IBMは、世界有数のテクノロジー企業であるとともに、コンサルティング企業でもあります。しかし、それは控えめな表現です。

282,000人以上の従業員と50,000以上のIBMビジネス・パートナーが協力して、企業のクラウド、SaaS、グローバル・マーケット、およびIBM Consulting™ビジネス部門をサポートしています。これらのビジネス部門は、世界中で530,000を超えるIBMのお客様に利用されている専門知識、ソリューション、およびサービスを提供しています。

数百ものアプリケーションやシステムを利用してお客様とIBMの従業員がコミュニケーションを取る様子は、まさに人、テクノロジー、データで構成された1つの強固な網のようです。しかしこの網は日々増大し、かつ複雑さを増しています。

IBMは、大規模なエンタープライズの経営に伴う複雑さを知らないわけではありません。

IBMは、ハードウェア、ソフトウェア、サービス、新規買収、スピンアウト企業など、複数のビジネス・ラインの管理に成功しています。さらに、お客様は通常、IBMの複数のビジネス・ラインからのソリューションを使用します。これらのソリューションは、従来は異なるチームが独自のコミュニケーション・チャネルを使用してサポートしていました。

IBMは、このような異種チャネルは、チーム間の情報共有を改善することなく、従来のシステムをより複雑にしているだけであることを認識していました。

お客様は製品やサービスに関する問い合わせに基づいてさまざまなサポート・チャネルに誘導されるため、新しい対話のたびに最初から説明し直さなければならないことが多くありました。電話、Eメール、チャットの履歴はさまざまなリポジトリーに分散されており、他の部門のエージェントや販売担当者はアクセスできませんでした。

社内では、IBMの顧客サービス部門とIBMの営業部門のエキスパートは、完全な顧客データと活動履歴に関する洞察を十分に持っていなかったため、パーソナライズされた顧客サービスと販売アプローチが困難になっていました。エージェントや販売担当者は、お客様の懸念への対応や業務管理のために、複数のシステムを使いこなす必要もありました。このため、お客様からの問い合わせに対して適切な回答を見つけることが難しくなり、デジタル販売の体験に摩擦が生じていました。

業界レベルでは、顧客と組織の両者が、仕事やコミュニケーションの方法をデジタル化することに意欲的でした。

ハイブリッドクラウドとAIテクノロジーのイノベーターとして、IBMの顧客サービス部門とIBMの営業担当部門のリーダーは、インフラストラクチャーを統合して複雑さを軽減できる、デジタル化および合理化されたサービス重視のプラットフォームを開拓することを模索していました。

IBM Watsonの仮想アシスタントにより

58%

のコンテインメント率(人間のオペレーターを介さずに解決できた問い合わせの割合)を9カ月以上にわたって維持

質問アシスタントとコグニティブ・ケース・ルーティングの活用により、解決時間が

26%

短縮

360度の変革を開始

IBMは、市場をリードするクラウド・ベースのソフトウェア企業であるSalesforceに変革の取り組みの支援を依頼しました。

Salesforceは、Customer 360(リンクはibm.comの外部)と呼ばれる統合CRMプラットフォームを作成およびサポートしています。これは、すべての顧客、顧客サービス、販売担当者の体験を、信頼できる唯一の情報源の下で統合します。この信頼できる唯一の情報源は、IBMの顧客サービス組織および営業組織に、ビジネス部門にかかわらず、顧客ジャーニーの全体像を提供します。世界中のチームが1つのプラットフォームでコラボレーションして連携することで、お客様の状況に応じて、迅速でデータ主導型のエンゲージメントを提供できます。

IBM 360戦略およびCTOで財務および運用担当のGeoff Marinskiは、そのオープン性と拡張性について、「IBMをサポートするために、Salesforceは当然の選択でした。私たちが達成したいことの範囲とIBMの規模を考慮した場合に、Salesforceは、オープンなAPIを持ち、必要な拡張性とすぐに使用可能な重要な機能を大量に提供する数少ないプラットフォームの1つでした」と語っています。

Customer 360への移行において、IBMは顧客サービス部門から始めました。前述したように、IBMのコンタクト・センターでは、顧客サポートのために数十種類に及ぶさまざまなツールやチャネルが採用されていました。

Salesforce製品とIBM Consulting内のクラウドのエキスパートの支援を受けて、IBMは電話、Eメール、チャットのサポート・ツールをSalesforce Service Cloudに統合することができました。この単一のソリューションにより、エージェントは、各顧客のサポート活動について(過去の問い合わせも含めて)完全な透明性を確保できました。関連する顧客データとサポート・ツールがすべて1カ所にまとめられたことで、エージェントは、パーソナライズされたデータ主導型のサービスをより迅速に提供できるようになりました。

毎日数千件もの電話や問い合わせを受けているにもかかわらず、Service Cloudでは解決までの時間(TTR)が26%短縮されています。さらに、IBMのケース・サポートでは、2021年の第4四半期にネット・プロモーター・スコアが25ポイント増加しました。エージェントは、反復的な作業を排除し、お客様の活動に関する新たな洞察を得ることで、これまで以上に迅速に質問に回答しています。

海に渦巻くバラクーダ

IBM Watson® Assistantは、TTRの短縮に役立つルーティング機能も提供します。これは、自動化を使用して、問い合わせを適切なエージェントにインテリジェントに転送することによって実現されます。IBMのCognitive Support Platform(CSP)の変更管理リーダーであるHolly Paytonは次のように述べています。「SalesforceとWatsonのコグニティブ機能を組み合わせて、IBMだけが提供できる独自の体験を提供するCSPを作成しました。お客様には、Customer 360の処理能力とWatsonのインテリジェンスの両方の長所をお届けできます」

セルフサービス仮想アシスタントは、新しいケースを作成する必要なく、12%のセッションでお客様の質問を解決します。IBMサポート・プロフェッショナルにパーソナライズおよび優先順位付けされたバックログ・リストを提供するケース優先順位付けにより、各エージェントは1日に最大45分を節約できます。

「IBM Consultingの世界最高レベルの統合チームと連携することで、CRMプラットフォームを適切なデータで稼働させることができました。Service Cloudがコンタクトセンターで稼働した後は、Salesforceの組み込み機能を活用して、Sales Cloudや組織の他の部分への移行を迅速に進めることができました」とMarinskiは述べています。

Salesforce Service Cloudの最初の成功に続いて、IBMは同じ方式でSales Cloudを展開しました。お客様に迅速な統合、リソースとプロセスの最適化、すぐに使用可能な機能、そして信頼できる唯一の情報源を提供したのです。

以前のIBMの営業チームは、関連するお客様やオポチュニティー情報をソース間で共有できていませんでした。販売担当者は、誰に連絡し、どのオポチュニティーを優先すべきかを把握することが難しく、多くの販売担当者は、リード・コンバージョンと予測ステージの基準を他のチームと一致させるのに苦労しました。Salesforceへの移行に伴い、IBMのSales Cloudの社内インスタンスのエグゼクティブ・プログラム・マネージャーであるKendra Sieggleのような変革リーダーは、これらの問題点を改善し、販売プロセスを大幅に改善しようと模索しました。

「Sales Cloudは、Salesforceのアーキテクチャーと優れたプラクティスを組み合わせて、市場へのあらゆる経路に対応できるように構築されたCRMプラットフォームの成功を推進します」とSiegleは述べています。Sales Cloudには、販売担当者、販売マネージャー、およびパートナー向けの世界最大のビジネス・アプリケーション・マーケットプレイスがあります。そこでは、仮想販売、予測、コミュニティー構築などに利用できる使いやすいアプリが用意されており、生産性の向上や、お客様の販売ジャーニーの高速化に役立っています。

IBMがSales Cloudの採用を決定したのは、Salesforceが業界で高い評価を得ていたことがその理由でした。ほとんどの販売担当者はこのプラットフォームに精通しており、何らかの業務で一度は使用したことがあるはずです。現在、数万ものIBMの販売担当者、販売マネージャー、パートナーがSales Cloudを使用して、より強力なお客様との関係の構築、ワークフローの管理、および取引の高速化を実現しています。

エンタープライズ全体の統合を推進

IBMの顧客サービス・チームと販売チームがSalesforce CRMプラットフォーム上で統合されることで、IBMはSalesforce Customer 360を実現させます。Customer 360は、IBMのすべての従業員を1つのソースの下で結び付け、すべての従業員が関連データを使用して、よりスマートで迅速な意思決定を行えるようにします。

IBMは、統合とオンボーディングのプロセスを通じて、SalesforceのオープンAPIアーキテクチャーを使用し、IBM Watsonのコグニティブ機能をCustomer 360に注入しました。IBM Watsonの仮想アシスタントは、AIを使用してお客様の問い合わせに回答し、さまざまな部門のエージェント間のコミュニケーションを簡素化します。

IBM Watsonのコグニティブ・ケース・ルーティング機能は、お客様のケースを適切な販売担当者またはサポート・エージェントとペアにして、従業員の時間を節約し、より有益なお客様との対話を促進します。ロボティック・プロセス・オートメーションにより、管理タスクと一般的な解決策が自動化されるため、エージェントは、スキルの構築とお客様とのコミュニケーションのパーソナライズに集中できるようになります。そして2021年、SlackはIBMのCustomer 360変革に不可欠な存在になりました。IBMは世界最大のSlackの顧客であり、SlackとCustomer 360を統合する価値を初めて実証しました。

IBMではSlackを「DigitalHQ」として使用することで、従来のEメール・ベースのコミュニケーションのノイズを削減しています。SlackとCustomer 360の統合の目的は、企業全体でエンドツーエンドのコラボレーションを促進することです。Slackの高速なメッセージング・システムは、IBM従業員、パートナー、およびお客様の間の透明性を高め、チャネルの作成を通じてより深い交流を促します。Slackはまた、多くの同業他社や競合企業がオフィス内、リモート、およびそのハイブリッドの作業モデルに適応するために躍起になっている今、IBMに競争力を与えています。

2017年以降、IBMとIBM Consultingのエキスパートは、30,000人以上のIBM顧客サービス部門および販売部門のユーザーをSalesforce Customer 360プラットフォームにオンボードしてきました。IBMのCustomer 360の実装とIBM Watsonの統合により、デジタル、データ主導、サービス重視の未来に向けて、組織が強化されました。

IBMのロゴ

IBMについて

IBMは、クラウド・プラットフォームとコグニティブ・ソリューションのリーディング・カンパニーです。IBMは、世界170カ国でお客様にサービスを提供する282,000人以上の従業員を抱える、世界最大のテクノロジーおよびコンサルティング企業です。

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2022年7月

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記載されている性能データとお客様事例は、例として示す目的でのみ提供されています。実際の結果は特定の構成や稼働条件によって異なります。本書に掲載されている情報は現状のまま提供され、第三者の権利の不侵害の保証、商品性の保証、特定目的適合性の保証および法律上の瑕疵担保責任を含むすべての明示もしくは黙示の保証責任なしで提供されています。IBM製品は、IBM所定の契約書の条項に基づき保証されます。