DIMM(Dual Inline Memory Module)とは

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執筆者

Josh Schneider

Staff Writer

IBM Think

Ian Smalley

Staff Editor

IBM Think

DIMM(Dual Inline Memory Module)とは

DIMM(Dual Inline Memory Module)は、デスクトップ、ノートPC、サーバーで使用される一般的なタイプのコンピューター・メモリー・モジュラー・ハードウェアであり、単一のプリント回路基板上の複数のランダム・アクセス・メモリー・チップ(RAM)で構成されています。

DIMMは、両面ピン接続でコンピューターのマザーボードに接続され、SIMM(シングル・インライン・メモリー・モジュール)など従来タイプのRAMデータ転送ハードウェアよりも本来は高速で効率的なネイティブ64ビット・データ・パスのスループットを可能にします。

DIMMにはさまざまな構成とフォーム・ファクターがあり、そのほとんどは一般的なDIMMスロットに適合するようにJEDEC(合同電子デバイス委員会)によって標準化されています。一般的に、パーソナルコンピューター(PC)には標準の133.35mm(5.25インチ)のDIMMが必要で、ノートPCにはより小型の67.6 mm(2.66インチ)のSO-DIMM(小型外形デュアル・インライン・メモリー・モジュール)が必要です。DIMMは、コンポーネントの物理的な寸法に加えて、さまざまなタイプのRAMでも使用できます。

最新のワークステーションではDIMMメモリー・チップがよく使われていますが、コンピューターに最適なDIMMの種類は、ハードウェアの物理的制約と対象とするアプリケーションによって異なります。

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RAM(Random Access Memory)について

基本的に、DIMMはRAMモジュールの一種であり、特定のタイプのピン・コネクターを使用し、複数のRAMチップをコンピューター・システムに追加し、消費電力を増やさずに中央処理装置(CPU)、データ転送、スループット速度を効率的に向上させます。コンピューター・システムでは、リアルタイムの作業の実行でいま使用しているデータを、RAMで一時的に保管しています。デジタル・ビデオのレンダリングやオンライン・ゲームなど、要求の厳しいアプリケーションでは、大量のRAMを必要とします。コンピューター・システムはRAMが不足していると、動作が遅くなったり、タイムアウトしたりします。

一般に、RAMなどの高速で高価な形式のデータ・ストレージは、メモリーと呼ばれ、安定した安価なストレージ・ハードウェアまたはコンポーネントはストレージと呼ばれます。コンピューターは、ほとんどのデータ、特にいま必要ではないアプリケーション・ファイルやドキュメント、メディアなどのデータを保持するためにストレージを使用しています。コンピューターは、メモリー、つまりRAMを使用して、刻々と変化する活動や機能に関連するまたは必要なデータやファイルにアクセスして管理します。

ほとんどのRAMは、データを保存するために定電力を必要とし、システムの電源が失われると保存されているデータがすべて失われるため、揮発性メモリーとされています。そのため、コンピューターは、ソリッド・ステート・ハードドライブなど、定電力を必要としない不揮発性のメモリーを長期保存に使用しています。

RAMには主に、SRAM(スタティック・ランダム・アクセス・メモリー)とDRAM(ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリー)の2つのタイプがあります。1960年代初頭に開発されたSRAM技術は、トランジスタを使ってデータを保存します。高速で効率的ですが、サイズが大きく高価です。しかし1968年に、IBMの研究者Robert Dennardは、1970年にIntel社によって開発された最初のDRAMチップとなるものを発明し、現代におけるコンピューティングの最も重要な進歩を達成しました。このイノベーションによりRAMの機能が大幅に向上し、この影響を私たちは現在でも感じることができます。SRAMタイプのメモリー・セルはいまもなお一部の用途に使用されており、DRAMチップには多くのサブカテゴリーもありますが、DRAMはRAMとほぼ同義になるほど主流となっています。

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DIMM vs SIMM

SIMM(シングル・インライン・メモリー・モジュール)と比較して、DIMM(デュアル・インライン・メモリー・モジュール)の主なイノベーションは、両面ピン・コネクターです。

SIMMでは、RAMチップ同士が短絡し、モジュールの片側にのみデータが通されます。ただし、DIMM RAMでは、モジュールの両側にあるコネクター・ピンを利用することで、2倍のデータレートのスループットを実現できます。

SIMM(Single Inline Memory Module)

SIMMで使える最大データ・ストレージはクロック・サイクルあたり32ビットであるため、SIMMモジュールはペアで使用され、SIMMあたり5Vの電圧消費で標準の64ビット・データ・パス転送速度を実現します。SIMMでは4MB~64MBのデータ・ストレージが使えます。前述したように、SIMMには回路基板の片面のみにコネクターがあります。

DIMM(Dual Inline Memory Module)

コネクターの数を2倍にすることで、DIMMはSIMMの容量を効果的に2倍にでき、必要な電力はわずか3.3Vになります。DIMMにはSIMMスロットとの下位互換性がないため、このイノベーションにはコンピューターのマザーボード上に特殊なDIMMスロットが必要です。ただし、DIMM型メモリーは、エネルギー効率が高く、32MB~1GBのストレージの単一のDIMMユニットとして最新のコンピューター・システムの多くにメモリーを追加する際、最適なソリューションとなっています。

DIMMの主な特徴とメリット

特徴的な両面ピン・コネクターに加え、最新ユニットは便利な特徴をいくつも備えていることが多く、DIMMは多種多様なコンピューティングに最適となっています。

メモリのランク管理

システムのメモリー・アーキテクチャー内で、DIMMはメモリー・ランクと呼ばれる個々のDRAMチップを個別に管理します。最新のプロセッサーで使用する複数メモリー・ランクにおける複数の作業のインターリーブ・プロセスに対応するには、複数のランクへ同時アクセスできることが必要です。例えば、CPUがあるランクからデータを書き込みながら別のランクからデータを読み取り、作業が完了すると両方のDRAMチップを消去できるため、ボトルネックのない高速な処理が可能になります。

各種標準RAMに対応

DIMMは、より高い転送速度を可能にするためにコンピューターの内部電気データとクロック信号のタイミングを厳密に制御するダブル・デート・レート(DDR)カテゴリーなど、年月を経てもメモリー・テクノロジーの進歩に多用途で対応できることが証明されています。DDR、DDR2、DDR4、DDR5規格をサポートするDIMMのバリエーションはすぐに入手可能です。さらに、不揮発性DIMM(NVDIMM)は特殊な不揮発性RAMのオプションもサポートしているため、電源がなくてもデータを保持でき、予期せぬシステム・クラッシュなどの災害復旧にすばやく対応できます。

誤り検出・訂正(ECC)

また、DIMMは、データ転送で使用されるビットとは別に余分なビットを分割して、送信中に発生する可能性のある不正確さを検証して修正する、シングル・エラー訂正、ダブル・エラー検出(SECDEC)プロトコルなどのECC方式に対応しており、災害復旧に役立ちます。

さまざまなフォーム・ファクター

DIMMは最新のコンピューティング・ハードウェアとともに進化し、さまざまなタイプのマザーボードに適合するように標準化されています。ラックマウント型サーバーの開発に伴い、DIMMボードは狭いスペースに収まるように小型化され、データセンターのフットプリントが削減され、携帯型のコンピューティングが可能となりました。一般的なフォーム・ファクターには、SO-DIMM(小型外形デュアル・インライン・メモリー・モジュール)やさらに小型のミニDIMMなどがあります。

さまざまな速度

RAMの種類に応じて、DIMM各種には独自のクロック周波数や速度、データ、アドレス、制御ラインを管理するためのバスがあります。そのため、DIMMはさまざまなデータ転送速度を提供して、特定のコンピューター・システム固有の要求を満たすことができます。

DIMMの種類

サイズや速度・容量のほかに、DIMMの種類は、DIMM自体の独自の機能的な特徴や、使用されるRAMチップの種類によっても区別されます。

DIMMの機能

  • アンバッファードDIMM(UDIMM):その名のとおり、アンバッファードDIMMにはメモリー・バッファーがなく、CPU内のメモリー・コントローラと直接通信して動作します。UDIMMは費用対効果の高い速度で知られ、デスクトップやノートPCで多く使用されています。

  • フルバッファードDIMM(FB-DIMM):UDIMMとは異なり、FB-DIMMはメモリー・モジュールとメモリー・コントローラ間の通信を促進するアドバンスト・メモリー・バッファー(AMB)を備えています。AMBバスは作業を読み取りと書き込みの2つの部分に分割し、両方の機能を同時に実行してパフォーマンスを向上できます。FB-DIMMは信頼性と信号整合性ならびにエラー検出速度が改善されているため、より大きなメモリー容量を必要とするサーバーやワークステーションに多く選ばれています。

  • レジスタードDIMM(RDIMM):メモリー・コントローラーとメモリー・モジュールの間をつなぐ追加のメモリー・レジスタにちなんで名付けられたRDIMMは、バッファード・メモリーとも呼ばれ、堅牢な安定性を必要とするサーバーやその他のシステムに適しています。RDIMMは、CPUからのコマンドとアドレスならびにクロック・サイクルをバッファリングし、命令を特定のメモリー・レジスターに直接送ることで、メモリー・コントローラーの負荷を軽減します。

  • 負荷軽減DIMM(LR-DIMM):バッファードDIMMのサブカテゴリーの1つであるLR-DIMMは、アイソレーション・メモリー・バッファー(iMB)を備えています。これにより、DIMMのDRAMチップをメインCPUから分離することで、CPUの負荷を軽減し速度と容量を向上させることができます。DRAMと直接通信する代わりに、メモリー・コントローラーはiMBチップに命令を送信し、バッファリングされたメモリーがすべての作業を実行します。

RAMのバリエーション

  • 同期DRAM(SDRAM)/シングル・データ・レート(SDR):SDR SDRAMという用語は、これらのタイプのRAMが同義語であるため、SDRAMと略されることがよくあります。SDRAMは動作を基礎となるマイクロプロセッサーのクロック速度と同期させるため、クロック単位時間あたりに実行可能な命令に対するDIMMの容量が大幅に増加します。非同期DRAMメモリーはCPU入力に直ちに応答しますが、SDRAMはクロック信号を待ってから命令を実行します。「パイプライン」として知られるこの方法により、SDRAMは前の命令が完全に完了(書き込み)する前に新しい命令を受信(読み取り)できます。これにより、CPUは重複するオーダーを同時に処理し、クロック・サイクルごとに1つの読み取りおよび1つの書き込み機能を実行できるため、全体的なCPU転送速度とパフォーマンス・レートが向上します。

  • ダブル・データ・レート(DDR):DDR SDRAMはSDR SDRAMと同様に機能しますが、速度は2倍になります。DDR SDRAMは、クロック・サイクルごとに2つの読み取り命令と2つの書き込み命令を処理し、低い標準電圧(3.3ボルトに対して2.5ボルト)で動作します。

  • ダブル・データレート2(DDR2):DDR SDRAMの改良型であるこのタイプのRAMは、クロック・サイクルごとに2つの読み取りと書き込み機能を備えていますが、より高いクロック速度をサポートしているため、より高速な性能を発揮できます。標準のDDR ROMモジュールの最大速度は200MHzですが、DDR2メモリーは533MHzを達成でき、必要な電圧が1.8Vのみというメリットもあります。
  • ダブル・データ・レート3(DDR3):DDR2の次の進化形であるDDR3は、高度な信号処理により、優れた信頼性とメモリー容量および低消費電力(1.5V)を実現しています。

  • ダブル・データ・レート4(DDR4):DDR3がさらに改善され、信号処理が改善されたDDR4は、最大1600MHzのさらに高いクロック速度と優れた容量と性能、より低い消費電力(1.2V)を実現しました。

DIMMのメリット

SIMMと比較して、デュアル・チャネルDIMMアーキテクチャーにより、DIMM(デュアル・インライン・メモリー・モジュール)は従来モジュールの2倍の機能を実現します。

さらに、DIMMには現世代の多くのメリットがあり、DIMMは、2つ、4つ、6つ、または8つの個別のDIMMをサポートするDIMMスロットで設計された最新のコンピューティング・システムに最適なソリューションとなっています。DIMMバッファーはCPU信号を処理してメモリーの負荷を軽減し、デュアル・チャネル設計により、メモリー・モジュール全体にデータを分散して複数のリクエストの高速インターリーブを実行できます。特に要求の厳しいユースケースでは、トリプル・チャネルやクアッド・チャネルDIMMも利用できます。PCから要求の厳しいデータセンターまで、高度なDIMMソリューションが最先端のコンピューティングを可能にしています。

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