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サステナビリティーは変革を引き起こす「カタリスト」である

先駆者はサステナビリティー戦略を実行し、収益成長率を向上させている

サステナビリティーは、すでに企業の最重要課題となっており、炭素排出量実質ゼロ(ネットゼロ・カーボン・エミッション)の目標を設定する経営層は、調査対象者の73%に上った。企業の経営層や取締役会には、サステナビリティーを経営課題の最重要項目に据えるよう、顧客や従業員、投資家、ビジネス・パートナー、および政府から圧力がかかるようになっている。

実際、IBM Institute for Business Value(IBV)が最近実施した世界規模の消費者調査では、回答者の3人に2人以上が環境問題を個人的に非常に重要だと回答した 。またそのためには、消費行動を自ら進んで変えると答えている。

一方、日本においてIBM Future Design Lab. が実施した調査でも、回答者の3 人に2 人以上(73%)が環境問題や自然災害の脅威に関心があると回答し、グローバルと共通する傾向が確認された。

企業もその点に注目している。調査対象企業のうち、環境サステナビリティーを現在の最優先課題と見なす企業は全体の39%だった。また今後3年間の最優先課題の1つと考える企業になると、53%に及んだ。

サステナビリティー戦略を掲げる企業は86%にもなるが、その戦略を行動に移す企業は35%にすぎない。

しかし口にするのと、行動や結果とは別物である。真に持続可能な企業になることは、決して容易なことではない。サステナビリティーを最優先課題と考えている企業のうち、サステナビリティー目標の達成に効果を挙げている企業は50%にすぎなかった。サステナビリティーは、もはや片手間で手に負えるような目標ではなく、達成するためには企業は自らを変革しなくてはならない。

IBVは、企業経営層がサステナビリティーにどう取り組んでいるのかを理解するために、Oxford Economicsと協力して、さまざまな製造業の1,958人の経営層を対象に調査を実施した。これらの経営層は、世界32の国において、自社のサステナビリティー戦略の策定または実行に深く関わっている。

重要なのは、組織としてサステナビリティーに対し強くコミットし、実行力を兼ね備えることだ。企業はサステナビリティー思想をDXに組み込むことで、経営目標と環境成果を同時に遂行できるWin-Winの状況を生み出せるようになる。

そのうち13%の経営層が先駆者として、環境サステナビリティーを企業戦略の中心に据えながら、サステナビリティーとDXの統合を推進している姿が、今回の調査で浮かび上がった。

 視点:日本におけるサステナビリティーに対する意識
IBM コンサルティング事業本部が行った調査の結果、1年前まで、日本においては、サステナビリティーに関して「経営層の理解が得られない」といった課題が多く聞かれたが、 最近では一歩進んで、具体的な戦略策定や施策の実行へと、 課題感が移行している。まさに、「会議よりも行動を」へ歩を進めていると期待したい。

日本におけるサステナビリティーへの意識 (2021年12月調査時点):
昨年末に、企業担当者に実施したアンケートでは、僅かではあるが具体化に向けて前進している様子も見られる

レポートより抜粋、日本独自インサイト

 

商機としてのサステナビリティー

先進的な企業がどのようにサステナビリティーを実現しているのかを理解するために、3つの基準により回答者を分類した。
 

  • 取締役会や経営層の各メンバーが、どのようにサステナビリティーに取り組んでいるかを評価する、サステナビリティー・コミットメント
  • 環境領域のサステナビリティー実現に関するビジネスプロセスが、競合他社に比してより機能しているか、というサステナビリティーの有効性
  • サステナビリティー戦略を、企業がいかにDXとIT戦略に組み込んでいるかを評価するサステナビリティーの統合

これら基準により、企業のサステナビリティーへの取り組みを4つのタイプに定義することができる。「傍観者」(全体の40%)は、取締役会・経営層レベルで、サステナビリティーに対する強いコミットメントが欠けている。「停滞者」(38%)は、取締役会・経営層レベルでコミットメントはあるが、環境サステナビリティーを効果的に実行できていない。「努力家」(10%)は、コミットメントと実行はあるが、DXにサステナビリティー活動を組み込んでいない。

サステナビリティーの先駆者の70%は、サステナビリティー目標を推進するためにハイブリッドクラウドを利用している。

「先駆者」(13%)は、サステナビリティーの実行にコミットし、効果を挙げている。またサステナビリティー活動をDXに積極的に組み入れている。このタイプは、二酸化炭素削減量で効果をあげていることを見ればわかるように、競合他社と比較して、環境成果を達成する能力が際立っている。さらに収益成長率の面でも、優れた業績をあげている。

サステナビリティーはビジネス価値を向上させる: 「先駆者」の収益成長率は高い

「先駆者」が卓越する6つの領域など、詳細はレポートをご覧ください。


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著者について

Manish Chawla

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, General Manager, Global Industrial Sector and Chemical, Petroleum, and Industrial Products Industries, IBM Consulting


Jacob Dencik, Ph.D

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, Global Economic Research Leader, IBM Institute for Business Value


Spencer Lin

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, Global Research Leader, Chemicals, Petroleum, and Industrial Products, IBM Institute for Business Value


Wayne S. Balta

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, Vice President, Corporate Environmental Affairs, Product Safety and Chief Sustainability Officer


大塚 泰子(日本語翻訳監修)

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, 日本アイ・ビー・エム株式会社 IBM コンサルティング事業本部 戦略コンサルティング パートナー

発行日 2022年3月1日

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