Business Challenge

お客様へいつでも時間通りに必要な予備部品をお届けするために、FleetPrideは円滑に運用できる広範なサプライ・チェーンを必要としています。どうしたらスムーズなサプライ・チェーン運用を維持できるか、課題を感じていました。

Transformation

FleetPrideは Cresco Internationalと提携して、IBMのアナリティクス・ソリューションを展開し、運用を根底から変えるような洞察をサプライ・チェーンの管理者に提供しました。

Results

物流の最適化

スピードとコストを最適化するスマートな物流ネットワークの構築を促進

ビジネスへの貢献

在庫移動、人件費の節減、収益の増加を加速

99.5%

現在、倉庫での梱包作業の99.5%にミスがない

路上の障害を回避して効率性を向上

トラクターや配達用トラックから掘削機やゴミ収集車まで、作業に大型車両が欠かせない企業は無数にあります。このような企業は、大型車両に機械の問題が発生しても、予備部品の到着を長時間待っている余裕はなく、FleetPrideに多くの依頼が寄せられます。

FleetPrideのAdvanced Analyticsの責任者であるHomarjun Agrahari氏は語ります。「予備部品を一刻も早くお客様の元にお届けすることができるという点で、FleetPrideは競合他社とは一線を画しています。我々が販売する部品はどの小売店でも買えます。FleetPrideが大型車両のアフター・マーケット・チャネルにおいてナンバーワンである理由は、お客様が国内のどこにいても必要な時に適正価格で部品をお届けすることを確約しているからです。」

FleetPrideは、米国内に5つの地域物流センターを運営し、260を超える拠点で営業しています。「FleetPrideの広範な物流ネットワークと統合されたサプライ・チェーンは、私たちの成功にとって欠かせないものです。」とHomarjun Agrahari氏は語ります。「しかし、これほど広範で複雑なサプライ・チェーンを円滑に運用するには、絶えず努力が必要です。」

氏の説明によると、「脆弱な物流ネットワークが1カ所でもあると、サプライ・チェーン全体を台無しにしかねません。全体の効率性を下げ、お客様へのサービスに影響します。そのため、倉庫や物流のプロセス最適化に常に注意を払うことが極めて重要なのです。以前は、運用戦略の変更の効果を評価する標準化された基準はありませんでした。経験と直感に頼るしかなかったのです。」

 「サプライ・チェーン全体の効率性を改善するためには、戦略的意思決定に感性を含めず、データをもとに判断することが必要であると考えました。しかしながら、つい最近までは社内スキルが十分でなく、運用データを活用して洞察に変えるような優れたツールもありませんでした。」

サプライ・チェーン全体の効率性を改善するためには、戦略的意思決定に感性を含めず、データをもとに判断することが必要です。

Homarjun Agrahari氏(FleetPride Advanced Analytics責任者)

最先端のデータ分析で変革を加速

FleetPrideは、意思決定にあたって、倉庫や物流ネットワークの運用データを活用しなければならないことは認識していました。IBMビジネス・パートナーであり、ビジネス・アナリティクスのソリューションの経験豊富なプロバイダーであるCresco Internationalと連携し、IBM® Cognos® Analytics、IBM Planning Analytics(旧称IBM Cognos TM1®)、IBM SPSS® ModelerおよびIBM ILOG® CPLEX® Optimization Studioなど、IBMアナリティクス・ソリューション群を導入しました。

Homarjun Agrahari氏は続けます。「Crescoのチームは、導入の最初から最後まで、そしてその後も続けて、非常に頼りになる存在となりました。FleetPrideの新しいアナリティクスチームの技術的基盤を築いてくれただけなく、スムーズに利用開始できるように徹底したトレーニングも施してくれました。アナリティクスは社内チームの多くのメンバーにとって新たな事業であり、Cresco社が味方となってくれることを喜んで受け入れました。」

変革の第一歩として、FleetPrideはIBM Cognos Analyticsを使用して、倉庫の在庫・棚卸資産の日次レポートを設計し、配信するようにしました。これは、倉庫管理者に在庫水準と場所の全体像を提供し、お客様の需要を基に各アイテムをどこに保管すべきかを提案します。このような洞察を得て、管理者は、最も人気のあるアイテムを確実に搬出口近くに保管することで、倉庫スタッフの時間を節約し、生産性を上げることができます。

次に、FleetPrideはIBM SPSS Modelerを使用して、過去3年分の配送データから倉庫毎の出荷・入荷注文の数を、日ごと、週ごと、月ごとに予測するモデルを構築しました。これにより、 倉庫管理者が労務計画を調整し、いつでもお客様の需要に対応できるよう適切なスタッフの数を確保することが容易になります。

FleetPrideは、Cresco Internationalと緊密に連携し、IBM ILOG CPLEX Optimization Studioを利用して物流ネットワーク全体の最適化モデルを構築しています。

Cresco Internationalのデータ・サイエンスおよびアナリティクスのコンサルタントであるHaoming (Ryan) Tian氏は、このように語ります。「意思決定最適化ソリューションにより、FleetPrideは複雑な物流ネットワークの問題を解決し、制約ある中でも最適な答えを見つけることができました。」

FleetPrideのAdvanced Analytics責任者であるHomarjun Agrahari氏がこれに続けます。「CPLEXの力を借りて、物流ネットワーク全体で時間とコストを最小限にする最適な倉庫配置を割り出すことができます。このような洞察により、新しい倉庫の建設、あるいは購入を決定する際、FleetPrideのネットワーク構築戦略において大きな違いが現れます。

Haoming (Ryan) Tian氏が続けて語ります。「現在のFleetPrideは、統合された複数の分析テクノロジーを活用しています。IBM Cognos Analyticsは企業のレポーティング・プラットフォームとして稼働し、業務関係者は迅速に経営分析にアクセスし、判断することができます。また、IBM SPSS Modelerをデータ・マイニングや予測テクノロジーとして利用して、ビジネスのための今後の洞察を導き出し、記述的アナリティクスで特定した課題の解決に役立てる統計モデルを構築しています。最終的にはCPLEXが、IBM SPSSと連動して実際の制約の中で統計モデリングに基づいた最適なビジネス提言を引き出すこと、また、単独に機能してその他の最適化問題を解決することという二本立ての役割を担います。」

スマートで正確な意思決定のための詳細なレポートにより、どの管理者も最新の運用データに迅速かつ簡単にアクセスでき、サプライ・チェーン全体の効率性を上げることができます。

Homarjun Agrahari氏(FleetPride Advanced Analytics の責任者)

サプライ・チェーンの効率性の強化

適切なIBMアナリティクス・ソリューションの活用により、FleetPrideは運用データについて先例のない洞察を得て、サプライ・チェーン・マネジメントの取り組みを変革しています。

Homarjun Agrahari氏はこう語ります。「サプライ・チェーン全体を管理するために直感や読みなどに頼る必要はなくなりました。より正確な意思決定のための詳細なレポートにより、どの管理者でも最新の運用データに迅速、簡単にアクセスでき、サプライ・チェーン全体の効率性を上げることができます。
例えば、在庫の日次レポートにより、倉庫管理者は商品のレイアウトを最適化できるようになり、社員が関係のない保管エリアを無駄に歩き回る時間を削減しました。これで、倉庫全体の効率性と生産性が高まります。
一方で、SPSS Modelerで設計した配送予測モデルにより、スタッフの数もはるかに正確に管理できるようになり、確実に必要な数のスタッフだけを投入することができるようになりました。」

「毎日の入庫・出荷の配送を処理するためおおよそ何人のスタッフが必要か認識していれば、社員の残業時間を削減できます。かつては残業のコストはかなり大きな支出でした。今やスタッフ数をより正確に計画することができ、残業のコストはわずかとなり、かなりの節約ができています。」

彼は続けて語ります。「私たちがSPSS Modelerで設計した別のモデルでは、倉庫スタッフが間違った部品等を選んでしまう可能性を予測し、管理者の商品ラベル付けの簡素化を行うことができました。今や、梱包の99.5パーセントにミスがありません。これは特に貴重な洞察です。FleetPrideの提供する部品の多くはさまざまなサイズや形状で販売されるため、ほんの些細な配送ミスであってもお客様が車を迅速に修理ができなくなってしまうという事態を引き起こしかねません。
運用についての明白でデータ・ドリブンな洞察を得て、 FleetPrideはこれまで以上にサプライ・チェーンを効率的に運用できています。」

Haoming (Ryan) Tian氏は語ります。「Crescoの目標は、常にお客様と同じビジネスの理解を共有することです。すなわち、お客様のビジネス・アナリティクスと意思決定プロセスの最適化をいかに支援するかということです。FleetPrideと提携を進めるうち、お客様の環境は目まぐるしく変化していることが分かってきました。だから、私たちはお客様がより迅速に検討、対応できるよう、全力で支援しているのです。」

Cresco InternationalのPractice DirectorであるSanjeev Datta氏は、FleetPrideにアナリティクスの成熟への道筋を示すことに尽力したひとりですが、次のように語っています。「お客様は、私たちの業界知識と製品体験を信頼してくれています。高い投資収益率を実現する分析ソリューションの構築は、成功のための戦略とソリューションを提供して、信頼を勝ち取り卓越性を示すための段階的なアプローチがあってこそ行えます。Cresco社のチームは、技術力を駆使した取り組み、プロジェクトの提供、そしてすばらしいチーム・ワークを改めてFleetPrideに示したのです。」

Homarjun Agrahari氏はこのように締めくくりました。「IBMアナリティクス・ソリューションとCresco Internationalに支えられて、FleetPrideはサプライ・チェーンのパフォーマンスを向上し、同時に物流ネットワークもさらに洗練させていくことができていると胸を張って言えます。先進的なアナリティクス・ソフトウェアの活用により、お客様に部品を時間通りにお届けすることができます。お客様の車は運行を続けることができ、そしてお客様のビジネスも円滑な運用を続けることができます。」

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海外事例: FleetPride

FleetPrideは大型車両のアフター・マーケット・チャネルにおけるトラックやトレーラーの部品販売の北米で最大手の企業です。テキサス州アービングに本社を構え、45州に260カ所以上の拠点を運営し、全国的に認知されている400以上のブランドを取り扱っています。FleetPrideは、運輸・運送、リース・サービス、農業、外食産業、建築、廃棄物処理など多岐にわたる業種の多様なお客様の基盤としての役割を果たしています。

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IBMアナリティクスが データを活用して業界や職業の変革を支援する手法について詳細は、ibm.com/analytics/jp/ja/にアクセスしてください。