「自社のセキュリティが、どういう状況にあるのかが分からない」お客様が少なくありません。ですので、何をするべきなのかが見えていないケースが散見されます。

「ニュースでは毎日のようにセキュリティが取り上げられている。手口がどんどん巧妙になっているらしい。対策を講じないと危ないと言われているが、うちはどうなのだろう。これから何をしていけば良いのか分からないし、そもそもどのくらいお金が掛かるのだろう」という状況です。

Q.その背景には、何がありそうですか?

セキュリティは、何か問題が顕在化するまでは、どちらかというと邪魔なものだという見方をされるケースがあります。対策には人もお金も割かなければならないですし、対策が功を奏したとしても、お金を生むわけではない。儲けにならないことをやっている時間があれば、目の前にある業務を行いたい。するとどうしても後回しになってしまうし、最小の労力で何とかしたいというのがお客様の本音なのだと思います。

Q.IBMは、そのようなお客様からどのような期待をお寄せいただいていますか?

「こうしたほうがいいですよ」とお伝えするだけではなく、セキュリティに必要な具体的なソリューションを期待いただいています。例えば、これから作ろうとしているシステムの設計段階から、私たちのようなセキュリティのコンサルタントが入らせていただき、セキュリティを考慮したシステムや仕組み作りを進めるのが期待されていることだと感じます。お客様が、コンサルティングファームではなく、IBMをお選びいただいているのは、ソリューションや、システム構築におけるノウハウ、実績だと思います。

私自身、IBMに来てから「システムを導入するにあたり、この点はセキュリティ的にどう考えたら良いか」とお客様から相談いただくことが非常に増えました。コンサルティングやセキュリティが後付け的なものではなく、お客様が作ろうとしているシステムや業務要件の一部にセキュリティが存在していると感じられたのは、新しい感覚でした。

Q.ネットワークエンジニアの経験が、セキュリティー・コンサルタントの仕事に活きた点はありますか?

たくさんあります。ネットワークのバックグラウンドがあるので、お客様から、なぜこのセキュリティが必要なのかと聞かれた時に具体例を用いて説明できますし、技術的なリスクがある時には、順序立ててどの点にリスクがあるのかをお伝えすることができます。ネットワークとセキュリティは親和性が高く、一歩踏み込んだ話をすぐにお客様と行うことができるのは、1社目の経験があるからです。また、現場の視点に立った説明ができるのは、コンサルタント以外の仕事をしてきた強みだと思います。

Q.「現場の視点に立った説明」ですか。

一刻一秒を節約し、お金を生み出そうとしている現場の方々にとって、セキュリティはもしかしたら邪魔なものなのかもしれません。ですが、会社としての被害が決して小さくない以上、取り組みを行う必要があり、そのためには現場の方々に理解いただくことが不可欠です。私も現場で仕事をしてきました。現場の経験があればこそ、現場の視点に立ち、現場のみなさんが取り扱っているデータが如何に重要なもので、だからこそ守る必要があることを説明することができているのだと思います。

Q.IBMに入社して感じたことを教えてください。

IBMを好きな社員が多いと感じました。

Q.IBMを好きな社員ですか。

IBMの一員として、IBMerとして働いているんだという自負を持たれている方が多い印象です。時代を築いたIBMを知っていて、今度は自分が一人の社員として、IBMを作り上げていく思いを持っている。好きだから、IBMのネックストラップやTシャツを持っているのだと思います。私も、持っています。

Q.なぜ、社員はIBMが好きなのでしょうか?

懐の広さが、1つの理由だと思います。ガンガン働いていきたいという人もいますし、プライベートを考慮しながら働きたいという人もいます。どちらのタイプの方もいて、どちらかに偏っていない。懐が広く、やりたいことがあれば、それを叶える機会が見つかる会社であることは間違いないと思います。

Q.他に気づいたことがあったら教えてください。

バランスがすごくいいなと感じます。1社目は新卒の方が圧倒的に多く、2社目は反対にほとんどが中途の方でした。IBMは、長くIBMにいて、IBMのことを詳しく知っている方がいますし、新しい風を吹き込む新卒や中途の方々もいて、そのグラデーションがあるからお互いがお互いを尊重している感があります。お互いを知っているからこそ、チームワークが生まれていますし、すごく居心地の良さを感じます。

Q.お互いがお互いを尊重している。理想ですね。

IBMに長くいる方を頼りにすることがすごく多いです。こういうときはIBMとしてどう考えるべきなのか、どう立ち振る舞うのか、その考え方や、会社の哲学みたいなところに関して助言をもらう機会が多々あります。これは私のように入って間もない社員は分からないことですし、気になるところでもあります。
長くIBMにいる方からは、何か良い方法や、良いアイデアがあったらどんどん教えて欲しいと言われていますし、今までやってきたことや進め方をフランクに聞いてもらっています。そのバランスがすごく良くて、お互い尊重して働けていることを感じます。中にいて、グラデーションがすごく綺麗だということを感じます。

Q. IBMでのキャリアを通じて成し遂げたいことを教えてください。

ルールを作ったけど全然守られなかった。認証を取るために手順を整えたけど結局実運用されなかった。机上の空論だと言われてドキュメントが捨てられてしまった。コンサルタントは、ともすればいらなかったねと言われかねない中で、机上の空論にとどまらない付加価値をお客様に提供できるのが、IBMの良いところだと感じています。また、規模が大きく、業界のリーダーとして新しい流れを作っていくことができる会社だというのも感じます。量子コンピューターの取り組みはその1つです。IBMは力がある巨大な組織ですので、残せるインパクトが大きいはずです。何か世の中が良くなったよねというような仕事ができたら良いなと思っています。IBMは、そういったことができる数少ない会社なのかもしれませんし、そういう点に関わっていけたら、今後のキャリア、すごくワクワクするなと思います。


根本 亮
インタビュー・執筆:根本 亮
Talent Marketing Specialist
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