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Banco de Brasília S.A.銀行
Banco de Brasília S.A.銀行(BRB)では、業務の自動化や、各種プラットフォームの統合、サーバーおよびサービス全体のデータや統計の監視を目的としたメインフレームの監視インフラストラクチャーの改善を必要としていました。同行は2018年半ばにハイエンド・プラットフォーム・システムのIBM® z15メインフレームへの移行を終え、非常に安全でアジャイルなハイブリッド・マルチクラウド対応インフラストラクチャーの提供を700万人超の顧客に開始しました。まだ初期段階にあったこの新しい環境の監視は、数個の指標に限定されていました。
同行は以降、この環境の監視に役立つプロセスやツールの改善を図り、すべての関係者が利用できるようにするとともに、ハイエンド・プラットフォームの環境の機能の仕方に関する情報、特にその性能と可用性に関する統計情報の共有に日々努めてきました。ハイエンド・プラットフォームとローエンド・プラットフォームにおける監視プロセスとツールが統合されていなかったため、 Grafana(ibm.com外部へのリンク)の導入により大幅に改善されたのはローエンド・プラットフォームのみでした。そのため、監視におけるハイエンド・プラットフォーム環境の進化の必要性が際立つ結果となりました。
この状況を考慮した際に浮き彫りになったのが、すでにローエンド・プラットフォーム用に設計された監視プロセスにメインフレームの監視プロセスの統合するという課題です。プロセスを統合することで効率化を図れるほか、インフラストラクチャーの性能を高め、セキュリティを強化することが可能となります。
このニーズに対応するため、IBMの監視チームは同行のメインフレーム・インフラストラクチャー・チームと協力し、IBM® Tivoli Enterprise Portalの使用などいくつかの措置を講じ、BRBがメインフレームをより積極的に監視できるようにするダッシュボードが作成されました。
IBMチームはこのプロジェクトの一環として、IBM® Z Service Management Suiteに含まれているIBM® OMEGAMON Data Providerのインストール・設定に必要な知識とサポートを提供しました。この際に提供したサービスでは、リアルタイム監視、 IBM® z/OSの監視エージェントからのデータ収集の設定、z/OS、IBM® CICS Transaction Server、IBM® Db2、IBM MQのほか、ストレージ、ネットワーク、Javaコンポーネントに関する情報のElasticsearch/Grafanaプラットフォームへの送信、およびダッシュボード形式での情報の作成・利用、ならびに履歴データの収集に重点が置かれました。
BRBは過去に、Db2アーカイブ・ログを保存するためのストレージ・プールのスペースが不足し、メインフレームのバッチおよびオンライン・サービスが利用できなくなるという問題に直面していました。このため、ストレージ・プールが通常の予想を超えて増加している場合、これをITOPおよびDb2管理者に通知する必要がありました。モニター・チームは、OMEGAMON for Db2 Performance Expert on z/OSのエージェント機能を使用して、Db2アーカイブのストレージ・プールを監視するアラートを有効にしました。数週間後、似たようなDb2ストレージのイベントが発生しました。ただし、今回はサポート・チームが早い段階で迅速にアラート通知を受け取ったので、Db2 on z/OSの停止の回避に向けた対応策を講じる時間がありました。現在、BRBはElasticsearch/Prometheus/Grafanaツールを通じ、メインフレームと分散環境の全体像を提供する高度な統合型オブザーバビリティー・ダッシュボードの作成に成功しました。
このプロジェクトの成功において中心的な役割を果たしていたのが、OMEGAMON Data Providerです。OMEGAMON Data Providerでは、ローエンド・サーバーと同じリソースとプロセスを使用し、メインフレームの運用指標と統計の視覚化を専門的に行うことができました。OpenSearch、Zabbix、Grafanaは、発生源がメインフレームかロープラットフォームを問わず、稼働させた瞬間から、異常が発生した場合にすべての監視情報と自動アクションをそこに集中させることができました。
IBMとの協力を通じてメインフレームの監視インフラストラクチャーを強化するというBRBの取り組みは、大きな利益を同行にもたらしました。メインフレームの監視をローエンド・プラットフォームのプロセスと統合することで、業務効率の向上、インフラストラクチャーの性能の改善、セキュリティ対策の強化を実現しました。IBM Tivoli Enterprise PortalやOMEGAMON Data Providerなどの高度監視ツールは、同行の技術ランドスケープ全体に対するリアルタイムの洞察を提供し、事前対応型の監視と潜在的な問題を迅速に解決可能にします。この技術的アップグレードは、700万人超の顧客に対して銀行業務に関するシームレスなエクスペリエンスを保証するだけでなく、このデジタル時代に安全で効率的な金融サービスを提供するというBRBの取り組みを強調するものでもあります。
1964年12月10日設立のBRB(IBM.comの外部へのリンク)は、連邦直轄区の自治体が大株主となっている半官半民資本の企業です。1991年に、商業、外国為替、開発、不動産のポートフォリオを傘下に持つ複合サービス銀行となりました。BRBは従業員3,280名、インターン450名、従業員見習い120名、外部委託労働者705名を有しており、合計で4,500名超の雇用を創出しています。卓越したカスタマー・サービスの提供に重点を置いて運営されており、現在、1,082点のサービス・ポイントを保有しています。また、ブラジルの首都である連邦直轄区に加え、ブラジル国内の9つの州でも事業を展開しています。
© Copyright IBM Corporation 2024.IBM、IBMのロゴ、Db2、CICS、IBM Z、OMEGAMON、Tivoli、z15および z/OSは、米国およびその他の国または地域におけるIBM社の商標または登録商標です。本書は最初の発行日時点における最新情報を記載しており、IBMにより予告なしに変更される場合があります。IBMが事業を展開している国または地域であっても、特定の製品を利用できない場合があります。
引用または説明されているすべての事例は、一部のクライアントがIBMの製品を使用し、達成した結果の例として提示されています。他の運用環境における実際のパフォーマンス、コスト、節約、またはその他の成果は異なる場合があります。