CEOの視点:変革を起こす覚悟 - トップ主導のSXが企業価値を向上させる

発行日 2022年8月1日

CEOにとって、サステナビリティーとは何でしょうか。環境への配慮が、なぜ企業に長期的な成功をもたらすのでしょうか。いつ行動を起こすべきなのでしょうか。サステナビリティーの今を問います。


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発行日 2022年8月1日

37%

2022年と2021年調査結果を比較して、サステナビリティを最優先事項として評価したCEOは37%増加した

83%

今後5年間にサステナビリティへの投資によって業績が向上すると予想したCEOは83%であった

57%

ROIと経済的利益が不明確であると回答したCEOは57%であった

時代の転換点を迎えて

企業と利害関係者の間ではここ数年、「サステナビリティーの取り組みにおいて、ビジネスはどういう役割を果たすべきか」を巡って関心が徐々に高まっていた。しかしながらこの一年で、事態は一変した。CEOは、サステナビリティーに対して「関心がある」というだけでは済まなくなり、具体的なアクションを迫られている。パンデミックをはじめ、社会・経済の混乱が次々と押し寄せる中、経済活動をどう進めるのか、ビジネスでは何を優先するのか。これらの問いに対して、これまでにない新しいアプローチを社会全体が求めている。

37%

2022年と2021年調査結果を比較して、サステナビリティを最優先事項として評価したCEOは37%増加した

83%

今後5年間にサステナビリティへの投資によって業績が向上すると予想したCEOは83%であった

57%

ROIと経済的利益が不明確であると回答したCEOは57%であった

IBM経営層スタディ・シリーズのCEOスタディ最新版では、世界で活躍するCEO 3,000人を対象にインタビューを行った。その結果、サステナビリティーが企業の主要な経営課題に急浮上していることが明らかになった。その重要性にいち早く着目し、計画づくりに取り組んできたCEOは意を強くするだろう。一方で、ほとんどのCEOはアクションを急ごうとして現実の壁に突き当たる。サステナビリティーを推進しようとする強い意欲があっても、目に見える成果を出すのは口で言うほど簡単ではないからだ。

高まる緊急性
CEOはさまざまな利害関係者からアクションを求める圧力が高まっていることを認識している。一方、利害関係者からは「企業は言葉ばかりで行動が伴っていない」という、いら立ちの声も聞かれる。
課題解決のために
サステナビリティーの課題解決に効果的に取り組むためには、信念、強い技術基盤、そしてオープン・イノベーションが必要となる。
確実に利益をもたらす
CEOがサステナビリティーとデジタル・トランスフォーメーションを統合できている企業は、営業利益の平均が他社よりも高い。
「それはCEOから始まる。気候変動とESG投資がきっかけとなるのは確かだ。ごまかすことなどできない。特に若い社員にはすぐに見破られるだろう」
Guy Cormier氏
— デジャルダン・グループ(Desjardins Group) 会長兼社長 CEO
サステナビリティーがビジネスの未来をどれほど左右するか、Guy Cormier氏による解説をお聞きください
トランスフォーメーショナル・サステナビリティーとは何か?

トランスフォーメーショナル・サステナビリティーは、企業戦略の一環としてサステナビリティーを組み込むことから始まる。つまり、サステナビリティーを一般的な取り組みの1つとしてではなく、企業価値の中核として推進するということである。この取り組みに積極的なリーダーは、企業の主要機能を再編する機会として活かすことを考えている。さらに、サステナビリティーが新たなビジネスモデルを定義し、社会的ニーズに応える触媒になると捉えている。この取り組みを通じて、デジタル技術を業務全般で戦略的に活用して、サステナビリティーの成果を生み出すとともに、経済的機会を拡大することができる。

期待される効果
80%以上のCEOは今後5年のうちにサステナビリティーへの投資でビジネス成果の向上が見込めると回答している。
IBM Institute for Business Value
「私が入社した当時は、製品を製造し、投資家にリターンをもたらすことが目的だった。現在では、ESGは私たちのすべての行動の絶対的な一部であり、環境(“Environment”)への影響を理解する “E” に大きな重点を置いている」
Meg O’Neill氏
— ウッドサイド・エナジー・グループ
Listen to Meg O’Neill on how petroleum is embracing sustainability.
評価から変革へ - CEO
の4つの類型

CEOはサステナビリティーの目標が、誰にでも達成できるほど簡単ではないことを知っている。しかし、実際に成果を上げている企業もある。その違いは何か。明確な差別化要因のひとつは、戦略だ。明確に定義されたサステナビリティー戦略を持ち、献身的なリーダーを持つ組織は、変化する規制やステークホルダーの態度、期待にうまく対応することができる。

CEOに組織のサステナビリティー投資の特徴を尋ねたところ、サステナビリティーに関連する優先事項・行動・能力・成果の範囲において、いくつかの明確な違いがあることがわかった。その結果、CEOには4つの類型があり、それぞれが特徴的なサステナビリティのアプローチを持っていることが判明したのである。

変革型
企業の戦略的分野で変革を実現するために投資を行っている
  • 自社のパーパス(存在意義)やオープン・イノベーション、エコシステムに基づきサステナビリティーに取り組んでいる
  • ビジネス機会としてのサステナビリティーを重視している
  • ハイブリッドクラウドとテクノロジーを活用して価値創造の在り方を再構築している
オペレーション重視型
中核・非中核領域を問わずビジネスにサステナビリティー投資を導入
  • 効率性の向上を目的としたサステナビリティーの推進
  • 事業改善に注力
  • スマート・テクノロジーを使い、個々のプロセスを最適化
コンプライアンス重視型
規制や義務を順守するための投資を実施している
  • 規制に基づきサステナビリティーに取り組んでいる
  • 組織の報告とコンプライアンスを重視している
  • テクノロジーを活用しモニタリングを実施している
現状維持型
サステナビリティーへの投資は今まで実施していない
  • サステナビリティーに取り組むプレッシャーを感じている
  • サステナビリティーをコストとして認識している
  • テクノロジーやスキルのギャップが課題とされている
アクションガイドを参考に、トランスフォーメーショナル・サステナビリティへの一歩を踏み出しましょう。
自社のサステナビリティーを巡る課題に対して自らの責務を全うする
  • サステナビリティーの追求へ積極的に取り組む
  • サステナビリティー実現へのストーリーを描き、それが自社にとって大変重要な機会であると表明する
自社の技術基盤を構築・維持する
  • オープンで相互運用可能なテクノロジーへ投資し、全社的にデータ・ソフトウェアの採用やイノベーションを大規模かつスピーディーに進める
  • 「組織化」「連携」「共創」「アジリティー」「情報に基づく意思決定」のため、技術およびデータの基盤とガバナンスを構築する
従業員や人財の参加を促す
  • 実践スキルや専門性の高いパーパス・ドリブンな(存在意義を重視する目的意識の高い)人財を引き付け、定着させる
  • サステナビリティーの推進策を立案・実施するにあたり積極的に従業員を巻き込む
サステナビリティーを全社共通の関心事として取り組む
  • 社内の主要な部門やラインの責任者を巻き込んで協力体制を敷き、皆で説明責任を共有するよう徹底する
  • 社内の中核部門においてサステナビリティーに対するマインドセットを醸成し、全社でサステナビリティーの向上を図る
エコシステム・パートナーとのコラボレーションの機会を追求する
  • 共通のサステナビリティー目標の達成に向けて、主体的にエコシステムを構築し、パートナーの参加を促す
  • パートナーと力を合わせ、オープン・イノベーションを推進することにより、インサイトの創出や推進策の立案、取り組み効果の拡大を後押しする
課題へ十分備え、常に成果を出すことに集中する
  • 透明性、長期的目標、新たな価値の源泉に重きを置いた数値や指標を定め、追跡する
  • 「Think big, start small」(志は大きく、スタートは小さく)の精神を持ってスピーディーなスケールアップを心がけ、それによってサステナビリティーの価値を示し、主要な利害関係者から支持を得る
自社のサステナビリティーを巡る課題に対して自らの責務を全うする
  • サステナビリティーの追求へ積極的に取り組む
  • サステナビリティー実現へのストーリーを描き、それが自社にとって大変重要な機会であると表明する
自社の技術基盤を構築・維持する
  • オープンで相互運用可能なテクノロジーへ投資し、全社的にデータ・ソフトウェアの採用やイノベーションを大規模かつスピーディーに進める
  • 「組織化」「連携」「共創」「アジリティー」「情報に基づく意思決定」のため、技術およびデータの基盤とガバナンスを構築する
従業員や人財の参加を促す
  • 実践スキルや専門性の高いパーパス・ドリブンな(存在意義を重視する目的意識の高い)人財を引き付け、定着させる
  • サステナビリティーの推進策を立案・実施するにあたり積極的に従業員を巻き込む
サステナビリティーを全社共通の関心事として取り組む
  • 社内の主要な部門やラインの責任者を巻き込んで協力体制を敷き、皆で説明責任を共有するよう徹底する
  • 社内の中核部門においてサステナビリティーに対するマインドセットを醸成し、全社でサステナビリティーの向上を図る
エコシステム・パートナーとのコラボレーションの機会を追求する
  • 共通のサステナビリティー目標の達成に向けて、主体的にエコシステムを構築し、パートナーの参加を促す
  • パートナーと力を合わせ、オープン・イノベーションを推進することにより、インサイトの創出や推進策の立案、取り組み効果の拡大を後押しする
課題へ十分備え、常に成果を出すことに集中する
  • 透明性、長期的目標、新たな価値の源泉に重きを置いた数値や指標を定め、追跡する
  • 「Think big, start small」(志は大きく、スタートは小さく)の精神を持ってスピーディーなスケールアップを心がけ、それによってサステナビリティーの価値を示し、主要な利害関係者から支持を得る

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