利害関係者に重要なITサービスを提供するために、組織はプライベートデータセンターの運用を行いながら、セキュリティとコンプライアンスに配慮する必要があります。データセンターの管理には、そのために必要なタスクと管理ツールが含まれます。これらのタスクの実行責任者は、データセンター・マネージャーと呼ばれます。
データセンター・マネージャーは、オンサイトまたはリモートで、ソフトウェアとハードウェアのアップグレード、一般的なクリーニング、サーバーの物理的配置の決定などの一般的なメンテナンスを実行し、データセンターのパフォーマンス、セキュリティ、コンプライアンスを脅かすあらゆる脅威やイベントに対して、事前または事後対策を講じます。
データセンター・マネージャーの一般的な責任は次のとおりです。
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本質的に、企業データセンターにおける資産管理は複雑です。データセンターは多くの場合、複数のベンダーから調達したハードウェアとソフトウェアで構成されており、多数のアプリケーションやツールを含みます。データセンター環境は、複数のクラウド・サービス・プロバイダーのプライベートクラウド環境と共存し、連携することもあります。各ハードウェア・コンポーネント、ソフトウェア・インスタンス、そしてクラウドベースの環境には、独自の契約条件、保証、ユーザー・インターフェイス、またはライセンスが付属しているものです。データセンターのすべての要素には、パッチの適用やアップグレードを行う際に従うべき独自のプロセスと手順もあります。それ自体も課題ですが、複雑さは、データセンターを管理する際に直面する他の多くの課題の(直接的な原因ではないにしても)要因でもあります。
データセンターが複雑なマルチベンダー環境のため、データセンター・マネージャーはすべてのSLAが遵守されているか確認することが難しい場合があります。SLAは以下に挙げる範囲に及ぶ可能性があります。
環境が入り組んでいるため、データセンター・マネージャーはどの保証の有効期限が切れ、それぞれの保証が何をカバーしているのか、確認に苦労することがあります。保証情報が可視化されていないと、保証が付帯している可能性のあるコンポーネント対し、不必要な支出をする可能性があります。
プライベート・データセンターの場合、ITスタッフ、エネルギー、冷却にかかるコストは、通常、組織にとって付加価値を生まないコストに割り当てられる、限られた予算の多くを消費することがあります。
データセンター・マネージャーは、複雑なデータセンターの運用を監視するために、不適当な機器や古い機器を使用せざるを得ないことがあります。その結果、可視化されたパフォーマンスにギャップが生じ、ワークロードの分散を効率的に行えなくなることもあります。異種または旧式の機器に依存しているデータセンター・マネージャーがデータセンターが現在の需要をどの程度満たしているかを評価するための正確な指標を持っていないため、容量計画にも悪影響が及びます。
データセンター・マネージャーは予算上の制約により、限られたスタッフ、電力、スペースで作業することがよくあります。多くの場合、限られたリソースを効果的に管理するための適切なツールも不足しています。リソースが限られているとサービス管理が妨げられ、ビジネス・ユーザーや組織全体のその他の関係者に対するITリソースの提供が遅れたり、十分に行えないという結果につながります。
多くの組織が二酸化炭素排出量の削減に取り組んでおり、すなわち、データセンターのエネルギー消費を削減し、グリーンエネルギー源に移行する方法を見つけることを意味します。データセンター・マネージャーは、既存のデータセンターの複雑さと限られたリソースに対処しながら、二酸化炭素排出量の削減につながるハードウェアと手順を実装する任務を負っています。
データセンター・マネージャーは、データセンターインフラストラクチャ管理(DCIM)ソリューションを活用することで、管理タスクを簡素化し、ITパフォーマンスを最適化できます。DCIMソフトウェアは、データセンター・マネージャーがオンプレミスのITコンポーネントから暖房、冷却、照明などのデータセンター設備まで、データセンター内のあらゆる要素をリアルタイムで監視、測定、管理、制御できる、一元化されたプラットフォームを提供します。
DCIMソリューションによって、データセンター・マネージャーはデータセンターに関する情報を単一の、合理化されたビューで把握できるようになり、ITインフラストラクチャ全体で何が起こっているかより深く理解できるようになります。
DCIMソリューションでは以下を可視化できます。
DCIMソリューションは、データセンターのITリソースを統合し、より適切に管理するための仮想化の導入も支援します。より高度なDCIMソリューションでは、タスクを自動化し、手動ステップを排除することもできるため、データセンター・マネージャーに時間的な余裕をもたらすと同時にコストの削減を実現します。
コロケーション・データセンターとは、プライベートサーバーと関連するIT資産について、物理的なスペースと施設管理を提供するサードパーティのサービスです。データセンター・コンポーネントの人員配置と管理は引き続き組織が責任を負いますが、コロケーションサービスを利用すれば、物理的なスペースの構築、運用、維持に関連する負担とコストが軽減されます。
データセンターのパフォーマンスを最大化しつつ、データセンター・マネージャーが組織のサステナビリティー目標を達成できるよう支援するハードウェア、ハイブリッドクラウド、AIソリューションが存在します。たとえば、適切なサーバーを使用することで、エネルギー消費を大幅に削減するとともに省スペース化が実現できます。場合によってはそれぞれ最大75%と最大67%、削減可能です。
電気は作業の実施に必要な分だけ使用できれば十分で、使用しない分を無駄にしたくはないものです。ハイブリッドクラウドとAIを使用して運用を合理化し、エネルギーを節約して、パフォーマンスを向上させ、サステナビリティーでビジネス推進しながら投資収益率を実現しましょう。
二酸化炭素排出量の削減:IBM LinuxONE Rockhopper 4サーバーは、エネルギー消費を75%、設置スペースを67%削減できます(同様の条件およびロケーションにあるx86サーバー上の同じワークロードと比較した場合)。[1]エネルギー効率の高いデータセンター、統合されたワークロード、改善されたインフラストラクチャーにより、コストを節約し占有スペースを削減できます。
エネルギー使用の自動化:IBM Turbonomicを使用することで、エネルギー使用が自動化され、エネルギー効率が改善されます。資源を測定、分析し、賢く管理することで、アプリケーションが必要な量だけを消費するようにします。
データ管理の合理化:統合されたIBM Storage FlashSystemプラットフォーム・ファミリーを使用して市場をリードするパフォーマンスと効率性を実現し、オンプレミス、ハイブリッドクラウド、コンテナ化された環境の管理と複雑な運用を合理化しましょう。
[1] 68IFLおよび1フレームで7TBのメモリーのネットワークと外部ストレージをサポートするCPCドロワーとI/Oドロワーから構成されるIBM Machine Type 3932 Max 68モデルと、合計1440コアの36 x86 Server(2 Skylake Xeon Gold Chips、40コア)との比較。IBM Machine Type 3932 Max 68モデルの消費電力はシステム上で測定され、IBM Machine Type 3932 Max 68モデル構成のIBM Power Estimatorを使用して確認されています。x86の電力値は、2023年2月のIDC QPI電力値に基づいており、IBMによるx86サーバーの測定値と現場での観察値に基づいて55%に削減されました。比較対象のX86 Serverは約0.6083KWhrを消費し、IDC QPIシステムのワット値の55%でした。節約量においては、冷却に必要な追加電力を計算するために、世界中のデータセンターの電力使用率(PUE)係数を1.55と想定しています。PUEはUptime Institute 2021 Global Data Center Survey(ibm.com外部へのリンク)に基づいています。x86システム・スペースの計算には3つのラックが必要です。お客様ごとの使用量や場所によって結果が異なる場合があります。
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