ホーム
お客様事例
Georgian State Electrosystem社
ジョージアの電力公社であるGeorgian State Electrosystem(GSE)社は、欧州送電システム事業者として認定され、より広範な欧州エネルギー市場に参入するため、野心的な市場改革パッケージを立ち上げました。こうしたパッケージは、この国営企業が欧州連合(EU)の規制に厳密に準拠し、公正で責任ある競争力のあるエネルギー市場を提供できるようにすることを目的としていました。
GSE社の従来のエネルギー取引プロセスでは、ほぼリアルタイムの取引処理をサポートできず、EUの規則にも準拠できなかったため、まったく新しいエネルギー市場取引プラットフォームの構築が変革計画の最重要課題でした。しかも、組織が取引を数カ月ではなく数秒で処理できるようにし、重要な市場情報を市場参加者、規制当局、一般大衆に広く提供できるようにすることが極めて重要でした。
GSE社は、オープンでアクセスしやすく、より競争力のあるエネルギー市場があれば、より多くの時間とリソースを解放して、国内の電力配電ネットワークにフェイルオーバー容量をさらに構築するという長期的な戦略目標に集中できることを認識しました。これにより、新たな再生可能エネルギー源の建設が拡大し、GSE社はEU諸国への持続可能なエネルギーの主要輸出プロバイダーに変貌する可能性があります。
欧州電力送電システム運用者ネットワーク(ENTSO-e)が定めた基準に沿ったまったく新しいエネルギー市場プラットフォームを構築することは、GSE社にとって決して容易なことではありませんでした。ベスト・プラクティスと規制遵守を確実にするため、同組織は厳格な政府調達プロセスに従い、IBMビジネス・パートナーであるOrient Logic社にサポートを依頼しました。
GSE社はOrient Logic社のソフトウェア開発子会社であるBlaze社およびIBMと連携し、IBM® Process Automation Manager Open Editionを主要なビジネス・プロセス・エンジンとして使用し、IBM® Instana Observabilityプラットフォームを使用して包括的なアプリケーション監視を行うEnergy Market Participants(EMP)プラットフォームを構築しました。GSEが将来的にEMPの新機能を迅速に開発してリリースできるようにするため、Blaze社は Red Hat OpenShiftコンテナ・プラットフォームとRed Hat Integrationを使用して市場プラットフォームを構築することにしました。
Red Hat Integrationを使用することで、システムへの大幅な変更や再開発を必要とせずに、エンタープライズ・リソース・プランニング(ERP)および課金システムとのシームレスなデータ相互接続が可能になりました。これにより、EMPプラットフォームの提供が加速され、プロジェクトの総コストが削減されました。
現在、EMPプラットフォームにより、ジョージア全土の電力供給業者、発電業者、トレーダー、送電システム・オペレーター、配電システム・オペレーターは、国内の電力ネットワーク全体でエネルギーを売買、輸出入できるようになりました。同時に、監査人や規制当局は、エネルギー取引、価格、使用量、その他の主要な指標に関するほぼリアルタイムの情報にアクセスできます。
「IBMソリューションを選んだのは、信頼性が高く、長年の実績があり、エネルギー分野で実証されているからです」と、GSE社のJSC Georgian State Electrosystem of Organized Markets Development and Electricity AccountingディレクターのZviad Gachechiladze氏は「Blaze社とOrient Logic社のサポートにより、新しいプラットフォームの迅速かつ効果的な開発サイクルを実現し、目標していたローンチ日に稼働させることができました」と語ります。
Blaze社およびOrient Logic社のプロダクト・オーナーであるLela Khalvashi氏は、次のように付け加えています。「GSE社が我が国にとってこのような重要な取り組みを実現するのを支援できる機会を得られたことをうれしく思います。このプロジェクトの成功により、当社はエネルギー分野における豊富な経験と知識をさらに深めることができました」。
EMPプラットフォームの初期バージョンはすでにジョージアのエネルギー部門に大きな影響を与えています。GSE社は、信頼性が高く、規制された透明性の高いプラットフォームに電力業界全体の主要な市場プレーヤーを結集することで、国の電力市場をよりオープンにするという目標を達成しました。その結果、今後数年間で同国が再生可能エネルギーの輸出を拡大し、欧州の近隣諸国が環境の持続可能性目標を達成するのを支援することができるでしょう。
Blaze社とIBMの共同ソリューションにより、GSE社は、以前は 2カ月かかっていた取引の処理と調整を、わずか数分で実行できるようになっただけではなく、監査人や公的機関と情報を簡単に共有できるようになり、組織がENSTO-e規制やEU指令に準拠できるようにもなりました。
「IBMおよびIBMのパートナー企業であるBlaze社と提携することで、ヨーロッパにおけるオープンで効率的かつ信頼性の高い電力取引のゴールド・スタンダードを確立できたと考えています。」と Gachechiladze氏は語ります。「すでに他国の同業者からも関心が寄せられており、同様の市場改革と改善の実現を支援できることをうれしく思っています」。
Georgian State Electrosystem(GSE)社(ibm.com外部へのリンク)は、ジョージア全域にまたがる438,266 kmの送電線と93棟の変電所を所有、運営する電力送電システム・オペレーターです。GSE社は国営の株式会社として、送電・配電サービスを提供し、電力インフラを構築・維持し、ジョージアの電力市場での取引を促進しています。
© Copyright IBM Corporation 2024.IBM、IBMのロゴ、およびInstanaは、米国およびその他の国または地域におけるIBM社の商標または登録商標です。本資料は最初の発行日時点における最新情報を記載しており、IBMにより予告なしに変更される場合があります。IBMが事業を展開している国または地域であっても、特定の製品を利用できない場合があります。
Red HatおよびOpenShiftは、米国およびその他の国におけるRed Hat社またはその関連会社の商標または登録商標です。
引用または説明されているすべての事例は、一部のクライアントがIBMの製品を使用し、達成した結果の例として提示されています。他の運用環境における実際のパフォーマンス、コスト、節約、またはその他の成果は異なる場合があります。