lspv コマンド

目的

ボリューム・グループ内の物理ボリュームに関する情報を表示します。

構文

lspv

または

lspv [ -L ] [ -P ] [ -l | -p | -M ] [ -n descriptorphysicalvolume] [ -v volumegroupid] physicalvolume

説明

lspv コマンドは、特定の物理ボリューム名を指定すると、その物理ボリュームに関する情報を表示します。lspv コマンドにフラグを追加しない場合、デフォルトで、すべての使用可能物理ボリュームが以下の情報と共に出力されます。
  • 物理ディスク名。
  • 物理ボリューム ID (PVID)。
  • 物理ボリュームが属するボリューム・グループ (ある場合)、または lkdev コマンドによってロックされたラベル (ある場合)。
  • ボリューム・グループの状態。
    Active
    ボリューム・グループがオンに変更された状態。
    Concurrent
    ボリューム・グループが並行モードでオンに変更された状態。
    Locked
    lkdev コマンドによって物理ボリュームがロックされた状態。
注: lspv コマンドは、フィールドに関する情報をデバイス構成データベース内に見つけられない場合、値フィールドに疑問符 (?) を表示します。 例えば、PP RANGE フィールドについての情報がない場合は、次の値が表示されます。
PP RANGE: ?
注: フラグが指定されていない lspv コマンドは、ディスク上にある General Parallel File System (GPFS) ボリューム・グループを表示できます。ただし、コマンドが情報を得るために GPFS ノードを照会するアクセス権を持つように、最初に root 権限で lspv コマンドを実行する必要があります。GPFS ボリューム・グループ名がローカルのキャッシュに入れられた後、lspv コマンドを実行する非 root ユーザーが GPFS ボリューム・グループ名を表示できます。

論理ボリューム ID が指定されると、lspv コマンドは、 記述域からできるだけ多くの情報を取り出そうとします。

physicalvolume パラメーターを使用すると、次に示す特性の指定物理ボリュームが表示されます。

項目 説明
Physical volume 物理ボリュームの名前。
Volume group ボリューム・グループの名前。ボリューム・グループ名はシステム全体で固有の 1 から 15 文字からなる名前でなければなりません。
PV Identifier この物理ディスクの物理ボリューム ID。
VG Identifier この物理ディスクがメンバーとなっているボリューム・グループの ID。
PVstate 物理ボリュームの状態。物理ボリュームが入っているボリューム・グループを varyonvg コマンドでオンに構成変更すると、状態は activemissingまたは removed になります。 物理ボリュームを varyoffvg コマンドでオフに構成変更すると、 状態は varied off になります。
Allocatable この物理ボリュームの割り当て許可。
Logical volumes 物理ボリュームを使用する論理ボリュームの数。
Stale PPs 現行でない、物理ボリューム上の物理区画の数。
VG descriptors 物理ボリューム上のボリューム・グループ・ディスクリプターの数。
PP size ボリューム上の物理区画のサイズ。
Total PPs 物理ボリューム上の物理区画の合計数。
Free PPs 物理ボリューム上の空き物理区画の数。
Used PPs 物理ボリューム上の使用済み物理区画の数。
Max Request 物理ボリュームの最大転送サイズ。
Free distribution それぞれの物理ボリューム・セクション内で使用可能な空き区画の数。
Used distribution それぞれの物理ボリューム・セクション内で使用済みの区画の数。
Mirror Pool 物理ボリュームが割り当てられているミラー・プール。

このコマンドは、System Management Interface Tool (SMIT) smit lspv 高速パスを使用して実行することができます。

フラグ

項目 説明
-L ボリューム・グループ上のロックを取得する際に待機しないことを指定します。
注: ボリューム・グループを変更する場合、-L フラグを使用すると日付の信頼性がなくなります。
-l 物理ボリューム上で論理区画ごとに、次のフィールドをリストします。
LVname
物理区画が割り当てられた論理ボリュームの名前。
LPs
この物理ボリュームに含まれる論理ボリューム内の論理区画の数。
PPs
この物理ボリュームに含まれる論理ボリューム内の物理区画の数。
Distribution
論理ボリュームに属し、物理ボリュームのセクション内、つまり物理ボリュームの内縁、裏中央、中心、表面中央、および外縁で、それぞれ割り当てられた物理区画の数。
Mount Point
論理ボリューム用のファイルシステム・マウント・ポイント (適用できる場合)
-M 物理ボリューム上で論理区画ごとに、次のフィールドをリストします。
PVname:PPnum [LVname: LPnum [:Copynum] [PPstate]]

ここで、

PVname
システムが指定した物理ボリューム名。
PPnum
物理区画番号。
LVname
物理区画が割り当てられた論理ボリュームの名前。 論理ボリューム名は、システム全体で固有でなければならず、1 から 64 文字の範囲にすることができます。
LPnum
論理区画番号。 論理区画番号は、1 から 64,000 の範囲になります。
Copynum
ミラー番号。
PPstate
現行でない物理ボリューム上の物理区画だけが失効として表示されます。
-n descriptorphysicalvolume descriptorphysicalvolume 変数によって指定されている変数ディスクリプター域からの情報にアクセスします。-n フラグでアクセスされる情報は、論理ボリュームの妥当性が検査されていないので、 現行でない場合があります。 -n フラグを使わなければ、有効な情報を保持する物理ボリュームのディスクリプター域がアクセスされるので、表示される情報は最新のものです。 このフラグを使うときにボリューム・グループをアクティブにする必要はありません。
-p 物理ボリューム上の物理区画ごとに次のフィールドをリストします。
範囲
物理ボリュームの 1 つの領域に含まれる連続する物理区画の範囲。
State
物理区画の現在の状態 (freeusedstale、または vgda)。
注: ボリューム・グループ がビッグ vg フォーマットに変換される場合は、 ボリューム・グループ のディスクリプター域にいくつかのデータ区画を使用する必要が生じることがあります。 これらの区画は vgda とマーク付けされます。
Region
区画が配置される物理区画内ボリューム領域
LVname
物理区画に割り当てられる論理ボリューム名
Type
区画に割り当てられる論理ボリュームのタイプ
Mount point
論理ボリューム用のファイルシステム・マウント・ポイント (適用できる場合)
-P それぞれの物理ボリュームが属するミラー・プールをリストします。
-u システム内のすべての物理ボリュームを、以下の情報と共にリストします。
  • 物理ディスク名。
  • 物理ボリューム ID (PVID)。
  • 物理ボリュームに属し、lkdev コマンドによってロックされているボリューム・グループ (ある場合)、またはラベル (ある場合)。
  • ボリューム・グループの状態。
    Active
    ボリューム・グループがオンに変更された状態。
    Concurrent
    ボリューム・グループが並行モードでオンに変更された状態。
    Locked
    lkdev コマンドによって物理ボリュームがロックされた状態。
  • 固有のデバイス ID (UDID)
  • 汎用固有 ID (UUID)。
-v volumegroupid volumegroupid 変数に基づいて情報にアクセスします。このフラグは、 lspv コマンドがデバイス構成データベース内の誤った情報が原因で機能しない場合に限り、 必要となります。 volumegroupid 変数はボリューム・グループ ID の 16 進数表記です。これは、mkvg コマンドによって生成されます。

  1. 物理ボリューム hdisk3 の状況と特性を表示するには、次のコマンドを入力します。
    lspv hdisk3 
  2. 物理ボリューム hdisk5 の状態と特性を物理区画番号で表示するには、次のコマンドを入力します。
    lspv  -p hdisk5

ファイル

項目 説明
/usr/sbin lspv コマンドが入っています。