イタリアの公共部門におけるサイロ化を解消

Formez PAがIBM watsonxにより公共部門のコラボレーション変革を支援

 

オフィスの机で、大きなコンピューターのモニターを見ながら話す2人
サイロ化されたユニットから統合された組織へ

Formez PAは、イタリア公共行政省に属する技術支援機関であり、公共部門のトランスフォーメーションと近代化プロセスを専門としています。同機関は、イタリア国内の公共部門に限らず、世界各国の非公共機関にも共通する課題を特定しました。それは、多くの場合、公的機関やその内部の部門はサイロ化され、専門的な職務分類や用語がそれぞれ異なっていたということです。こうした標準化の欠如が、組織の柔軟性や専門能力開発を妨げる旧態依然とした人事管理アプローチと重なることで、効果的なコラボレーションやデータの交換の困難にし、混乱を招いていました。

Formez PAは、組織横断的に受け入れられた統一的な枠組みが存在しない状況において、職務分類の用語が機関ごとに異なることが、職務の比較や統合を複雑化させていることを突き止めました。その結果、機関をまたいだ協働が困難となり、サービス提供の遅延やチームの業務停滞を招く事態が発生していたのです。

こうした標準化の欠如は、データの不整合という問題にもつながっています。機関間の用語の不一致により、データ収集、分析、解釈が不正確になり、それによって意思決定プロセスの質が損なわれていました。こうした不一致は、包括的な解決策の必要性を浮き彫りにしました。すなわち、職務分類を統一的に定義し、各職務に対して共通辞書に基づいたスキルセットを設定するということです。このようなソリューションがあれば、さまざまな行政機関の円滑な協働が促進されることでしょう。こうしたわけでFormez PAは、イタリア全土における官公庁・自治体の協働とサービス提供の効率を高めるため、プロセス・用語・職種・スキルを統一・標準化できるようなソリューションの構築に乗り出したのです。

90% 予想されるデータ入力と処理タスクの時間削減率 80% 見込まれる検索精度向上率 60% 予想されるユーザー満足度の向上率
公共機関間の協働を合理化

Formez PAは、公共部門における職務分類を効果的に行うための、実用的なAIソリューションの開発を託されました。そこでFormez PAは、既存のRiVaポータルに統合される高度なAI駆動型ソリューションを設計するため、IBM® Client Engineeringと連携しました。RiVaの全体的な目的は、すべての公共機関に適用可能で、各セクターの特性にも対応できるような、戦略的な計画立案と管理プロセスの実現に向けた、能力に基づく人事管理(HRM)モデルの設計、構築、試行、開発にあります。現在進行中のこの共同プロジェクトでは、能力モデルに基づく戦略的人事管理のための統一的かつ統合的な手法を確立すること、そして行政機関における労働市場の進化とキャリア形成の促進を目的としています。AIは、公共行政省における職種プロフィールの分類と用語の標準化を支援し、組織全体での共通理解の促進に貢献します。

このソリューションは、IBM® watsonx製品ポートフォリオを活用して、ユーザーのクエリを埋め込み表現に変換します。IBM® watsonx.aiのLlama大規模言語モデル(LLM)を使用することで、自然言語によるリクエストの理解と解釈が可能です。これをIBM watsonx.dataが補完し、Milvusをベクトル・データベースとして活用して、ベクトル空間内でセマンティック検索を実行します。この機能により、キーワードが完全に一致しない場合でも、意味的に類似した職務を正確に特定できるようになります。

RiVaポータルとのシームレスな統合を促進するために、IBMとFormezチームはAPIを公開するマイクロサービスを考案しました。このサービスは仲介役としても機能します。つまり、watsonx.aiを呼び出してユーザー・リクエストを埋め込みに変換し、watsonx.dataを使用してセマンティック検索を実行するのです。

さらにチームは使いやすさを強化し、契約地域、職務領域、職群に基づくフィルター機能を実装することで、特定の条件によって検索結果を絞り込めるようにしました。現在このシステムは、ユーザーの説明に基づいて職種名、組織的な目的、主要業務を提案できるようになっています。将来的には、スキルや職種を提案できるよう進化することで、ユーザー・エクスペリエンスがさらに向上する予定です。継続的な改善とユーザー中心の開発という精神に基づき、このソリューションには、ユーザーからのフィードバックを収集し、パフォーマンスを継続的に最適化する仕組みも組み込まれています。

AI搭載型イノベーションが切り札に

このソリューションは、堅牢かつユーザーフレンドリーな職種プロファイリング手法を提供するもので、公共部門の職種プロファイリングにおいて独自の接点となることが期待されています。また、IBMのAI機能とFormez PAが公共部門プロジェクトで培ってきた専門知識を活用することで、行政全般にわたって専門用語、職種プロフィール、スキルを標準化することを目指しています。

AIをRiVaに統合する主なメリットの1つは、生産性を大幅に向上させる技術的な可能性です。このソリューションでは、自然言語による入力で職種プロフィールを生成するため、IBM watsonx.aiを採用しています。これにより、手作業によるデータ入力とデータ処理を約90%削減できるとFormez PAは見込んでいます。この削減によって、時間の節約になるだけでなく、行政機関におけるより戦略的な取り組みにリソースを割くことができるようになります。

このソリューションのもう1つの重要な利点は、検索精度の向上です。IBM watsonx.aiとwatsonx.dataが提供するセマンティック検索機能の統合により、公共機関では、検索精度が約80%向上することが期待できます。この機能強化により、従来のキーワードベース検索の制限が克服され、ソリューションが意味のニュアンスを理解し、最も関連性の高い職種プロフィールを強調表示できるようになります。

さらに、ユーザー・エクスペリエンスも大幅に向上する見込みです。検索の高速化と精度向上により、ユーザー満足度は最大で60%向上すると予想されています。これにより、公共機関は、適切な人材と職務のマッチングをより効率的に実現できるようになります。

RiVaポータルにAIを導入することで、用語を標準化し、手入力を最小限に抑え、検索精度を高め、ユーザー満足度を向上させることにより、公共部門における人事管理の運用効率を再定義することが期待されています。

Formezのロゴ
Formez PAについて

Formez PAは1998年に設立されたイタリア公共行政省に属する技術支援機関であり、ローマ、ナポリ、カリャリに拠点を置いています。行政機関、地方自治体、公営企業のために、組織開発、訓練、サービスのイノベーションにおける戦略的ソリューションを提供しています。Formez PAの使命は、行政機関が戦略的目標を達成し、サービスの質を高め、公共サービスの提供の効率を高められるよう支援することです。

製品・サービス IBM watsonx.ai IBM watsonx.data IBM Code Engine IBM Cloudant IBM Client Engineering IBM Cloud
効率的なコラボレーションを実現

組織がデータのサイロ化を解消し、ビジネスを中断することなくその価値を発揮するため、IBMのAI搭載ソリューションがどのように役立つかをご紹介します。

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