みなさまの会社ではITのDX化は進んでいますか?せっかくシステムはクラウド化したのに、ITシステム運用は今まで通り人依存ということになっていませんか?システムは稼働してからが本番ですので、DX成功の鍵はITシステム運用と言っても過言ではありません。前回の記事ではAIOpsと自動化技術による運用の効率化・高度化をご説明しました。
AIOpsや自動化には興味はあるが、実際にやってみるのは敷居が高そう。ITシステム運用は、コスト削減の要求が厳しく、新たな投資は難しいという悩みを抱えた方も多いかと思います。
また、クラウド化に伴いシステムの構築が柔軟で容易になった反面、クラウドとオンプレの混在になったり、多くのSaaSサービスと連携したりしてITシステム構造が複雑化していませんか。こういった、ITシステム構造の複雑化は、ITシステム運用の複雑化にもつながっています。今までは自社内に閉じた環境で全ての状態を把握できたのに、クラウドやSaaSサービスを利用するためにブラックボックスと化している部分もあり、ITシステム運用自体もより複雑なものになってきています。
日本IBMでは、マルチクラウド運用に必要な機能をオールインワンですぐにご提供できる「AIを活用したITシステム運用サービス(以降、本サービス)」の提供を2023年より開始しました。
本サービスは、インシデント管理やパフォーマンス監視など運用の基本機能を備えた「運用基本サービス」をベースとし、オプションで複数のサーバーからのアラートの根本原因を判断して1つの障害チケットに統合する「統合イベント管理」や、ログやパフォーマンス監視結果から将来的に発生する可能性が高い「予兆検知」、RPAロボットの運用監視を行う「デジタルレイバー遠隔監視・運用支援サービス」など、お客様のニーズに応じた組み合わせで利用することが可能です(「予兆検知」は2024年提供開始予定)。
「AIを活用したIT運用サービス」で提供されるサービス・メニュー(2023年提供開始)
カスタマー・プロフェッショナル・サービス
L1ヘルプデスク
運用基本サービス
統合イベント管理
本サービスでは、IBMの誇るAIOps製品群および業界標準のソフトウェア群を駆使した、AIを活用したITシステム運用自動化のSaaSサービスです。
AIOps製品群
業界標準のソフトウェア群
クラウド上に構築したITシステム運用プラットフォームと、コールセンターや運用担当オペレーターなどを組み合わせたITシステム運用サービスを提供します。Instana、Turbonomic、IBM Cloud Pak for Watson AIOpsは製品単体でも効果は得られますが、本サービスでは、ITシステム運用で必要となる機能をそれぞれの製品を組み合わせたベスト・プラクティスとしてサービス・メニュー化した提供をしており、お客様の環境やニーズに応じて必要なメニューを選択してご利用いただけます。
本サービスをご利用いただくことで、AIOpsに必要なサーバー機能はSaaSにて提供しているため、監視対象のシステムにInstanaのAgent導入やログ設定、N/W設定などを変更するだけで手軽にAIOpsを開始することができます。
「AIを活用したIT運用サービス」で使用するAIOps製品概要
IBM Instana Observability
「APM(アプリケーション・パフォーマンス・マネジメント)」製品としてアプリケーションの可観測性を実現します。アプリケーションの稼働状況をリアルタイムに把握したり、アプリケーションを構成するコンポーネント同士の依存状態を自動化に可視化したりします。さらに、システムが発する性能に関するシグナルを自動解析する機能を備えているため、障害などの際には、コンポーネントのどこで問題が生じているのかを迅速に把握することができます。
IBM Turbonomic Application Resource Management
アプリケーションのリソース管理に最適化のためのツール。クラウドやオンプレミスで動いているアプリケーションが、どのようにCPUやメモリなどのITリソースを使っているのかを、モニタリングします。さらに、収集したデータを解析してアプリケーションの性能を損なうことなくリソースを最適化するための意思決定を支援します。これまでは人が判断していたことをTurbonomicによって的確に判断できるようになり、アプリケーションの稼働だけでなく、リソース最適化によるコスト最適化を図ることが可能となります。
IBM Cloud Pack for Watson AIOPs
アプリケーションのログ、パフォーマンスに関するメトリック、ServiceNowのチケット情報などさまざまなデータを収集しAIが分析する、AIOPsのためのプラットフォームです。そこから得られた情報や洞察を運用に活かすことで、インシデント対応を自動化・迅速化したり、システムとしては稼働しているければユーザーから見ると異常な状態である「サイレント障害」を検知したりすることが可能になります。障害発生前に予兆を検知して障害を回避するという、高度な運用自動化を実現する製品でもあります。
本サービスは、複数のお客様で運用担当者やプラットフォームを共用することで高機能、高水準のサービスを比較的安価に提供しており、あまりコストをかけずにAIOpsを試行されたいお客様や、従来型のITシステム運用から切り替えたいという悩みをお持ちのお客様に適しております。プラットフォームは国内のクラウド環境をベースとし、運用センターを国内の拠点に配置しますので日本国内で業務されるお客様にも安心してご利用いただけます。
さらにクラウドといえば心配になるのはセキュリティー面です。本サービスでは、脅威モデリングを用いた脅威のアセスメント、静的コード・レビューやシステム・スキャンなどのセキュリティー・スキャン、ペンテストなどのセキュリティー・テストを定期的に実施するなどセキュリティー対策にも最善を尽くしており 、安心してご利用いただけます。
また、SaaS形式の共用環境ではなく、自社専用のITシステム運用環境の構築を希望されるお客様には専用環境の構築も可能です。プラットフォームもIBM Cloud上だけではなく、AWS/Azure/GCP(Google Cloud Platform)上にもAIOps環境を実現することができます。
本サービスを適用したITシステム運用の導入効果を説明します。