ハイブリッドクラウドでビジネスを加速する  

業績を向上させ変革を成し遂げるためには、企業はIT環境全体でソフトウェアとデータを安全かつ大規模に、そして迅速に活用できるようにしなければならない。それを実現する手段がクラウドだ。特に大企業にとっては、実現に向けて乗り越えるべき壁はさらに高くなる。

データ・グラビティーやセキュリティー、規制要件に加えて、複雑化した基幹システムの課題を考慮すれば、変革を目指す企業に求められるのは、こうした状況への対応を可能にするハイブリッドクラウドだ。これは複数のインフラを組み合わせたソリューションで、具体的には従来型データセンターやメインフレーム、複数のクラウド（プライベートおよびパブリック）、SaaS（ネット経由でサービスとして利用できるようにしたソフトウェア）アプリケーション、エッジで実行されるアプリケーションおよびデータなどが含まれる。

ハイブリッドクラウドによるアプローチを実用化すれば、複数クラウドにまたがって「アプリケーションを一体的に動かす」「データを安全に移行する」「ビジネス・プロセスやワークフローを改善する」ことを可能とする。さらに、巨大クラウドを構成するさまざまな要素を、まとまった単一のファブリック（布・織物：必要なすべてのシステム要素が織り込まれたもの）として、シンプルな形で統合する。

しかし、ハイブリッドクラウドを導入するだけでは十分でない。実現できるメリットであるITランドスケープの簡素化と統合を達成するためには、企業はハイブリッドクラウドを使いこなす必要がある。

ハイブリットクラウドを使いこなすことで、明快で力強いビジョンに基づきクラウド資産の統合を実現する

ハイブリッドクラウドを使いこなすことで、以下の4つのメリットが享受できる。

• アプリケーションがいったん構築されると、どこでも展開できる
• アプリケーションがいったん本番運用段階（テスト済の活用段階）に至ると、どこにでも移行が可能となる
• スキルをいったん身につけた人財はどこにでも配置できる
• 技術を共有してあらゆる領域のイノベーションに活用することができる

クラウド導入では、投資効果が現れる前に勢いが失速する事態にしばしば遭遇する。せっかく導入に着手しても、中途半端で終わってしまえば、業績改善から見たROI（投資利益率）が導入コストを上回ることはできない。

ハイブリッドクラウドの導入が期待通りに進まない理由は数多いが、どの現場でも共通する問題がある。それはハイブリッドクラウドの複雑性だ。

ただ、すべての課題と同様に複雑性も解消する手だてはある。
IBM Coslutingは世界中の顧客と協力し、ハイブリッドクラウドによる価値創出への道のりを妨げる5つの共通課題を特定した。

1. アーキテクチャーの課題：導入した複数のクラウド資産を個別管理している
   ハイブリットクラウドを使いこなすことで、明快で力強いビジョンに基づきクラウド資産を統合することが可能となる。ハイブリッドクラウド・プラットフォーム・アーキテクチャーを構築することで、複数環境にまたがるクラウド・サービスの在り方が明確になる。
2. 人財と運用の課題：サイロ化された業務ごとに人財が分散されている
   ハイブリットクラウドを使いこなすことで、クラウドに精通したクリエイター集団が育ち、新たなワークフローの下でサイロから解放されて、プラットフォーム全体にわたり効率的かつ効果的に最高の仕事ができるようになる。こうして単一のハイブリッドクラウド運用モデルへの進化が導かれる。
3. セキュリティーの課題：マルチクラウド環境ではセキュリティー上の攻撃対象領域が広がるリスクがあり、障害が発生しやすくなる。 
   ハイブリットクラウドを使いこなすことで、事業方針の遂行を制御するセキュリティー・プログラムの一体化が促進される。セキュリティー・リソースが最適化され、セキュリティー優先の企業文化が醸成される。 
4. 財務の課題：クラウドごとに経費が管理されている 
   ハイブリットクラウドを使いこなすことで、すべてのクラウド・コストを一元管理して、コストの最適化とリソースの再配分を図ることが可能となる。
5. パートナー・エコシステムの課題：個々のパートナーとの契約を個別に管理している
   ハイブリットクラウドを使いこなすことで、すべてのパートナーが自発的にエコシステムに集まり、同じ戦略の下で団結して成功を目指すことが可能となる。

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これらの課題に対処するために、企業が即座に対応できる実用的な方法を是非ご覧ください。