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世界トップクラスの企業のCFOは、データの分析と利用に必要なテクノロジーへの投資が、大きなリターンを生み出すことを認識している。

今回のグローバル経営層スタディでは、世界中の13,000名以上のCxO(最高責任者)レベルの経営層に、 データやAIで世界が充溢する今日のデジタル時代をリードするために何が必要か について、インタビューを実施した。回答から、少数ではあるが、データの利活用において先進的な企業群を特定するに至り、その企業群を「先導者」と定義した。

「先導者」のCFOは、財務および業務のデータを顧客や競合他社に関するデータと巧みに組み合わせ、意思決定プロセスを支援していた。彼らはデータを利用して、新たな収益源の割り出し、資本の配分、利幅の向上も図っていた。CFOにとって、COVID-19パンデミックに起因する不確実性への対応ほど、データに基づくアジャイルな意思決定が重要となったことは、未だかつてない。

結果を見れば明白な通り、データの利活用において先進的な企業ほど、競合他社と比べて俊敏かつ革新的であり、収益性の高いことが判明している。

効果的な計画立案と分析への注力:データによる価値の創出

「先導者」のCFOは、アナリティクスとAIを極めて巧みに活用し、主要な業務を遂行している

収益性およびマージン分析:先導者CFO 51%、始動者CFO 20%、先導者CFOが31%多い。計画立案および予算編成:先導者CFO 45%、始動者CFO 18%、先導者CFOが27%多い。管理レポートおよび業績分析:先導者CFO 41%、始動者CFO 19%、先導者CFOが22%多い

「サイロ化したローカルなシステムがあまりにも多かったため、よりシンプルで標準化されたアーキテクチャーに統合した」

CFO | ライフサイエンス
シンガポール


「先導者」のCFOは、データ標準とその適用方法の共通化こそが、分析から確かな洞察を効果的かつ容易に導き出すための基礎であることを認識している。彼らは、データに関する共通の原則やプロトコルがあれば、情報の再フォーマットなしに、データの使用や異なるデータ・セット同士の連結が可能な共通基盤を実現できることを理解している。

しかし、CFOがデータを集めても、従業員がそのデータを利活用するためのスキルを持っていなければ、データから適正なリターンを得ることはできない。
従って、「データによる配当」の実現には、従業員に関連スキルを習得させるための投資が不可欠なのである。これは、ビジネス部門との連携に必要な分析スキルの開発や獲得に加え、自動化などの新興テクノロジーへのさらなる投資をも含むものだ。「先導者」のCFOの実に78%が、自動化をより広範囲に適用してデータを収集し、レポート作成や分析を合理化したいと回答している。

「先導者」のCFOは、アナリティクスとAIを極めて巧みに活用し、主要な業務を遂行している

収益性およびマージン分析:先導者CFO 51%、始動者CFO 20%、先導者CFOが31%多い。計画立案および予算編成:先導者CFO 45%、始動者CFO 18%、先導者CFOが27%多い。管理レポートおよび業績分析:先導者CFO 41%、始動者CFO 19%、先導者CFOが22%多い

ファクトベースの戦略策定の採用:統計に基づく進路の設定

「先導者」のCFOは、顧客が何を望み、どのように行動するかをデータから把握している

先導者CFO 67%、始動者CFO 29%、先導者CFOが38%多い

「我々は、戦略的な意思決定や自社の弱点を把握するにあたり、保有するデータを活用したいと考えている」

CFO | 通信
オランダ


特に優れた業績を上げている企業のCFOは、データには事業面と戦略面の両方の価値があることを認識している。「先導者」のCFOの半数が、データはビジョンや戦略を策定する上で、特に役立つと述べている。つまり、彼らは、勘に頼って重要な意思決定を下しているわけではないということである。より優れたデータからより価値あるインテリジェンスを引き出すことができると理解しているのだ。

「先導者」のCFOが、なぜそれほどまでにデータに高い存在価値を見いだしているかというと、信頼性の高いデータこそが戦略上の幅広い問題を浮き彫りにできるからである。彼らは、こうして獲得した洞察を駆使して、新たなビジネスモデルを創出し、新市場に参入し、製品イノベーションをサポートし、そして自社の顧客体験の魅力を高めるUXデザインの一端を担うようになった。

「先導者」のCFOは、顧客が何を望み、どのように行動するかをデータから把握している

先導者CFO 67%、始動者CFO 29%、先導者CFOが38%多い

戦略実行の指揮:理想から実装へ

「先導者」のCFOとその経営層は、意思決定の際にデータを大いに活用している

先導者CFO 66%、始動者CFO 32% 先導者CFOが34%多い

「我々は、すべての管理職にデータ駆動型の企業文化を根付かせるよう促している」

CFO | 銀行
ルーマニア


データを信頼する企業文化の醸成は、上層部が率先して行う必要がある。そのためには、正しい情報に依拠した意思決定を行うために、データへの信頼を共通の精神的基盤としていなければならない。しかし、このような企業文化は、データが社内を自由かつ透過的に循環し、データに関する一連の原則と実践を核としたコラボレーションがなされて初めて存在し得る。「先導者」のCFOはその点をよく理解しており65%が組織や機能の壁を超えたデータの自由な往来を可能にして、データ駆動型の企業文化を積極的に育んでいる。

しかし、「先導者」のCFOは、土台となる情報の質を担保できてこそ、データが示す内容も信頼できることを理解している。彼らが、適切なデータの破棄、従業員の業務効率化のためのリアルタイムでのデータ提供、新たな洞察を導く際に有用となるAIへの巨額投資などに、骨身を惜しまないのはそのためだ。

「先導者」のCFOとその経営層は、意思決定の際にデータを大いに活用している

先導者CFO 66%、始動者CFO 32% 先導者CFOが34%多い

グローバル経営層スタディ 第20版

AI/Data包摂時代のリーダーシップ

経営層スタディ2020
役職別レポート