ミラーリングしたディスクのボリューム・グループからの分割

ミラーリングされたボリューム・グループの一貫性が、 潜在的なディスク障害のために損なわれるのを防ぐ上で、スナップショットのサポートが役立ちます。

スナップショット・フィーチャーを使用すると、ミラーリングした 1 つ、または複数のディスクを分割し て、ボリューム・グループの信頼できる (LVM メタデータの観点から) 時刻指定バックアップとして使用 できます。また、必要な場合は、その分割したディスクをボリューム・グループに確実に再統合できます。 以下の手順では、始めに、ボリューム・グループからミラーリングしたディスクを 分割し、次に、元のボリューム・グループに分割したディスクをマージします。 スナップショットの信頼性をさらに確実にするに は、ファイルシステムをアンマウントし、ロー論理ボリュームを使用するアプリケーションを既知の状態 (バックアップを使用する必要がある場合に、アプリケーションをそれからリカバリーできる状態) に しておく必要があります。

以下のいずれかが該当する場合には、ボリューム・グループは分割できません。
  • ディスクが既に存在しない。
  • 不整合でない最後の区画が分割したボリューム・グループ上に存在する。
  • splitvg コマンドに強制フラグ (-f) を使用しない限り、不整合区画がボリューム・グループに存在する。

さらに、 スナップショット・フィーチャー (特に、splitvg コマンド) は、拡張コンカレント・モードまたは標準コンカレント・モードで使用できません。 分割した ボリューム・グループをコンカレントまたは拡張コンカレントの状態にすることはできません。また、分割ボリューム・グループおよび元のボリ ューム・グループの両方に対して、許容される変更の制限があります。 詳細は、chvg コマンドの説明をお読みください。

ここで解説する情報は AIX® の特定バージョンを使用してテストされたものです。したがって、その内容は使用される AIX のバージョンおよびレベルによってかなり異なることがあります。

  1. ボリューム・グループが完全にミラーリングされていること、およびミラーが、このミラー・セットだ けを含む 1 つまたは複数のディスクに存在することを確認します。
  2. スナップショット・サポートを使用できるようにするため、次のコマンドを使用して、元のボリューム・グループ (origVG) を別の 1 つまたは複数の ディスクに分割します。
    splitvg origVG
    この時点で、元のボリューム・グループの信頼できる時刻指定バックアップができます。 ただし、分割したボリューム・グループ上の割り振りを変更できないことに注意してください。
  3. 次のコマンドを使用して、分割したディスクを再びアクティブにし、元のボリューム・グループにマージします。
    joinvg origVG
    この時点で、分割したボリューム・グループが元のボリューム・グループに再統合されます。