Brownells Inc.社は、厳格で変動的な銃器業界の規制に加え、eコマースの利便性に対して高まる一方の顧客の期待に素早く適応する能力を必要としていました。

Brownells社とIBMビジネス・パートナーのSalient Process社は、ビジネス・ルールを最適化するために IBM Operational Decision Managerソフトウェアを導入しました。

銃器は米国内で特に規制が厳格な産業の1つです。ルールの数が多いうえ施行も厳格で、アルコール・タバコ・火器および爆発物取締局による抜き打ち調査があります。違反した場合、最大100万米ドルもの罰金が科される可能性があります。規制は頻繁に改正され、州ごとに異なるため、コンプライアンスの対象は流動的です。

規制準拠に加え、顧客の高まる期待も同社の両肩にのしかかっています。Brownells社でテクノロジー担当ディレクターを務めるCurt Graff氏は次のように語ります。「eコマースの利用者は、注文したら翌日には荷物が配達されるものと考えています。規制産業では多くの場合、そう単純にはいきません。また、当社のeコマース・サイトはルールに関して伝統的なビジネス方式に対応していないため、オンラインから発注するお客様に、規制により注文を出荷できないと伝えなければなりませんでした。柔軟性と適応力を高める必要がありました」

Brownells社は、IBMビジネス・パートナーであるSalient Process Inc.社のIBM認定担当者と協力して、IBM Operational Decision Managerソフトウェアを導入しました。認定担当者は、要件収集過程で主導的役割を果たしてから、このソフトウェアをまずオンプレミスで実装し、最終的にクラウドのサービスとして実装する過程ではBrownells社の支援に回りました。

Operational Decision Managerはオンライン注文処理などの顧客手続きを中心とするプロセスを制御するビジネス・ルールを取得、自動化、管理します。Graff氏は「ビジネス・ルールは競合他社との最終的な差別化方法」とし、Operational Decision Managerソフトウェアは各規制品目を社内のルールエンジンを通じて処理する、一種のクリアリングハウスに例えます。

Brownells社は現在、ほぼリアルタイムで顧客にフィードバックを提供しています。実際に、規制対象品目の処理量は300％近く増加し、顧客の待ち時間は200％短縮しています。Graff氏は「Webサイトでの顧客体験は向上しており、購入可能な製品が明確になっている」と現状を語り、将来的には、顧客の所在地に基づいて購入できない品目は表示されないようにフィルタリングするIBMソリューションを導入する計画だと説明します。

この計画には、Operational Decision Managerソフトウェア環境にアプリケーション・プログラミング・インターフェース（API）を公開し、銃器業界の他企業が最新の規制情報にアクセスするサービス型チャネルの提供も含まれるとGraff氏は語ります。

「目指しているのは厳格な規制が適用される小型荷物品目で定評あるサプライヤーとなることです。この目標を達成するうえで、Operational Decision Managerは重要な役割を担うことになります。利用者が解決策を求める場所になることを望んでいます」（Graff氏）。

1939創業のBrownells Inc.社（ibm.com外部へのリンク）は、銃器、アクセサリー、拳銃部品、ガンスミス用工具、サバイバル装具、アーチェリー製品のサプライヤーであり、ガンスミス、銃器所有者、法執行機関、軍事組織を顧客基盤とします。アイオワ州モンテズマに本社が、同州グリネルに2つ目の施設があります。受注数は年間100万件を超えます。