2013年に設立されたSOLASは、アイルランド政府のDepartment of Further and Higher Education, Research, Innovation and Science(継続及び高等教育・研究・イノベーション・科学省)の機関です。SOLASは、アイルランド全域のEducation and Training Boards(教育訓練委員会、ETB)の地域技能マネジャーやパートナーと連携し、学習者が労働市場で成功し、社会で活躍できるように作られたFurther Education and Training(継続教育訓練、FET)プログラムを管理しています。
SOLASのDirector IT and Digital(IT・デジタル担当ディレクター)であるPaddy Seery氏は述べています。「アイルランドのすべての人が社会で可能性を最大限に発揮できるよう、機会を最大限に生かすためには、教育訓練委員会やその他の研修会社のコースを、できるだけ簡単に多くの人が利用しやすくすることがとても大切です」SOLASのWebサイトでは、学習者が同じような種類の問題に苦戦することがよくあるとわかっていましたので、バーチャル・アシスタントの拓く可能性に興味をそそられました」
教育訓練委員会が幅広い生涯教育の選択肢を紹介できるよう、SOLASはWebサイトfetchcourses.ieを開発しました。ユーザーがWebサイト上で問題に遭遇したり、サイト内のコンテンツでは解決できないような疑問がある場合、通常、SOLASまたは教育訓練委員会にEメールでサポートを求めます。SOLASは、サポートに寄せられる問い合わせの多くが、複数のユーザーに共通するものであることに気づきました。たとえば、パスワードを忘れたという問い合わせや、異なるデバイス間でアカウントが重複している場合に関する問い合わせなどです。多くの場合、比較的単純な同じような修正を適用することになるため、このようなリクエストへの対応により、熟練IT担当者を価値の低い仕事に拘束することになっていました。
Paddy Seery氏は次のように述べています。「SOLASの主な動機は、これらの共通した質問をより迅速で効果的に解決することでしたが、同時に自分たちには知らされない問題があるかどうかも確認したいと考えていました。すぐに対応してもらえない場合、ユーザーはわざわざ問題を報告しようとしないという話をよく耳にしていました」
SOLASは、チャットボット・テクノロジーのデモを見て、専任のサポート・チームを持たずに大量の問い合わせに応答するという課題には、理想的なソリューションになるのではないかと考えました。SOLASは、最も一般的な問い合わせに答え、より複雑な問い合わせを人間の適切な担当者のサポートに割り振ることのできるAIを搭載したバーチャル・アシスタントを設置して、学習者に対してサイト内サービスの向上を実現でき、教育の目標達成を支援できるのではと期待しました。