通信業界のグローバルリーダーであるVodafone社は、顧客体験を向上させるための新たな機会を常に模索しています。TOBiは24時間365日、約14カ国語で顧客の質問に答えるバーチャル・アシスタントです。 IBM® watsonx® Assistantを搭載したTOBiは、企業が従来型サポートでの問題を克服し、顧客に卓越した体験を提供できるよう設計された対話型AIプラットフォームです。
Vodafone社は、生成AIにより対話型ジャーニーの構築プロセスを高速化し、各ジャーニーのために作成されるコンテンツの品質を向上できる領域を模索し始めました。 Vodafone社のチームは、IBMが主導する一連のワークショップを通じて、対話型設計者とテスト実施者がTOBiのジャーニーの作成に費やす時間を短縮する5つの重要なユースケースを特定しました。 その中で、最も価値が高く、最も実現可能である2つのユースケース、ジャーニー・テストとギャップ分析を優先することにしました。ギャップ分析とは、Vodafone社のセントラル・ライブラリーとさまざまな市場のジャーニー間の不一致を特定するプロセスのことです。
その後、IBM Client EngineeringとIBM®コンサルティングの主導のもと、Vodafone社と協力して、5週間に及ぶ構築段階を加速しました。 このプロジェクトは、データ、設計、アーキテクチャー、開発など、相互に接続された複数のワーク・ストリームにまたがっていました。 オーケストレーション・サービスは、Voice Flow(ibm.com外部へのリンク)で複数のテスト・シナリオを実行するIBM Cloud® Code Engine を使用して構築およびデプロイされました。このサービスは、AI開発者向けの次世代エンタープライズ・スタジオです。IBM watsonx.ai™を利用して、TOBiと顧客のやり取りをシミュレートしました。 これらのやり取りから生成された対話は、watsonx.aiを使用して分析されました。 このソリューションは、顧客満足度を評価し、ジャーニー・コンテンツを改善する領域を特定するためのセンチメントと感情分析を提供しました。 また、セントラル・ライブラリーと市場からのジャーニーを詳細に分析するためにも使用され、対話設計者がジャーニーを改善するのに役立つ相違点に関する有意義な分析が提供されました。
パイロット環境でのテスト結果から、生成AIがToBiに大きな影響を与える可能性が示唆されました。 例えばチームは、ジャーニー・テストの所要時間が99%短縮されたことを確認しました。 パイロットの前は、チームが新しいジャーニーをそれぞれテストして本番環境にデプロイする準備が整うまでに約6.5時間かかっていましたが、 パイロットでは、ペルソナあたり1回のジャーニーに1分もかからないことを実証しました。 また、パイロットの前は、セントラル・ライブラリーと市場の間のギャップ分析を行うことはできませんでしたが、 パイロットでは、watsonx.aiを使用することにより、1 回のジャーニーにつき5分未満で包括的なギャップ分析を実施できることが実証されました。 Vodafone社のチームは、AIを使って対話のセンチメント分析を行うことで、時間を大幅に節約できると期待しています。 これにより、実際のライブ・トラフィックに公開する前に、ジャーニーに関する追加のテストと知識が得られるため、全体的な顧客満足度も向上するはずです。
Vodafone社(ibm.com外部へのリンク)は、ヨーロッパおよびアフリカで事業を展開する通信会社です。
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2024年3月
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