論理ボリューム・ストレージ

論理ボリュームは、物理ボリューム上に存在する情報のグループです。

ディスク装置の管理には、構造階層を使用します。 物理ボリューム (PV) と呼ばれるディスク・ドライブには、個々それぞれに、/dev/hdisk0 のような名前があります。 すべての使用中の物理ボリュームはボリューム・グループ (VG) に属します。 ボリューム・グループのすべての物理ボリュームは、同じサイズの物理区画 (PP) に分割されます。 スペース割り当ての目的で、それぞれの物理ボリュームは 5 つの領域 (outer_edgeinner_edgeouter_middleinner_middlecenter) に分割されます。 各領域の物理区画の数は、ディスク・ドライブの合計容量によって異なります。

各ボリューム・グループの中では、1 つ以上の論理ボリューム (LV) が定義されます。 論理ボリューム上のデータはユーザーからは連続しているように見えますが、 物理ボリューム上では不連続にすることができます。 これによって、ファイルシステム、ページング・スペース、およびその他の論理ボリュームについて、 サイズ変更や再配置を行ったり、複数の物理ボリュームにスパンしたり、内容を複製したりできるので、 データ・ストレージにおける柔軟性と可用性が高まります。

それぞれの論理ボリュームは、1 つ以上の論理区画 (LP) から構成されます。 各論理区画は少なくとも 1 つの物理区画に対応します。 論理ボリュームに対してミラーリングが指定されると、追加の物理区画が割り当てられ、 各論理区画の追加コピーが保管されます。 論理区画には連続した番号が付けられますが、基礎となる物理区画は必ずしも連続していたり、 隣接しているとは限りません。

論理ボリュームは、ページングなどの多くのシステム目的のために使用できますが、 それぞれの論理ボリュームは単一の目的のためだけに使用されます。 多くの論理ボリュームには、単一のジャーナル・ファイルシステム (JFS または JFS2) が入っています。 各 JFS はページ・サイズ (4 KB) のブロックのプールから構成されます。 データがファイルに書き込まれるとき、1 つ以上の追加ブロックがそのファイルに割り当てられます。 これらのブロックはお互いに、または前にファイルに割り当てられた他のブロックと、 連続していない場合があります。 ある特定のファイルシステムのフラグメント・サイズを 4 KB 未満 (512 バイト、1 KB、2 KB) に定義することも可能です。

インストール後のシステムには、システムを開始するために必要な論理ボリュームの基本セットと、 インストール・スクリプトに指定されたその他の論理ボリュームから構成される 1 つのボリューム・グループ (rootvg ボリューム・グループ) が存在します。 システムに接続したその他の物理ボリュームは、ボリューム・グループに追加することができます (extendvg コマンドを使用)。 物理ボリュームは、rootvg ボリューム・グループまたは別のボリューム・グループ (mkvg コマンドを使用して定義される) のいずれかに追加できます。 論理ボリュームは、コマンド、メニュー方式のシステム管理インターフェース・ツール (SMIT) を使用して調整できます。