エンタープライズ・リソース・プランニング(ERP)システムの種類
2023年12月13日
所要時間:6

今日、私たちが生活するハイペースのビジネスの世界では、ビジネスの運営と日々のニーズを管理するためのスマートなツールが必要です。エンタープライズ・リソース・プランニング(ERP)は、そのためのビジネス管理ソフトウェアです。比較的新しいシステムであるERPは、サプライチェーン管理から在庫管理、財務管理に至るまで、ビジネスのあらゆる側面を管理するアプリケーションを備えた、一元化されたプラットフォームを提供します。ERPの利点には、レガシー・システムとは異なる統合された機械学習機能に加えて、組込済みのビジネス・インテリジェンスとリアルタイム・データへのアクセスが含まれます。ERPシステムにはさまざまな種類がありますが、すべてのソリューションはビジネス機能と業務運営の向上を支援するために設計されています。

ERPソリューションは、小売、消費者向け商品、産業、エネルギー・公益事業、政府(防衛を含む)など、幅広い業界の組織のニーズを満たせるように構築されています。組織でERPの展開オプションを決定するにあたって、規模、機能、調達、業界固有の要件など、さまざまな要素を考慮する必要があります。これらの要素を考慮することで、組織のニーズを満たす可能性のあるERPソリューションを絞り込むのがはるかに容易になります。

展開オプション別で見たERPシステム

よく知られているERPソフトウェア製品には、SAP S/4HANAOracle NetsuiteMicrosoft Azure、Infor CloudSuite、Acumatica Cloud ERPなどがあります。ERPのさまざまな展開オプションについて以下でご紹介します。どのソフトウェア・ソリューションが組織のニーズに最も適しているかを決定するにあたって参考にしてください。各ERPソリューションは、Eコマース、人材管理注文管理在庫管理などのモジュールを提供していますが、具体的にはソリューションごとに異なる点に注意してください。

一部のERPソフトウェア・プロバイダーは、業界に特化したERPソリューションまたはモジュールを提供しています。例としては、MRP(資材所要量計画)を含む、製造業向けソフトウェアがあります。業界に特化したソフトウェアは組織によって異なり、プロジェクト管理やプロジェクト会計などのモジュールが含まれている場合があります。その他のERPソフトウェア製品には、顧客関係管理(CRM)およびHRソフトウェアなどが含まれています。

ERPシステムは、ビジネスのあらゆる側面に対応し、会計、リアルタイムの財務報告、予測、その他のプロセスなどのビジネス・プロセスを強化することを目的としています。基本的には、以下の3つの展開オプションがあります。

  • オンプレミス
  • クラウド
  • ハイブリッド

オンプレミスERPシステム

オンプレミスのERPシステムは、その名の通りの展開オプションです。組織独自のサーバーおよびコンピューター機器にソフトウェアをインストールします。カスタマイズおよびアップグレードが可能なライセンス・システムであり、通常はビジネス・ワークフローを合理化するためにオンサイトの組織のITチームが保守を行います。

オンプレミスのメリット

  • コスト:ソフトウェアをオンプレミスにインストールするため、月額や年額のサブスクリプション・コストは発生しません。これにより、短期的にも長期的にも、時間の経過とともにERPシステムのコストが下がり、収益性が向上する可能性があります。
  • カスタマイゼーション:必要に応じてソフトウェアをカスタマイズできます。カスタマイズは、実装時および実装後に実行できます。組織の意思決定の余地が大きいことが特徴です。
  • データ・セキュリティー:オンプレミス・ソフトウェアは、すべての企業情報とデータがオンサイトに残るため、ビジネスにとって極めてセキュアなソフトウェア・システムです。
  • インハウスの利点:すべてのデータ・ストレージとハードウェアをオンサイトに置くことで、システムのニーズにおいて、ソフトウェア・ベンダーに依存する必要がなくなります。適切なトレーニングを受けたオンサイトのITチームがこれらすべてを処理できます。

オンプレミスのデメリット

  • 初期投資:ソフトウェアやコンピューター機器については、大きな初期投資が必要になります。将来的にはソフトウェアを交換する必要が生じる可能性もあります。組織はオンプレミスERPを選択する前に、これらのコストを考慮する必要があります。
  • アップグレードが必要:ERPソフトウェアは、サイバーセキュリティー・リスクを軽減し、組織のソフトウェアが最も効率的であることを保証するために、定期的にアップグレードする必要があります。これらのアップグレードでは、オフィスでの作業が必要になる場合があり、場合によっては接続が遅くなる場合もあります。
  • データ・リスク:社内でデータのバックアップやアップグレードを行うと、ファイルが破損し、組織のデータがより高いリスクにさらされる可能性があります。

オンプレミスのERPが最も役立つ組織

オンプレミスのERPシステムは、システムの完全な自律性を必要とする組織に適しています。このビジネス管理ソリューションを導入した組織は、データ管理とセキュリティーをオンサイトで行うことになります。ERPチームまたはパートナーを活用して、実装に関する質問をリードし、処理することをお勧めします。

クラウドベースのERPシステム

オンプレミスのERPシステムは、その名の通りの展開オプションです。組織独自のサーバーおよびコンピューター機器にソフトウェアをインストールします。カスタマイズおよびアップグレードが可能なライセンス・システムであり、通常はビジネス・ワークフローを合理化するためにオンサイトの組織のITチームが保守を行います。

オンプレミスのメリット

  • コスト:ソフトウェアをオンプレミスにインストールするため、月額や年額のサブスクリプション・コストは発生しません。これにより、短期的にも長期的にも、時間の経過とともにERPシステムのコストが下がり、収益性が向上する可能性があります。
  • カスタマイゼーション:必要に応じてソフトウェアをカスタマイズできます。カスタマイズは、実装時および実装後に実行できます。組織の意思決定の余地が大きいことが特徴です。
  • データ・セキュリティー:オンプレミス・ソフトウェアは、すべての企業情報とデータがオンサイトに残るため、ビジネスにとって極めてセキュアなソフトウェア・システムです。
  • インハウスの利点:すべてのデータ・ストレージとハードウェアをオンサイトに置くことで、システムのニーズにおいて、ソフトウェア・ベンダーに依存する必要がなくなります。適切なトレーニングを受けたオンサイトのITチームがこれらすべてを処理できます。

オンプレミスのデメリット

  • 初期投資:ソフトウェアやコンピューター機器については、大きな初期投資が必要になります。将来的にはソフトウェアを交換する必要が生じる可能性もあります。組織はオンプレミスERPを選択する前に、これらのコストを考慮する必要があります。
  • アップグレードが必要:ERPソフトウェアは、サイバーセキュリティー・リスクを軽減し、組織のソフトウェアが最も効率的であることを保証するために、定期的にアップグレードする必要があります。これらのアップグレードでは、オフィスでの作業が必要になる場合があり、場合によっては接続が遅くなる場合もあります。
  • データ・リスク:社内でデータのバックアップやアップグレードを行うと、ファイルが破損し、組織のデータがより高いリスクにさらされる可能性があります。

オンプレミスのERPが最も役立つ組織

オンプレミスのERPシステムは、システムの完全な自律性を必要とする組織に適しています。このビジネス管理ソリューションを導入した組織は、データ管理とセキュリティーをオンサイトで行うことになります。ERPチームまたはパートナーを活用して、実装に関する質問をリードし、処理することをお勧めします。

クラウドベースのERPの例:

ハイブリッドERPシステム

ハイブリッドのERPシステムは、オンプレミスとクラウドの両方のERPシステムとインフラストラクチャーの要素を組み合わせたものです。このモデルは、特定のニーズがある組織、または厳しい規制要件がある組織に適してします。クラウドでスケールアップできると同時に、データのすべてまたは一部のためにオンプレミスのERPハードウェアをインストールする利点を活かすことができます。 ハイブリッド・ソリューションは、組織のニーズに応じて、パブリッククラウド・サービスとプライベートクラウド・サービスを組み合わせたものになります。

ハイブリッドのメリット

  • カスタマイズ性:クラウドとオンプレミスの両方にアクセスできるため、複数の拠点を持つ組織はERPへのリモート・アクセスが得られます。ERPハイブリッド・システムにより、組織のニーズに合わせて複数の種類のインフラストラクチャーとパブリッククラウド・サービスを構築できます。1つのモデルを選択した場合には実現できない方法です。
  • 拡張性:オンプレミスERPの主な利点は、ビジネスの変化に応じてERPシステムを制御できることです。ERPハイブリッド・ソリューションでは、企業が所有するサーバーやコンピューター機器を追加することなく、ERPシステムを制御してオンサイトでカスタマイズできます。
  • セキュリティー:ハイブリッド・モデルでは、ERPクラウド・ソリューションに伴うセキュリティー・リスクは問題になりません。ERPハイブリッド・システムでは、ハイブリッド・ツールのオンプレミス側で機密データを保護できます。

ハイブリッドのデメリット

  • コスト:長期的なコストは、クラウドのみのERPシステムよりも高くなるかもしれませんが、初期コストはオンプレミスのシステムよりも低く抑えられる可能性が高いと言えます。
  • 展開:ハイブリッド環境のセットアップにおいては、いくつかの課題があり、そのひとつが展開です。ハイブリッドERPシステムの場合、その性質により、展開と実装のプロセスにより多くの時間と注意が必要となる場合があります。プロセスをスムーズに実行し続けるには、優れたERP実装チームと連携することが重要です。
  • 監視:ハイブリッド・ソリューションには、オンプレミスのコンポーネントが含まれるため、社内のIT部門が必要になります。社内にIT部門がない場合は、ERPベンダーがソフトウェアを監視し、適切に機能していることを確認する必要があります。また、時間の経過とともに組織が大きくなった場合、システムを変更できる柔軟性も低いというデメリットがあります。

ハイブリッドERPが最も役立つ組織

オンプレミスとクラウドの両方の側面を必要とする特定の組織に適したモデルと言えます。より高価なオプションであり、ハイブリッド機能のために、実装にはさらに時間がかかる可能性があります。ハイブリッド・モデルに切り替える時期の例としては、組織がオンプレミスのERPツールに投資しており、クラウドのアップデートまたは最適化を検討している場合が挙げられます。

ハイブリッドERPソリューションの一例としては、AWSがあります。

ERPの種類とIBM

貴社にとってどのソリューションが最適であるかを決定する際には、組織のニーズとビジネスの将来を考慮することが重要です。IBM Consultingのエキスパートが既存のERPアプリケーションをクラウドに移行し、データ、AI、自動化を活用するプロセスを再設計し、財務をビジネスにおける競争上の優位性に変えるお手伝いをします。

アプリケーションとERP統合のためのSAPマネージド・サービスは、組織のワークロードの管理に役立ち、イノベーションと新しい機会に集中する時間を増やすことができます。SAPアプリケーションのマネージド・サービスは、基盤となる運用機能をサポートおよび最適化することで、アジリティーを実現し、リソースの最適化を可能にします。セキュリティーやコンプライアンスのレポート作成、アプリケーション管理、基幹業務へのサービスの提供などの領域が、コスト、リソース、ワークロードの観点からより予測可能になります。

著者
Jose Paredes Hernandez IBM Consulting - Global SAP Consumer Industry Leader & Global SAP Direct-to-Consumer CTO