2023 CDO Study:データから価値を創造する発行日 2023年7月26日
発行日 2023年7月26日
最高データ責任者(CDO)が切り開く道は二つとして同じではない。だが、その中には優れた成果を上げているCDOが存在する。
CDOのうち8%は他のCDOより少ないコストで大きな効果を生み出している。その方法とは?スタディの概要を聴く
先進的CDOは他のCDOと比べて、データ戦略・管理のコストを抑えながら、同等以上の年間収益成長を達成している。その行動と選択の軌跡をたどれば、他のCDOはさまざまな学びを得ることができる。
43%
先進的CDOはイノベーションの取り組みで、他のCDOを43%上回る実績を上げている
9%
先進的CDOの企業は、データの資本化・収益化で他のCDOの企業を9%上回っている
7%
優れた実績を持つCDOが先進的な取り組みを進める企業は、収益成長率が7%高い
この取り組みは見習う価値がある。本レポートはこのCDOの先駆的なグループを「データ価値創造型」と呼ぶ。他のCDOに比べデータROI(投資利益率)の向上に対して責任を負うケースが50%多く、イノベーションの成果では40%上回る。
→ 参照:IBMのCDO、Inderpal Bhandariによる説明。「データ基盤の最適化がいかにESG(環境・社会・企業統治)戦略を成功に導くか」
IBM Institute for Business Valueは2023年に世界のCDO 3,000人を対象とするインタビューを実施した。その結果に基づき、組織がデータを一体的に活用してインサイト(洞察)を導き、ビジネス変革を実現するために、CDOがどのように取り組めばよいかを明らかにした。本レポートによって、次のような疑問が解消されるだろう。
Carruthers and Jackson社、CDO兼最高アナリティクス責任者(CAO)
企業によっては、データに対して「細かい説明は無用、資金は惜しまないから結果がほしい」というアプローチを取り、桁違いの価値創出を求め多大な投資に乗り出すところもある。このアプローチ自体は間違いというわけではない。荒っぽいやり方ではあるが、取り組みを前に進めることはできる。だが、今回の調査によると、より良い方法がある。
具体的には、CDO全体の8%を占める先駆的なエリート・グループの存在だ。こうしたCDOの企業は収益に占めるデータ対策費の比率は他社より低いものの、他社と同等以上のビジネス価値を創出している。本レポートはこうしたCDOを「データ価値創造型」と呼ぶ。データをビジネス価値につなげる道筋が明確化できているためだ。
そのような先進的CDOを差別化する4つの要因を以下に記す。
他のCDOに比べ、データ価値創造型CDOがデータROIの向上に対して責任を負う可能性が50%高いとしても、驚くに値しない。最終利益へ成果を直結させてほしいとの期待があるためだ。CEOに直属しているケースも多いだろう。
興味深い点は、こうしたデータ価値創造型CDOが、輝かしい「ビッグバン」の実績を積み上げてきたわけではないということだ。
むしろ、その対極にある、綿密に練り上げた地道な活動を重視している。新規投資から変化を生む種まきを第一に考え、その投資から価値を創出するために「どういう理由で(why)」「どうやって(how)」実施するのかを入念に計画する。さらに、最も重要な点として、社内外の最適なパートナーを開拓する際にビジネス部門と足並みをそろえている。
- ROIの算出は早期に高頻度で行う
- データを使った新しい方法で成果の追跡と報告を行う
- データ・リテラシーでチーム能力を強化する
- 自動化された意思決定のための閾値を明確に定義する
- データを通じて価値創出の新たな源泉を追求する
- AIを利用して意思決定の質向上と迅速化を図る
- 収集データの処理に適したデータ・プラットフォームを構築する
- データに関する法規制順守と標準準拠
- 高度な予測分析を利用する
- サイバーセキュリティーの脅威に関する情報を共有する
- 透明性と可視性を確保して連携する
- 重要な人材とスキルを相互に活用する
- ROIの算出は早期に高頻度で行う
- データを使った新しい方法で成果の追跡と報告を行う
- データ・リテラシーでチーム能力を強化する
- 自動化された意思決定のための閾値を明確に定義する
- データを通じて価値創出の新たな源泉を追求する
- AIを利用して意思決定の質向上と迅速化を図る
- 収集データの処理に適したデータ・プラットフォームを構築する
- データに関する法規制順守と標準準拠
- 高度な予測分析を利用する
- サイバーセキュリティーの脅威に関する情報を共有する
- 透明性と可視性を確保して連携する
- 重要な人材とスキルを相互に活用する