5Gとは

オフィス環境で、机に向かって作業しながらノートPCを使用するソフトウェア開発チーム

執筆者

Mesh Flinders

Staff Writer

IBM Think

Ian Smalley

Staff Editor

IBM Think

5Gとは

5G(第5世代移動通信システム)とは、4Gに代わる電気通信ネットワークの新しい標準です。5Gは2019年に携帯電話各社によって開始され、速度、遅延、帯域幅の点で優れています。

5Gネットワークは、これまで世界中のほとんどの携帯電話で使用されていた3G、4G、4G、4G LTEネットワークと同じ無線周波数で動作します。ただし、速度、遅延、帯域幅の改善によって、5Gネットワークはダウンロードとアップロードの時間が短縮され、接続性が強化されており、信頼性も向上するため、4Gテクノロジーの事実上の後継規格となっています。

人工知能(AI)モノのインターネット(IoT)機械学習(ML)と同様、5Gはインターネット、ソーシャル・メディア、情報全般との関わり方法を変える可能性を秘めた画期的なテクノロジーです。具体的にいうと、5Gは自動運転車、ゲーム・システム、高速ネットワーク接続を介したビデオ・ストリーミングを実現するテクノロジーに大きな影響をもたらします。

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5Gが重要な理由

新しいテクノロジーの出現に伴ってインターネット・アクセスの需要が世界中で高まるにつれ、作成されるデータの量は爆発的に増加しています。今後10年の間に、世界中で毎日生成されるデータの量は数百ゼタバイト増加するという予想もあります。4G、4G LTE、3G無線ネットワークを支えているネットワーク・インフラストラクチャーでは、これほどの量を処理することはできません。5Gは、超高速で低遅延なうえに、データ容量も拡張されるため、5Gカバレッジを必要とする次世代スマートフォンなどの新しいテクノロジーの要件に対応できます。

5Gと4G/3Gの重要な違い

5Gは4Gおよび3Gネットワークと同じ無線周波数を利用しますが、特にデジタル・トランスフォーメーション・プロジェクトの一環としてテクノロジーの使用を検討している企業にとって、5Gが優れたものになっている重要な違いが以下の4つあります。

  • 速度と遅延
  • 物理的なフットプリント
  • エラー率
  • 帯域幅

速度と遅延

5Gの速度は、4Gおよび3Gネットワークの速度の10倍です。つまり、大きなファイルのダウンロードやクラウドへのデータのバックアップなどの操作は、数分から数時間ではなく1秒未満で完了します。5Gのデータ転送速度は20ギガビット/秒(Gbps)に達し、平均ダウンロード速度は432メガバイト/秒(Mbps)です。5Gのデータ・レートは、モバイル・ゲームから遠隔手術に至るまであらゆるものに影響を及ぼし、非常に大きな変革が期待される主な理由の1つです。

5Gテクノロジーがこのような高速を実現できるのは、以前のネットワークよりも遅延、つまりある地点から別の地点へのデータ移動にかかる時間が、大幅に短いためです。4Gネットワークで発生する遅延は約200ミリ秒であるのに対し、5Gネットワークでは通常1ミリ秒とはるかに低レベルに抑えられます。

物理的なフットプリント

5Gのもうひとつの重要な差別化要因は、従来のネットワークよりも小さな送信機を使用しているため、建物、樹木、その他の一般的な物体に目立たないように配置できることです。5Gネットワークのセル(「スモール・セル」)は基本的に、ネットワーク全体を接続するうえで特に重要な役割を果たす基地局です。4Gテクノロジーでは、スモール・セルに相当する、マクロセルというセルを使っており、大きく、必要電力も多くなっていました。

エラー率

5GのMCS(Modulation and Coding Scheme)は、Wi-Fiデバイスからデータを送信するために使われる回路であり、4Gおよび3Gネットワークで使用されるMCSの改良型です。ブロック誤り率(BER)が非常に低くなっています。5Gテクノロジーでエラー率が一定のレベルまで上がると、送信機はエラー率が低下するまで自動的に速度を下げます。 この技術は、速度を犠牲にしてリアルタイムの精度を高めるため、5Gネットワークでのエラー率をほぼゼロにすることができます。

帯域幅

5Gネットワークは、ローバンド、ミッドバンド、ハイバンドを含めて、4Gおよび3Gネットワークよりも幅広い帯域幅で動作します。これは、無線スペクトル・リソースを、以前のネットワークで使用されていたサブ3 GHz仕様から100 GHz以上に拡張することによって実現されています。この拡張によって、5Gが機能する帯域幅の範囲が広がり、容量とスループットが拡大しています。基本的に、こうした技術進歩によって、単一のネットワークまたはセルに同時に接続可能なデバイスの数が増えるとともに、デバイスからの同時データ送受信が可能になっています。

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5Gの仕組み

3Gおよび4Gテクノロジーと同様、5Gもサービス・エリアをセルと呼ばれる小さな地理的セクションに分割する、セルラー・テクノロジーを利用します。セルの境界内にある5G無線デバイスは、電波、基地局、アンテナを使用してインターネットおよび電話網に接続します。新しいネットワークほど高速で、ネットワーク上にユーザーが1人だけの場合、ダウンロード速度は10ギガビット/秒(Gbps)に達します。

5Gは帯域幅が広いため、ネットワークに接続できるデバイスが増えるうえに、混雑した都市環境など、多数のユーザーが同一ネットワークに接続している場合、たとえ同じセル内であっても高速になり、インターネット・アプリケーションの品質も向上します。5Gテクノロジーが拡大し、それを利用するために構築されるアプリケーションの数が増加するにつれて、Verizon、Google、AT&T など、知名度の高いインターネット・サービス・プロバイダー(ISP)がますます5Gホーム・インターネットを採用するようになり、そのユースケースは飛躍的に増加すると予想されています。5Gテクノロジーの独自性を支えており、将来的にモバイル・テクノロジーに革命を起こしそうな有力な機能を、以下にいくつか示します。

ネットワーク・スライシング

ネットワーク・スライシング、つまり5Gテクノロジーを使用して同じインフラストラクチャー上に独立した多数の仮想ネットワークを展開するネットワーク・オペレーターの機能には、多くのビジネス利用の可能性があります。ネットワーク・スライシングを利用すると、企業は5Gネットワーク機能のコレクションを形成して、ユースケースまたはビジネス・モデルごとにグループ化できます。この機能で、ユーザーは選択したデバイスで信頼性の高いワイヤレス・エクスペリエンスを実現できます。

規格と仕様の向上

5Gネットワークは、5G NR(New Radio)として知られている新技術のために特別に開発された、独自のエア・インターフェースを備えています。これは、特に5Gモバイル・ネットワークでの使用を目的として、第3世代パートナーシップ・プロジェクト(3GPP)によって構築された新しい無線アクセス・テクノロジー(RAT)のことです。5G NRはセルラー・ネットワークの新しい世界標準となるように構築され、2018年末近くに最初の商用利用が発表されました。現在、多くの携帯電話ネットワーク事業者が5G NRネットワークを導入しており、多くのテクノロジー・メーカーが5G NRと互換性のあるモバイル・デバイスを構築しています。エリクソンの最近のレポートによると、世界中のネットワークの5G対応率は2023年末までに45%に達しており、この率は10年後には85%に増加すると予測されています。

プライベート・ネットワーク機能

プライベート5Gネットワークはパブリック・ネットワークに似ていますが、アクセスを制限したり、ライセンスあり、またはライセンスなしの無線5Gスペクトルを使用したりする機能など、拡張されたパーソナライゼーション機能を所有者に提供します。プライベート5Gは、工場、オフィス・ビル、大学のキャンパス、空港といった閉鎖的な制限環境でも5Gテクノロジーの利点をすべて活用できるため、世界中の企業で人気が高まっています。プライベート5Gネットワークを使用すると、企業はパブリック・ネットワーク上にある場合よりも機密性が高く、安全かつ効率的な方法で、あらゆるデバイス、サービス、アプリケーションを管理できるようになります。

5Gのビジネス上のメリット

5Gサービスでは、前世代のネットワークと比べて多くの点でワイヤレス・テクノロジーが改善されています。これによって実現されるビジネス上のメリットを、いくつかご紹介します。

完全自動運転車

4G、4G LTE、および3Gネットワークでは、完全自律型の自動車、つまり完全自動運転車は動作できません。情報の送受信に時間がかかりすぎるからです。5Gネットワークなら遅延が少ないため、完全自動運転車や自動運転車が、わずか1/1,000秒で情報を送受信できるようになります。

工場のスマート化

工場はAIと機械学習を使用して今でもスマート化されつつありますが、5Gインフラストラクチャーの登場で、その傾向がさらに加速します。5Gの登場によって、工場では自動化できる機能が増え、何千台ものスマート・デバイスをワイヤレス接続して、ほぼリアルタイムでデータを操作できるカメラ、ドローン、5G電話、センサーから成る理想の設備を展開できるようになります。このような機能を実用レベルで応用するというのは夢のようですが、燃費や建物の設計、顧客との対話、設備のライフサイクルや修理に至るまで、あらゆることにその影響が及びます。

仮想現実(VR)と拡張現実(AR)

仮想現実(現実世界を遮断したデジタル環境)や拡張現実(現実世界を拡張するデジタル・コンテンツ)は5Gテクノロジーを全面的に利用しており、そのビジネス用途は多岐にわたります。過去10年間で、仮想現実と拡張現実のテクノロジーを使ったスマートフォンやスマート・グラスは、商品の倉庫管理や輸送、工業保守、設備の修理といった幅広いビジネス・シーンに、デジタル・オーバーレイ、ライブ・ビュー、その他の機能を追加してきました。

エッジコンピューティング

エッジコンピューティングは、エンタープライズ・アプリケーションをデータ・ソースに近づける分散コンピューティング・フレームワークであり、5Gテクノロジーの高速性と低遅延によって大幅に強化されています。エッジコンピューティングでは、5Gによって計算とデータ・ストレージがデータ生成場所に近づくため、制御性の向上、コスト削減、洞察の迅速な提供が可能になります。最近のGartnerのホワイトペーパーでは、エッジコンピューティングにより処理される企業データの率は、現在のわずか10%から、2025年には75%に跳ね上がると予想されています。

5Gのユースケース

5Gテクノロジーが普及すると、経済成長に拍車がかかり、接続性が向上する可能性は無限大です。5Gテクノロジーが世界を変える可能性を秘めた、意欲的な取り組みをいくつかご紹介します。

コミュニティーのスマート化

密集した都市環境に住んでいるにしろ、人里離れた田園地帯に住んでいるしても、インターネットに接続されたIoTデバイスから情報を収集する5Gの能力は、日常生活を一変させる可能性があります。都市計画の担当者や、緊急対応の担当者など多くの人々が、交通渋滞の抑制、計画の充実、大気汚染の削減などを目的に、そしてサービス利用者の生活について全般的な向上を図るために、今後数年間における5G接続に注目しています。

医療サービスの向上

ヘルスケア・テクノロジーの面では、5Gネットワークによって、遠隔手術、データ関連のインサイト、患者ケアの進歩が期待できます。例えば、5Gは低遅延なので、リアルタイムの情報をHDビデオで共有でき、遠隔手術が今以上に一般的になる可能性があります。また、5Gネットワークを使用したIoT接続デバイスを通じて患者をリアルタイムでモニタリングできるので、医師が直接の監督下にない患者のケアを改善するのにも効果的です。

持続可能性の向上

企業は5Gを利用することで、炭素排出量、労働者の安全、サプライチェーンなどの環境・社会・ガバナンス(ESG)目標の監視能力を大幅に向上できます。5Gの多数の利点の1つが、以前の世代と比べて少ないエネルギーで情報を送信できることです。また、電気自動車、スマート・ビルディング、リモートワークの発展も促進します。これらはすべて二酸化炭素排出量の削減をもたらすことが証明されています。

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