小売業、銀行業、不動産業、製造業、データ分析業、再保険業、保険顧問業を複数の大陸で展開する多国籍複合企業であるIkano Groupでは、サステナビリティーが後回しになったことはありません。実際、Ikano Groupには、サステナビリティーが事業戦略の重要な推進力としてDNAに組み込まれています。(元はIKEA傘下だったが、1988年に独立。)このサステナビリティーへのコミットメントを映し出すように、グループは環境・社会・ガバナンス(ESG)の広範な目標を立て、ESG関連分野での発展を促進し、さらなる取り組みと成果の拡大に向けた明確な抱負を掲げています。
Ikano社はすでに、新しいEUコーポレート・サステナビリティー報告指令(CSRD) (ibm.com 外部のリンク)および欧州サステナビリティー報告基準(ESRS)の要件に沿って、ESG目標と抱負を達成するための実行可能な目標を盛り込んだ計画を策定しています。これが功を奏し、組織はCSRDに準拠した最初の報告書(2025年度のデータ)を2026年の発表に向けて作業を進めています。データ収集、データ追跡、報告作業にまつわるプロセスを合理化するという課題の大きさを認識することから始まり、ここに至るまでには多くの準備作業がありました。組織の複雑さゆえに、この仕事はとりわけ困難を極めました。「しっかりしたシステムがなければ、CSRD報告書作成の複雑さが増す上に、効率が大幅に低下し、リソースと時間が浪費されることになります」と、Ikano GroupのCSRDプロジェクト・マネージャーのIliane González Martín氏は述べています。
Ikano Groupは、3つの大陸にまたがる複雑な特性を備えた6種の異なる事業部門で構成されており、幅広い運用のバリエーションやデータ・ソース、報告の考慮事項に対応するための包括的なアプローチが必要です。さらに同グループは透明性のある詳細に及ぶ報告書作成に取り組んでおり、つまり、資源消費、炭素排出量、その他の環境、社会、ガバナンスの指標など、幅広いESGパラメーターに関する監査に対応した詳細なデータを提供できるソリューションが必要であることを意味していました。CSRD報告の要件を遵守できない場合、風評被害、顧客の信頼の喪失、罰金だけでなく、Ikano社の中核となる価値観やサステナビリティーへの多大な労力とコミットメントからの逸脱も示唆する可能性があるため、リスクは高くなります。
Ikano Group本体の他に、Ikano Bank社、Ikano Bostad社、Ikano Industry社、Ikano Insight社、Ikano Insurance社、Ikano Retail社の6つの子会社が、各社の個別のサステナビリティー目標に向けた取り組みをサポートするためのESG報告書作成およびデータ管理ソリューションの必要性を認識していました。
Ikano社は、これらのニーズに対する答えを自社グループ内で見出しました。同グループの6つの事業部門のひとつであるIkano Insight社は、サステナビリティー・データ管理と分析に特化したIBMビジネス・パートナーです。Ikano Insight社は、企業がESGデータを取得、統合、分析して報告要件を満たすよう支援し、ESG目標を達成するために必要な洞察を提供しています。Ikano Insight社は、小売分析において継承してきた豊富な知識を活かしてあらゆる業界の複合組織がサステナビリティー報告書の作成を自動化し、コンプライアンスを向上させ、最もリソース効率の高い方法でサステナビリティー目標をより迅速に達成できるよう支援することに重点を置いています。
Ikano Insight社は、コンサルティング、ソフトウェア、およびソフトウェア導入サービスを組み合わせてこれらの成果を提供します。顧客がCSRD報告要件を満たすことができるようサポートするために、同社が選択した最適なソフトウェアはIBM® Envizi ESG Suiteです。テクノロジー基盤が決定された後、Ikano Insight社のチームとIBM® Consultingチームは、Ikano各社と協力して、永続的なESGデータ戦略を立てました。そこでは、IBM® Garageメソドロジーを活用して、明確に定めた目標の達成に向けた進捗状況を監視するための目標と方法が共創されました。
チームはデータ・ベースラインを確立し、ESRS要件をマッピングしてEnvizi内のデータ収集とレポート作成プロセスの両方の階層を定義しました。また、Enviziのオートメーション機能を利用してデータ収集を合理化し、Ikano社は、効果をあげることに重点を置きながら、戦略的なESG KPIを業務と意思決定に統合できるようになりました。ESGデータ基盤が整備され、データ・マッピングが完了したことで、Ikano Groupと6社すべてが、Envizi ESG Suiteのレポート作成のデータ・ガバナンスおよびワークフローのツールを利用し、組み込まれたESRSフレームワークへの対応を調整してCSRD規制で求められる開示を作成する準備が整いました。
広範囲に及ぶ報告書作成とパフォーマンス追跡の要件を満たすために、Ikano Group各社はEnviziの仮想アカウント機能を活用し、各社がESRS報告書作成専用のアカウントを持つ仮想ロケーションが確立されました。プラットフォームが各事業に展開されると、各社が独自にカスタマイズされた階層とロケーション固有のアカウントを備えた個別のグループとして設定されます。
CSRD準備プロセスには、強固なガバナンス構造が不可欠です。Ikano Group内では、CFOが報告プロセスの責任を負います。同グループののサステナビリティー・マネージャーとCSRDプロジェクト・マネージャーが協力して、事業戦略がCSRD要件と合致していることを確認します。さらに、Ikano GroupのCSRDプロジェクト・マネージャーは、Ikano社のすべての事業の課題と作業を調整し、サポートを提供し、グループ・レベルでの情報の集約と統合を促進してCSRDコンプライアンスを確保する責任を負います。
グループ・レベルの運営委員会が毎月開催され、プロジェクトの進捗状況をレビューし、課題について話し合い、事業部門全体の進歩を追跡し、必要な決定を下します。最新情報も定期的に共有され、経営幹部全体およびグループ・レベルの経営会議で議論されます。さらに、CFO、CSRDプロジェクト・コーディネーター、および全部門の機能マネージャー(財務、サステナビリティー、リスク/法務、人事、オペレーション)で構成されるすべてのビジネスCSRDチームによる会議が定期的に開催されます。CSRDプロジェクト・コーディネーターとサステナビリティー・マネージャーはどちらも、CFOとプロジェクト全体に貴重なサポートを提供します。また、各事業部門との定期会議もあり、継続的なサポートと課題のフォローアップが提供され、CSRDの準備に向けた企業およびグループ全体の前進を支援します。
Ikano社のCSRDに向けた準備は多岐にわたり、以下のような重要な課題があります。
Ikano Insight社によるIBM Enviziプラットフォームの導入がグループ企業全体にもたらした最大の効果は、複雑なデータの取り込みと報告書作成が簡素化され、各社が重要なアクションの実行に集中できるようになったことです。
Ikano Insight社が初期に認識していた課題の1つは、CSRD報告書の作成が「全く新しいことで、これまで誰も行ったことがなく、これを手動で行おうとすると何千時間もかかり、監査に通るためにデータをまとめて提出する実現可能な方法がないことでした」と、Ikano Insight社サステナビリティー責任者のPeter Jones氏は話しています。Iliane González Martín氏も、「Peterと私で共に取り掛かっていましたが、これがどれだけ莫大なことであるか認識していました。多様な事業からなる極めて広範な組織にまたがって導入すべきものが非常に多くあったため、Ikano Insight社によるプロジェクト管理と実装サービスがなければ、Enviziプラットフォームの構成と実装は不可能でした」と、これに同意しています。
現在、Ikano社の各事業はプラットフォーム構成を最終調整中です。シームレスな導入を改善するため、プラットフォーム管理者とユーザーがプラットフォームを効果的に活用できるようにトレーニング・セッションが実施されています。グループにはすでにプラットフォーム上に83人のユーザーがアクティブ化されており、すべての事業にまたがりこれまでに15,685種類のデータ型がプラットフォームに入力され、今後も増えていく予定です。自動化されたデータ収集とデータ管理により、報告と開示のプロセスが合理化され、今後12か月以降、数千時間が節約され、CSRDの要求を満たすためのグループの取り組みを支援しています。データの出所まで追跡し、記録を変更し、監査人に直接アクセスできるようになったことで、全社的に監査の準備が真に整いつつあります。
以前は不可能でしたが、グループ全体にわたる統合されたデータ・ビューを得られたことで、すべての事業に対して集計されたKPIが設定されています。Ikano Groupと各子会社はこうして、基礎となるサステナビリティー・データ基盤への信頼と、排出量計算の精度を高めました。Enviziプラットフォームにより、パフォーマンス指標に対する信頼性の高い会計システムが提供され、エネルギー、水、材料、リサイクルのデータは今や財務データと同じくらい堅牢でアクセスしやすくなりました。
Ikano GroupとIkano Insight社は、EUの企業が直面している最大の課題となっているCSRD報告に対し、どのようにアプローチするかを理解する上で大きな進歩を遂げました。Ikano Insight社のマーケティング責任者であるSimon Taylor氏は、「レポート要件を、要件ではなく機会と見なすことが、考え方の転換に繋がる鍵です。Ikano Group各社は、独立したサステナビリティー戦略を持っているのではなく、むしろサステナビリティーを含む統合的なビジネス戦略を持っています。このアプローチでは、会社の方向性と目標は、財務、環境、サステナビリティーのガバナンスと一体化して融合されています。このアプローチにより、事業の長期的な存続が可能になり、また長期に及ぶ財政的サステナビリティーが保証されます」と述べています。
取締役会との緊密な連携のもと、ESGへの取り組みと報告を組織全体に割り当てるというIkano Groupの決定は、報告時期まで待つのではなく、サステナビリティーを事業運営の中核に融合させるという同社のコミットメントへのさらなる証を示しています。このような部門を越えたコラボレーションは、CSRDの準備を前進させ、グループ全体および各事業の効率性と関与を促進する極めて重要な要因であることが証明されました。
Ikano GroupのESGへの取り組みは、長く険しい道のりです。しかし、それを実行に移すために、多大な労力を費やしてきました(そして今後もそうし続けるでしょう)。Ikano Insight社とIBM Consulting、そしてIBM Enviziソフトウェアの支援を受け、Ikano Groupとその子会社は、今後数年間の報告書作成のプロセスを進める上で適切に対応できると確信しています。
Ikano Group (ibm.com 外部へのリンク)は、本拠地をルクセンブルクに置くIkano S.A.社を親会社に持つ国際的な企業グループです。Ikano Groupは、銀行(Ikano Bank社)、不動産(Ikano Bostad社)、生産(Ikano Industry社)、保険(Ikano Re社、Ikano Insurance Advisory社)、データ分析(Ikano Insight社)、および小売(Ikano Retail社)の各セクターで活動する株式非公開の国際企業グループです。Ikano GroupはもともとIngvar Kamprad氏によって設立されたIKEA社の一部でしたが、1988年に独立し、以降、Kampradファミリーが所有しています。
Ikano Groupは、3大陸15か国に約9,000人の従業員を擁しています。
Ikano Insight社( ibm.com外部へのリンク)は、Ikano Group傘下のデータと高度な分析を事業とする企業です。また、IBM Partner Plusプログラムのシルバー・パートナーでもあり、同社の製品、ESG Optimizerは、IBM Enviziテクノロジーを採用しています。同社はテクノロジーと高度な分析を活用して、あらゆる地域の企業のサステナビリティーへの取り組みを簡素化させています。
© Copyright IBM Corporation 2024.IBM、IBMのロゴ、IBM Envizi、IBM Consulting、およびIBM Garageは、米国およびその他の国または地域におけるIBMコーポレーションの商標または登録商標です。本書は最初の発行日時点における最新情報を記載しており、IBMにより予告なしに変更される場合があります。IBMが事業を展開している国または地域であっても、特定の製品を利用できない場合があります。
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