論理ボリューム・ストレージのスペース再利用のサポート

7200-01 テクノロジー・レベル以降の AIX® 7.2 では、論理ボリューム・マネージャー (LVM) はスペース再利用に対応する物理ボリュームのスペース再利用をサポートします。

LVM は、区画スペースが使用されなくなり、ストレージ・サブシステムが割り振り済みスペースを再利用できることをディスク・ドライバーに通知し、ディスク・ドライバーはその内容をストレージ・サブシステムに通知します。 LVM はディスク・ドライバーの助けを借りて、物理ボリュームがスペース再利用に対応するかどうかを検出します。 LVM とファイル・システムの構成コマンド (例えば、rmlv コマンド、rmlvcopy コマンド、chfs(shrink fs) コマンド) は、区画が解放された後、それらのスペース再利用を開始します。 LVM は、varyonvg コマンドまたは extendvg コマンドの実行中、ボリュームをオープンする際に、物理ボリュームがスペース再利用に対応するかどうかを検出します。LVM は、ボリューム・グループがオンラインのときにも、その検出を試みます。 状態変更を検出するために物理ボリュームの再オープンが必要な場合、管理者はボリューム・グループに対して varyoffvg コマンドを実行してから、varyonvg コマンドを実行する必要があります。

AIX 7.2 テクノロジー・レベル 1 より前に作成されたボリューム・グループに空き区画スペースがある場合がありますが、このスペースは自動再利用の対象になりません。 管理者は、これらの空き区画上にダミーの論理ボリュームを作成し、それを削除することで、そのスペースを再利用できます。 ただし、AIX 7.2 テクノロジー・レベル 1 のインストール後に解放された区画では、スペースが自動的に再利用されます。

スペースを再利用するための LVM プロセスは、rmlv などのコマンドの実行完了後にバックグラウンドで実行されます。LVM プロセスがすべての区画の再利用プロセスを完了する前にシステムが異常終了した場合、区画は解放されますが、処理中の区画のスペースは再利用されません。 このようなシナリオが発生した場合、ダミーの論理ボリュームを作成し、それを削除することで、残りの区画のスペースを再利用できます。

LVM プロセスでは、スペース再利用プロセスが処理中であっても、varyoffvg コマンドと reducevg コマンドのいずれの処理も遅延させません。スペース再利用プロセスは、そのプロセスが完了するのを待つのではなく破棄されます。

注: コマンドは、ディスク・ドライバーに実行依頼された未処理のスペース再利用要求のみ待機します。

スペース再利用機能は、物理ボリュームから解放されたスペースを再利用するために、ストレージ・サブシステムから使用できます。 各ストレージ・サブシステムは再利用要求が特定の数の物理ブロックに合わせて調整されることを想定しており、物理ブロックの数はストレージ・サブシステムによって異なります。 そのため、場合によっては、再利用サイズが区画の物理ブロックに合っていないために、その区画のブロック (すべて、または一部) の再利用ができないことがあります。 一部のストレージ・サブシステムは LVM 区画サイズを超えるブロック・サイズの再利用をサポートしており、部分的なブロックの再利用はできません。 このシナリオでは、LVM は十分な連続した空き区画を蓄積できず、1 つの再利用要求さえ生成できない場合があります。 そのため、複数の LVM 区画を削除した場合、ストレージ・サブシステムで同じ量のスペースを再利用できないことがあります。 -r オプションを指定した lvmstat コマンドを使用すると、LVM によって生成されるスペース再利用要求に関する情報を取得できます。