業務上のイノベーション文化を促進するために、UCM Technics(UCM)はCore ICT社と協力し、オールフラッシュのIBM Storage環境を構築しました。これにより、予測可能な高パフォーマンスが実現し簡単に管理できるようになりました。
1928年以来ベルギーの起業家と中小企業を支援してきたUCMは、イノベーションの価値をよく理解しています。サービスのポートフォリオを広げ、クライアントにさらに多くの創造的なソリューションを届けるために、組織は大規模なモダナイゼーション・プログラムを開始しました。これには多数の新しい業務ワークフローとデジタル・アプリの作成が含まれており、そのすべてがこのITインフラストラクチャーを支えるデータ・ストレージ・システムに大幅な容量と性能の向上を要求するものでした。
UCMのITマネージャーであるXavier Lenoble氏は次のように述べています。「全体として、クライアントに新しいサービスをより敏捷にお届けできるように、社内の事業開発部門からの新しい要求への対応スピードを高速化する必要がありました。ただ、既存のストレージ環境のパフォーマンスは限界に近づいていました」
UCMは大規模な社内アジャイル開発機能を実行しています。つまり、統合テストと回帰テストは基本的に1日24時間実行されているということです。このことから、利用可能なストレージの1秒あたりの入出力操作数(IOPS)に大きな影響がありました。とりわけテストは通常、データの小さなサブセットではなく、完全な本番データのスナップショットに対して実行されるからです。
「UCMでは、本番環境からテスト環境やステージング環境につねに情報を更新しています」と、Lenoble氏は言います。「これによりストレージのインフラストラクチャーには常に高い負荷がかかっていますし、さらにクライアントの給与や社会保障拠出金の計算に関連して月末と四半期末には非常に大きなピークがあります」
UCMは、ストレージ・インフラストラクチャーをアップグレードして、予測可能な高パフォーマンスを実現し、需要の大きなピークに対応できるようにしたいと考えていました。
UCMは、IBMの優先ビジネス・パートナーであるCore ICT社と相談し様々な選択肢を検討し、変革への最適な戦略を決定しました。Core ICT社は、今後5年間の総所有コスト (TCO) 演習を行いシステムを提案しました。このシステムは、IBM Spectrum Virtualize (以前のSANボリューム・コントローラー) の4つのノードをベースとしており、2つのIBM Storage FlashSystem 7300システムが本番環境として機能するストレッチ・クラスター内にあります。各FlashSystem 7300には 17 x 19.2TB IBM FlashCoreモジュールが搭載されており、バックアップ・ストレージは2つのIBM Storage FlashSystem 5015コントローラーによって提供されます。
提案されたアーキテクチャーの有効性と拡張性を調査するため、Core ICT社はIBM Hursley研究所で技術ワークショップを開催しました。その目的は、提案されたアーキテクチャーがUCMに関連する独自のワークロードを効果的に処理できるかどうかを徹底的に検討することでした。
「いつものように私たちは業務上の課題をCore ICT社に伝えて、最適な技術システムを提案してもらうことができました」とLenoble氏は言います。「そうしてこのときIBM FlashSystemのエキスパートと連携できたことで、UCMのセットアップに自信を持つことができました。このシステムで品質とコストに必要なバランスを維持しながらパフォーマンス目標が支援できると確信しました」
Core ICT社による導入プロセスが2週間で滞りなく完了した後、UCMではストレージのパフォーマンスが瞬く間に向上し、最大IOPSが80,000から160,000に向上しました。
「以前は最大IOPSの85~95%で稼働していたため、ボトルネックのリスクがありました」とLenoble氏は言います。「新しいIBM FlashSystemシステムでパフォーマンスと容量が上がったおかげで、今では通常25パーセントないしは30パーセントにまで下がっています」
データ圧縮はFlashCoreモジュール上でハードウェア的に実行できるようになり、処理負荷が軽減でき、インタラクティブなワークロードの応答時間が5分の1に削減できました。
新しいIBM FlashSystemシステムにより、非回帰テストのための大規模な本番環境の毎日のクローン作成にかかる時間を削減できるだけでなく、社内ユーザーや外部クライアントへの重要なBI(ビジネス・インテリジェンス)配信を加速する支援ができます。「UCMでは毎日、前日の業務からの数百GBのデータを使ってデータベースを更新しています」と Lenoble 氏は言います。「今では、更新バージョンが午前8時に準備できているという確信を再び持てるようになりました。このためビジネス・ユーザーはクライアントに代わってイノベーションに集中できるのです」
これらの更新サイクルは、従来のインフラストラクチャーでは実行するのに通常約4時間かかっていました。現在では1時間です。つまり、UCMには営業再開前に必要に応じてジョブを再実行できる時間があります。
IBM FlashSystem環境は、その他の領域でも、予測可能なパフォーマンスという価値の提供を支えています。以前従来のストレージ・システムの使用率が高かったときは、同じソフトウェア・テストを実行しても実行ごとに大幅に異なる結果が生成されていました。「パフォーマンスを検証するのは非常に困難でした」とLenoble氏は振り返ります。「現在では、テストを実行するたびに同じアクセス時間と応答時間を確認できるため、ソフトウェア・エンジニアはUCMのインフラにまた自信を持てるようになりました」
Core ICT社により既存のアーキテクチャーを簡素化できたため、UCMの2つのデータセンター間の物理的なケーブル配線を減らすことができ、すべてのシステムで共有できる仮想ストレージの単一階層を作成できました。
「ストレージの単一層は、小規模部門にとっては管理がはるかに簡単で、IBMのシステムは一般的に管理がほとんど必要ありません」とLenoble氏は述べています。「UCMでは以前と同じIBMのストレージ管理ソフトウェアを使っていますが、従来からのシステムを継続して利用できている点も、管理の諸経費を最小限に抑えるのに役立っています」
UCMでは、一部のサービスをクラウドに移行する可能性を含め、今後数年間のITインフラの進化を計画しており、信頼できる専門家パートナーとしてCore ICT社を頼りにし続けています。「業務上の課題があるときはいつでも、Core ICT社がクリエイティブに技術的な解決策を見つける手伝いをしてくれるのです」と、Lenoble氏は言います。「Core ICT社はUCMの仕事を理解し既存のインフラをよく知っているので、とても貴重なアドバイスです」
Xavier Lenoble氏はこのように結論づけています。「Core ICT社との提携はUCMにとって、IBMとの幅広い連携と同様に非常に重要です。お客様は安定した高性能のサービスをお届けする点についてUCMを信頼してくださっており、IBMストレージ・インフラストラクチャーは当社のイノベーションを支える強固な基盤として欠かせません」
UCM Technics asbl (UCM) (IBM外部へのリンク) は、130,000名を超える個人事業主と30,000社超の中小企業と提携し最適な労働条件の創出を支援するベルギーの非営利団体です。1928年に設立されたUCMは現在1,000名以上の従業員をかかえ、起業家精神と企業の創設・発展のために有益な経済環境を提唱し、ロビー活動を実施しています。
SYNTORY傘下のCore ICT社 (IBM外部へのリンク) は、ITコンサルティング会社でありIBMビジネス・パートナーです。基盤となるテクノロジーの対応に追われることなく顧客がコア・ビジネスの目標に集中できるように個別に設定したシステムを提供しています。認定スタッフは高度な技能と顧客志向の手法を併せ持っています。
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