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THINK Business

クラウド + 自動化 + IBM = お客様が求める変革の実現

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みずほフィナンシャルグループのグループ会社である資産管理サービス信託銀行 (TCSB)は、人手がかかる事務作業の効率化という課題に対して、IBM Watson™️のVisual Recognition と OCR を適用したソリューションを活用。クラウド環境でアジャイル手法によって開発、短期間でデリバリーすることで、その課題が大きく改善しました。AIとクラウド。最新技術の活用による結果ではありますが、「お客様業務を熟知する」という IBM の DNA があったからこそのソリューションです。

成瀬 直樹
日本アイ・ビー・エム株式会社 GBS プロダクト・マーケティング

みずほフィナンシャルグループでは、持続的な競争優位性の確立と顧客サービスの向上を目的に「オペレーショナルエクセレンス (卓越した業務遂行力)」が実施されています。しかし、資産管理サービス信託銀行 (TCSB) においては、事務作業の多くが人手によるもので、それが「効率化」と「高品質化」の阻害要因となっていました。今回のプロジェクト対象である「証拠金照合業務」は、機関投資家と証券会社間のデリバティブ取引で発生する証拠金の残高照合業務ですが、これも紙を使った手作業により、毎日 4人の熟練担当者が2時間かけて行っていたそうです。そのため、取引が拡大し作業量が増加していく中、一刻も早い業務効率化が課題となっていました。

そうした課題を抱えたお客様から受けた言葉「Watson を使って何とかならないか?」。この一言から、本プロジェクトが始まりました。

RPA 導入で「2時間×4人」が「10分×2人」に

当初は帳票の電子化が検討されていましたが、取引会社数が多いために開発コストが大きくなることや、従来型の OCR(光学文字認識技術)では十分な効果が期待できないという問題がありました。そこで着目されたのは AI による画像認識技術の活用で、検討の結果、IBM Cloud プラットフォーム上で、IBM Watson™️のAPIの一つである Visual Recognition (以下、Watson VR) と OCR 技術を活用した自動照合システムを導入されました。この結果、これまで 4人がかりで 2時間かかっていた照合作業が、 2人で 5~10分で実施できるようになったと高い評価を受けました。

AI、IoT、Cloud など、昨今の先進技術が実現するソリューションの一つとして、TCSB が導入したような RPA(Robotic Process Automation:ロボティック・プロセス・オートメーション)が注目されています。これまで人の介在を必要としてきた定型業務を自動化することにより、効率改善と同時に人間がより高付加価値の業務に専念することが可能になります。

今回の RPA の中心になったテクノロジーは、 Watson VR です。画像認識の技術自体は以前から存在し、多くのベンダーが提供していますが、SaaSの形で AI に必須である学習プロセスそのものをサービスとして提供するのが Watson 画像認識 API の特長です。画像が用意できればプログラミング無しで学習させることができます。

TCSB の今回の RPA の取り組みに関してもう一つ重要な点は、改善したい対象業務のみを抽出し、プロジェクト化できたことです。これまでの業務効率化プロジェクトは、全業務の棚卸と分類、業務量の分析を行った上、効率化が図れそうな領域を選定する網羅的なアプローチだったため、時間もコストも膨大になりました。最近の技術や開発手法の進化により、最も改善が必要な限定的な部分から素早くプロジェクトを実施することが可能になったのです。

新しい技術や業務インパクトをクラウドを活用して評価

従来のシステム開発は、要件定義・設計・開発・統合テスト・システムテストの各局面の Exit、Input を行いサービスインしていくウォーターフォール型で開発するため、当然ながら多大な時間と投資が必要になります。今回は短時間で「現場目線で最も改善が必要な部分にフォーカスして結果を出す」というお客様の要望に対応するため、アジャイル開発手法によって PoC (Proof of Concepts, 概念検証) を重ね、本格導入するというアプローチを採りました。

新規ビジネスの立ち上げや、新しい取り組みなどの有用性検討やリスク軽減のために、近年 PoC を実施する企業が増えています。PoC では、まずプロトタイプをつくり、実際に動かしてみて、短サイクルで評価と改善を繰り返します。今回のケースでも、約 1週間単位の反復開発により、帳票イメージからの取引会社の判別、OCR の最適な利用ケースの検証ほか、具体的な課題が 1つ 1つクリアされました。

このように素早くプロトタイプをつくり、評価プロセスを経て本格展開する PoC アプローチを実践する場として、クラウドのプラットフォームは非常に適しています。短期間で開発・実運用し競争力を高められることに加えて、開発から運用保守までをクラウド上で実行することにより、低コストのワークフローを実現するとともに迅速なサービスの改善を図ることができます。

特に今回は IBM Cloud プラットフォーム上で構築したことが最適でした。IBM Cloud プラットフォームには、1)アプリケーションを簡単に作成できる、2)AI などの最新テクノロジーをすぐに利用できる、3)DevOps 活用で開発や運用を効率化できる、というメリットがあります。このような IBM Cloud の持つ多様なサービスメニューを活用することで、素早くプロトタイプを開発し、そのまま評価フェーズに移行することが可能になりました。最終的に、お客様に PoC における総合的な成果を高く評価いただき、本番導入となりました。

お客様が必要としているのはクラウドではない

お客様が必要としているのは業務課題の解決であり、クラウドの導入が目的ではありません。検討の結果、クラウドが最適な解決手段であれば採用となります。まずはお客様のビジネス課題とシステム環境を熟知することが重要なのです。

今回の TCSB のケースでは「Watson を使ってなんとかして欲しい」というお客様の言葉から、最適な技術を選定し組み合わせて課題解決策を提供するソリューション力が高く評価されました。例えば、Watson VR と OCR の採用において、自動化の精度を上げるために前処理をしています。帳票全体を OCR にかけると、特に漢字部分に誤認識が多かったため、Watson VRによってFAXの画像から送信元の帳票会社を識別した後、帳票内から必要な箇所のみを画像として切り出して、OCR で処理しています。

その際、精度を上げるために画像補正(傾きの補正、余白切除)をすることで、切り抜き場所を正確に合わせることを可能とし、また数値項目については、OCR エンジンに対して「数値しか無い」というヒントを与えることで、誤認識 (英字の ‘o’ と数字の ‘0’ や、英字の ‘l’ と数字の’1′ )を低減することができました。

さらに、業務インパクト・検証スピードの両面から判断し、クラウド環境での開発やアジャイル手法の採用によって段階的にソリューションを作るプロジェクト・マネジメント力も短期間で成功に導いた大きな要因です。プロジェクトはスクラムを用い、1週間単位のスプリントで「動くソフトウェア」を毎週作成し、その都度フィードバックを得て改善を積み重ねました。使い込んでみて、初めて気付く仕様が多く、最初に要件を出し切り環境を事前定義するウォーターフォール型とオンプレミス環境ではうまくいかなかったでしょう。

IBM は、Watson やアイデアをすぐに形にできる IBM Cloud プラットフォームなどのテクノロジーと開発力、また、お客様の業務課題を正しく認識してそれらの技術を適切に活用するソリューション力をもって、現行業務への影響なども勘案したプランニングで「お客様の真の課題に対応するソリューション」を提供していきます。

※IBM Watsonは、世界の多くの国で登録されたInternational Business Machines Corp.の商標です。
photo:Getty Images

 

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