ホーム ケーススタディ Melbourne Water社 IoTテクノロジーを利用してサステナビリティーをスマートに実現
Melbourne Waterは、IBM Maximoソリューションを使用して雨水管理を改善しています
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川を前景にしたオーストラリア、メルボルンのダウンタウン

オーストラリアのビクトリア州は、タスマニア州に次いでオーストラリア大陸で年間降水量が最も多い州です。このレベルの降水量と良好な土壌が、ビクトリア州の「ガーデン・ステート」としての評判を高めています。ビクトリア州の州都メルボルンは、市の19%を広大な緑地が占めることでも有名です。

しかし、メルボルンは気候変動の影響により降雨量が著しく増加するなど、異常気象に見舞われています。たとえば、2018年には、1,000年に1度の豪雨が都市を襲いました。15分間に50ミリ以上の雨が降り、鉄砲水や広範囲にわたる停電が発生しました。さらに、メルボルン近郊の海面は今後30年間で24cm上昇すると予測されており、高潮による沿岸の洪水がさらに増える可能性があります。

洪水に対する保護のため、市の水管理機関であるMelbourne Waterは、約4,000の集水ピットと排水用の格子を含む広大な排水ネットワークを運営しています。雨水排水システムが適切に機能するためには、定期的な検査とメンテナンスが必要です。

「以前は、定期的な検査を計画し、雨水用格子が機能しているか検査して確認する作業員を派遣していました」とMelbourne Waterのオートメーション・チームリーダーであるRussell Riding氏は言います。「時には、作業員が格子に到着し、清掃の必要がないにもかかわらず、翌日とある出来事で入り口が塞がれてしまい、作業員が戻ってくるまでそのままだったこともありました。もし大雨が降れば、付近一帯が水浸しになるかもしれません。私たちが本当に必要としていたのは、格子の稼働状態を保てるよう検査を増やすことでした。」

オートメーションの強化

 

雨水集水地域の14,000平方キロメートルに広がる雨水格子の目視検査の自動化を開始

労働時間の削減

 

現場での雨水格子検査の必要性を減らすことによる、メンテナンススタッフの数千時間の時間を節約できる可能性

Maximo IoTソリューションはコスト効率が高いため、できることはまだまだたくさんあります。IBMのサポートを利用すれば、必要なものはすべて簡単に構築できます。 Russell Riding オートメーション・チームリーダー Melbourne Water社

しかし、手作業による格子検査の頻度を上げるには、物流上の問題があります。Melbourne Waterから4人の作業員を派遣することに加えて、現場の交通規制をするための追加のリソースが必要です。「作業員が移動するときは常に、安全面も考慮されます」とRiding氏は言います。「私たちは、リソースを解放して別のことに取り組むためのよりスマートな方法を知っていました。これが、IBMとリモート検査の代替案を検討し始めた理由の1つです。」

自動目視検査

すでに、Melbourne Waterは2013年に使用を開始したIBM® Maximo® Application Suiteに精通していました。「私はビクトリア州およびタスマニア州地域のMaximoユーザーグループのリーダーだったため、IBMと何度も話し合いを行いました」とMelbourne Waterの資産情報改善スペシャリストであるZoltan Kelly氏は言います。「当時、活用していない機能がたくさんあったのです。私たちがMaximoプラットフォームに投資した理由の1つは、必要に応じて拡張できる可能性が組み込まれていることでした。」

サプライヤーがMelbourne WaterのIoTプラットフォームと統合できる静止画カメラを提案したことをきかっけに、新たな計画が具体的に動き始めました。「私たちは地元のIBMチームと定期的に話し合いました。彼らは、何ができるのか私たちに教えてくれました」とRiding氏は言います。「そして、雨水用格子の検査プロセスの改善に役立つ画像認識ソリューションの開発を思いついたのです。」

計画が完了すると、Melbourne Waterは試験場所の状況を監視するために静止画カメラを設置しました。カメラは、IBM Maximo HealthIBM Maximo MonitorIBM Maximo Visual Inspectionソフトウェアを含む統合ソリューションネットワークに接続されていました。

「私たちは、市販のソフトウェア管理モジュールから戦略をそのまま採用し、変更は加えませんでした」と同氏。「基本的に、これは外部ベンダーと関わる必要のない内部プロジェクトであるため、すぐに導入できることは大きなメリットでした。」

画像認識システム全体はIBM Cloud上にデプロイされました。「基本的にはSaaSのモニター製品を使用しており、必要な部分にはIBM Cloudのサービスやコンポーネントを使って拡張しています。」と話すKelly氏。「IBM Cloudを使えば、サービスの立ち上げやスケールアップが簡単にできます。カタログから、必要なものを何でも選ぶことができるので、これまで、やりたいと思って、できなかったことはありません。」

試験現場からのデータを使用したソリューションの第1段階では、ピット格子で発生する封鎖を検出する分析に焦点を当てました。これには、封鎖を認識するAIツールの開発も含まれており、時間をかけて完全な自動化AIソリューションを目指します。

Melbourne WaterとIBMは、開発およびデプロイメントのプロセス全体を通じて、Maximoプラットフォームが運用目標を確実に達成できるように緊密に協力してきました。「こちらからの質問に対し、IBMが回答できなかったことは一度もありません」とRiding氏は言います。「IBMが提供してくれるサポートのレベルは、唯一無二のものです。」

IBM Cloudを使えば、サービスの立ち上げやスケールアップが簡単にできます。カタログから、必要なものを何でも選ぶことができるので、これまで、やりたいと思って、できなかったことはありません。」 Zoltan Kelly 資産情報改善スペシャリスト Melbourne Water社
メンテナンス時間の短縮と持続可能性の構築

Melbourne WaterがIoT検査カメラを設置して試験場所の監視を行う前から、このソリューションが、SCADA(Supervisory Control and Data Acquisition:監視制御とデータ収集)センサーを含む、検討中の他の方法よりも大幅に低コストであることが明白でした。「排水管の流れやレベルを測定するためのSCADAソリューションのコストは法外でした」とRiding氏は言います。「IoTデバイスの設置にかかる設備投資ははるかに少なくて済みます。」

IBM® Maximoソリューションを使用し、時間ベースのメンテナンスから状態ベースのメンテナンスに移行したMelbourne Waterは、現在、IoTテクノロジーの利用拡大を目指しています。「今後24ヶ月の間に、SCADAレベルの制御やモニタリングができないギャップを埋めることになるでしょう」とKelly氏。「当社のIoTデバイスは補助的なデータの提供に非常に優れているため、これらのプラットフォームがIBM® Cloud Cloud上にあることは大きな価値があります。社内に特化したソリューションではなく、外部組織とのデータ共有が容易になります。」

現在、Melbourne Water社の従業員はIBM Maximoのダッシュボードを使用して試験的な場所に設置された格子カメラが撮影した画像を監視しており、今後、さらに多くの機能および分析を統合する計画があります。「私たちはエンドツーエンドのソリューションを実装しているところです」とRiding氏は言います。「AIは封鎖を認識するよう開発されているため、AIの区分をMaximoに接続して作業指示を出すことができます。」

次の導入段階では、試験場所を拡張し、Melbourne Waterの排水ネットワークのうち最も重要な場所にカメラを設置する予定です。Melbourne Waterでは、カメラを使ってより多くのピット格子を監視し、現場検査に派遣される作業員の数が減少すれば、スタッフの稼働時間を何千時間も減らすことができると見込んでいます。システムが完成すれば、年間数万ドルから数十万ドルのコスト削減が見込まれます。

Melbourne Waterは、IoTネットワークを使用して汚染物質を検出し、人口増加に向けた持続可能な水資源の開発機会も模索しています。市は淡水供給を増強し、必要なときのバッファーを維持するために淡水化プラントを建設しました。「排水などの代替水源を利用して、どうやってこの水を利用することができるでしょう?」とRiding氏は言います。「蓄えて処理した雨水は、これまで庭の水やりなどに飲料水を使用していた地域でも使用することができます。」

「長年にわたり、メルボルンは世界で最も住みやすい都市のひとつと言われてきました」と同氏は言います。「排水、レクリエーション、自然環境分野の水管理をIBM MaximoおよびIBM Cloudツールと統合することで、今後もメルボルンをより住みやすい都市にしていけるよう注力していきます。」

Melbourne Waterのロゴ
Melbourne Waterについて 

130年以上の歴史を持つMelbourne Water(リンクはibm.comの外にあります)は、清潔な飲料水の提供、貴重な資源である水を回収して再利用するための下水処理、洪水防止の計画、メルボルンの計25,000kmにおよび川と小川の健全な維持など、水循環のあらゆる部分を管理しています。Melbourne Waterには1,100人を超える従業員がおり、ビクトリア州政府が所有しています。

次のステップ

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© Copyright IBM Corporation 2022.IBM Corporation、IBM Watson、New Orchard Road、Armonk、NY 10504

2022年6月、米国で作成

IBM、IBMロゴ、ibm.com、IBM Cloud、およびMaximoは、世界の多くの国で法的に登録されているInternational Business Machines Corporationの商標です。その他の製品名・サービス名はIBMまたは他社の商標である可能性があります。IBMの商標の最新リストは、Web上の「著作権および商標情報」(ibm.com/legal/copyright-trademark)でご確認いただけます。

本書は最初の発行日時点における最新情報を記載しており、IBMにより予告なしに変更される場合があります。IBMが事業を展開している国であっても、特定の製品を利用できない場合があります。

記載されている性能データとお客様事例は、例として示す目的でのみ提供されています。実際の結果は特定の構成や稼働条件によって異なります。本資料の情報は「現状のまま」で提供されるものとし、明示または暗示を問わず、商品性、特定目的への適合性、および非侵害の保証または条件を含むいかなる保証もしないものとします。IBM製品は、IBM所定の契約書の条項に基づき保証されます。