WordPressとは

WordPressは、コンテンツ作成者とIT管理者の両者にいくつかの重要なメリットをもたらします。たとえば、大規模な設計や開発作業を必要とせずに、高度な柔軟性を実現します。使用と管理も簡単です。そして重要なのは、WordPressがさまざまな導入シナリオをサポートしているため、アーキテクチャーの好みに応じてこのプラットフォームを環境に統合できることです。

新しいWebサイトやブログ・サイトを構築しているところですか？WordPressを使用すると、コストと複雑さを制御しながらすぐに着手できます。

1. コストを抑えながら、新しいWebサイトやブログ・サイトを迅速に立ち上げることができます。
   
   
2. 継続的なコンテンツ管理を簡素化し、IT管理を合理化します。
   
   
3. デザインや機能を簡単にカスタマイズできます。
   
   
4. LAMP仮想サーバーやKubernetesコンテナの展開など、展開先の設定に柔軟に対応できます。

新しいWebサイト立ち上げの依頼は急ぎであることがしばしばです。会社のマーケティング・チームは、間近に迫った製品発売に対応するために、新しいマイクロサイトを迅速に作成する必要があります。あるいは、経営幹部がブログ・サイトを構築して、次の会議に先立ってソート・リーダーシップに関するコンテンツを着実に公開したいと考えるかもしれません。

それをすぐに実現するのが皆さんの仕事です。しかし、コストを管理し、継続的な管理の複雑さを軽減しながら、新しいサイトを迅速に提供するための最良のアプローチは何でしょうか？

社内担当者または Webサイト・デザインを専門とする外部代理店を利用して、新しいサイトをゼロから設計および開発する場合もあります。このアプローチでは、最終的には見栄えが良く、高度な機能を提供するサイトが得られるかもしれません。しかし、それはおそらく費用と時間のかかる仕事になるでしょう。

カスタム構築されたサイトは開始時に、大きな管理上の負担となる可能性もあります。ITグループは、新しいブログ投稿の追加、既存のページの変更、マルチメディア・コンテンツの組み込み、ナビゲーションの微調整、検索エンジン最適化（SEO）の改善などの基本的なタスクを行ってコンテンツ作成者を支援する必要があるかもしれません。この種のWeb運用をサポートすると、ITリソースが急速に消耗し、コンテンツ・チームの機敏性が低下するおそれがあります。

シンプルでありながら柔軟なコンテンツ管理プラットフォームを採用することが、より良い解決策となるかもしれません。

実際に試してみる準備はできましたか？エンタープライズ環境で WordPressを実装する方法については、IBM® Cloud Virtual Serversを使用してLAMPベースの仮想サーバーにWordPressを展開するための、IBMの簡単なチュートリアルをお試しください。

Webサイトやブログ・サイトにWordPressを採用することで得られる最も明確な利点は、プラットフォームの使いやすさでしょう。コンテンツ作成者は、新しいページやブログ投稿を作成したり、既存のページやブログ記事を編集したりする方法を短期間で習得できます。数回クリックするだけで、画像やその他のメディアを追加したり、リンクを組み込んだりすることができます。ビジュアル・エディターを使用する場合、HTMLや他のコーディングは必要ありません。

少し上級のユーザーや日常的な管理を任されているユーザーは、WordPressインターフェースを使用すると、テーマの変更、ブログ・サイトへの訪問者のコメントの承認、サイト統計の確認などのさまざまなタスクを簡単に実行できます。より多くのプラグインを組み込めば、ひとつのインターフェース内でSEOコンテンツをファイン・チューニングし、より詳細な分析を実行することができます。

WordPressには、サイトの外観と機能の両方を変更するための広範なオプションが用意されています。依頼元の企業グループは、何千もある好みのデザイン・テーマから選べます。

テーマは、開始に必要なすべてのPHPファイル、スタイル・シート、その他のファイルを含むダウンロード可能なフォルダーです。これらのテンプレート化されたデザインを使用すると、シンプルなブログ・サイトから本格的なEコマース・サイトまで、あらゆるものをすばやく作成できます。多くのテーマは無料ですが、より広範な機能を備えた有料バージョンを提供するテーマもあります。

WordPressには、大規模なプラグイン・エコシステムもあります。WordPressサイトの機能を強化するプラグインを選択して簡単にインストールできます。プラグインは、お問い合わせフォームの組み込み、サムネイル画像の準備の自動化、SEOの改善、セキュリティーの強化、広範なサイト・レポートの生成などに役立ちます。テーマと同様に、多くのプラグインは無料でご利用いただけますが、有料のプレミアム・オプションもあります。

開発者は、いくつかの方法でWordPressをさらにカスタマイズできます。たとえば、コンテンツ作成者は新しいページの作成にHTMLを使わずにいることを選択できますが、HTMLのプログラミング・スキルがあれば誰でも、メイン管理インターフェース内のタブからページや投稿にHTMLの変更を簡単に加えられます。カスケード・スタイル・シート・ファイルを変更してテーマをカスタマイズすることも可能です。新しい機能を実装するには、プラグインを作成するか、既存のプラグインでカスタム・フックとコールバックを使用します。

WordPressのコア・アプリケーション・ファイルは編集すべきではないかもしれませんが、変更できるPHPファイルもあります。たとえば、設定ファイルと機能ファイルを変更して、WordPressの動作を変更できます。

WordPressを使用する多くの中小企業や個人は、Webホスティング・プロバイダーを通じてこのプラットフォームをインストールします。プロバイダーが最新バージョンのPHPとMySQLのほかHTTPSをサポートしている場合は、そのホスト・サイトでWordPressを実行できます。

• PHPバージョン7.2以上
  
  
• MySQLバージョン5.6以上、またはMariaDBバージョン10.0以上
  
  
• HTTPSサポート

ただし、エンタープライズ環境にWordPressをインストールする場合には、選択肢がいくつかあります。たとえば、LAMPベースの仮想サーバーにWordPressをインストールできます。LAMPは、Linux、Apache、MySQL、PHPの頭文字をとったもので、動的なWebサイトの構築によく使用される定評のあるテクノロジーです。LAMPベースの仮想サーバーにWordPressをインストールすると、迅速に導入しつつ厳重なセキュリティーを維持できます。

クラウド上のLAMPベースの仮想サーバーでWordPressを実行すると、物理サーバーとそのハイパーバイザーおよびホストを管理する必要がなくなります。ただし、管理者は要件の変化に応じて環境をスケーリングする必要があります。たとえば、管理者は、成長に対応するために新しい仮想サーバーを複製して展開する必要があります。

別の選択肢は、 Kubernetesのようなコンテナ・オーケストレーション・システムを使用してWordPressをコンテナにインストールすることです。コンテナを使用すると、アプリケーションとそのすべての依存関係をパッケージ化できるため、アプリケーションを環境間でシームレスに移動できます。仮想マシンとは異なり、コンテナにはゲストOSは含まれていません。そのため、軽量で移行しやすく効率的です。WordPress用のコンテナを使用すると、将来的にいずれかの時点でWordPressのインストールをクラウドに簡単に移行できます。

Kubernetesを使って自動化することで、コンテナ化されたアプリケーションの展開、スケーリング、管理も簡素化されます。WordPressコンテナを収容するポッドの使用量が増加すると、Kubernetesは自動的にレプリカをスピンアップして負荷を共有します。成長に合わせて仮想サーバーを複製するよりも、Kubernetesでリソースを拡張する方が簡単です。Kubernetesはサイトをダウンタイムから保護できます。WordPressコンテナを含むサーバーがダウンした場合は自動的に別のWordPressコンテナを起動します。

IBM® Cloud Kubernetes ServiceからWordPressをホストする方法について説明します。

WordPressを環境にインストールするには何が必要でしょうか？LAMPコンポーネント、Kubernetes、または選択したその他のプラットフォーム/テクノロジー以外に必要なのは、Webサーバーへのアクセス、MySQLデータベースを作成する機能、テキスト・エディター、FTPクライアント、Webブラウザーだけです。

WordPressをお使いの環境にインストールすると、アプリケーション自体の管理は比較的容易です。新しいページの追加、テーマの変更、サイト訪問者からのコメントの管理などのデザインおよびコンテンツ関連のタスクは通常、コンテンツ作成チームが処理できます。

WordPressのコア・アプリケーション、使用するテーマやプラグインなどのソフトウェアを更新するタスクをIT管理者に割り当てることをお勧めします。WordPressはブログやWebサイトで非常に人気が高いため、このオープンソース・プラットフォームはハッカーの標的になっています。アプリケーション、テーマ、プラグインを最新の状態に保つことは、脆弱性を軽減し、日々変化する脅威から保護するために不可欠です。

WordPressは、ブログ・サイトやWebサイト作成用の最も人気が高く、最もシンプルなコンテンツ管理プラットフォームの一つです。多くの場合、新しいサイトを迅速に低コストで展開するのに最適なので、ユーザーはIT管理の複雑さを抑えながらサイトを容易に変更したり管理したりすることができます。

Webサイトやブログ・サイトのコンテンツ管理プラットフォームはWordPressだけではありません。たとえば、Drupalは、より高度な機能を提供できる代替手段ですが、多少複雑さが増します。

DrupalとWordPressの違いに関する詳細はこちら。

実際に試してみる準備はできましたか？エンタープライズ環境でWordPressを実装する方法については、IBM Cloud Virtual Serversを使用して、LAMPベースの仮想サーバーにWordPressを展開することに関する、IBMの簡単なチュートリアルをご利用ください。