IT運用管理(ITOM)は、組織内の情報技術に関する条件の管理を担当し、コンピューティング・リソース、ネットワーキング・リソース、およびアプリケーション・リソースなどの、ITインフラストラクチャーとリソースのプロビジョニング、キャパシティー、パフォーマンス、および可用性の監視をします。 その役割は、ITリソース配信の全体にわたる品質、効率性、およびポジティブなエンド・ユーザー・エクスペリエンスを促進する、ルーチン・タスクを実行することです。
ITOMは、ITサービス・マネジメント(ITSM)に属する1分野で、サービスのライフサイクルにおける運用上の側面に焦点を当てています。 ITOMは、ITSMモデル内で、通常はエンド・ユーザーには見えないサービス管理の裏側に重点的に取り組んでいます。
正常なITOMは、すべてのビジネス・サービスおよびアプリケーションが使用可能で、適切に稼働し、最終的にはビジネスの実行を維持することを確実にします。 ITOMチームは、その達成を目的として次の主なタスクを監視します。
それら3つの各領域でITOMは、ライフサイクルを通じてサービスを導入、実装、およびサポートするために、ITが使用するプロセスを確立します。 その中に含まれる、問題を修復するための標準手法についての概説は、障害とダウンタイムの削減、およびユーザー・エクスペリエンスの改善に役立てることができます。 ITOMプログラムを成功させることにより、ワークフローの改善、可用性の向上、ピーク時のサービス・パフォーマンスを目標としています。
チームが通常使用しているのは、一連のITOMツールとソフトウェアです。 このソフトウェアは、Gartner社が述べている通り(ibm.com外部へのリンク)、ITリソースの管理、パフォーマンス、および可用性を促進し、それらリソース配信の最適化を確保することを目的として設計されています。
ITOMソリューションは、次のツールにより監視と制御をしています。
ITサービス・マネジメント(ITSM)とは、ITサービスを管理し、エンドユーザーに提供するためのアプローチのことを言います。 そこでは、設計からサポートまでのITサービスの提供に関する、標準化されたシステムが作成されます。 正常なITSMプログラムには、ビジネス上の意思決定を伝えることに役立つ、ITの洞察を収集し、分析することが含まれます。
ITOMとITSMはともに、IT サービス・マネジメントの役割と活動を概説しているITILフレームワークに定義されています。 それらの用語は、混同して使用されることがよくありますが、互いに異なります。 ITSMがITサービス・ライフサイクルに対して長期的な視点を持ち、組織のネットワーク、インフラストラクチャー、およびコンピューティングの各リソースを戦略的に開発することに注力する一方で、IT運用管理は、日常のIT管理の活動に焦点を当てています。
IT運用(ITOps)とITOMがよく混同されることについては、明確な理由があります。 両者がITサービスの稼働を維持することに密接に関与し、IT運用がITOMの頭字語に使用されているためです。 ITOPは、ITサービス・マネジメントに関する役割とタスクを指し、ITOMの方は、企業の技術コンポーネントおよびコンピューティング条件を維持するために使用される、管理プロセスとツールを指します。
ITOMは、幅広い複合テクノロジーおよび依存テクノロジーを監視しており、そのすべてのテクノロジーがシームレスに連携する必要があります。 一般的な課題には以下が含まれます。
ITチームは、より豊富で、より堅固なエクスペリエンスとアプリケーションを作り出すことを目指しています。 そのためには、データからより適切な洞察を得るために、既存のツールに統合できるITOMツールが必要です。 組織は、スピード、可視性、使用率、およびサービス提供を改善するために、AI搭載による自動化に目を向けています。
人工知能を活用するIT運用(AIOps)によって企業は、AI機能を使用して、膨大な量のデータを事前対応的に解釈および活用し、アプリケーションのパフォーマンスと可用性に関連する重要なイベントとパターンを特定し、根本原因を診断することができるようになります。 AIOpsは、それらのアクションにより、企業が費用を削減してIT部門の効率性を向上することを支援します。 EMA社のレポートの AI(Work)Ops 2021年版「The State of AIOps」によると、AIOpsが早期に採用された企業では、実装費用の80%という非常に価値の高い利益が得られています。また、少なくともAIOpsの購入費用以上の利益をすべての企業が得ており、企業におけるAIOpsの実装が成功していることが証明されています。
さらに、ITOMソフトウェアは、人工知能(AI)および機械学習(ML)を使用し、ITタスクを支援しています。 AIとMLの各ヘルプチームは、ITOMタスクの自動化、ローコード/ノーコードのITサービス・マネジメントの実現、および問題を予測してその解決を迅速化するために、事前対応的なインシデント管理の提供をしています。 そのような進歩により、ITOMプログラムの有効性を高めながら、IT部門の負荷を軽減させることが可能になっています。
ITOMの課題解決を支援するために、AIOpsは以下の利点を提供します。
ITOMaaSとは、主要なIT運用に関わるチームがイベントおよびインシデント管理において、企業のITリソースの可用性を管理する時に直面する、諸問題を検証して解決することを目的とした、初期段階の製品体験のことです。 ITOpsのリーダーは、待機リストに加わるように招待され、ITOMaaSアルファへの排他的アクセスを取得します。
IBMの可観測性ソリューションを使用して、インシデントを解決するために必要なコンテキストをご利用ください。
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