アプリケーションのモダナイゼーションと自動化により価値を高める方法
FlowFactor社は、IBM WebSphere Hybrid Editionを使用して効率性を大幅に向上させています。
FlowFactor社は、IBM WebSphere Hybrid Editionを使用して効率性を大幅に向上させています。
自動化は私たちの仕事を奪ってしまうのでしょうか。FlowFactor社は時代に調和して(さらには時代を先取りして)業務のモダナイズを図ろうとする数多くのエンンタープライズとビジネスを展開していますが、同社にとってこの疑問は常に難題となっています。
FlowFactor社は様々な企業に対してIBMのアプリケーションを駆使することでモダナイゼーションや自動化のソリューションを導入し、新たなレベルの効率性と柔軟性を達成できるようにサポートしていますが、こうしたプロセスの中でこの質問に対する明確な答えが見えてきます。
いいえ、自動化はお客様の仕事を奪うものではありません。自動化こそが改善の道筋を開きます。
FlowFactor社の経営パートナーであり共同創設者のJohan Janssen氏とKilian Niemegeerts氏は、先日ヨーロッパの人口密集地域で2億kmにおよぶルートをカバーする公共交通事業者と提携しました。このプロジェクトは、今日のモダナイズ市場においてFlowFactor社が取り組んでいる重要案件の好例です。大規模な企業はどこでも効率性と俊敏性を向上させるためにモダナイゼーションと自動化を模索していますが、基幹業務の管理プロセスには簡単に自動化できない大規模なレガシー・アプリケーションが使用されていることが少なくありません。
65
件のアプリケーションをモダナイズ
> 99%
短縮化し、1か月の開発期間が約1時間に
FlowFactor社と提携した上記の公共交通事業者は、Java Enterprise Editionソフトウェアの古いバージョンをベースにした65のアプリケーションを使用しており、従来のIBM® WebSphere® Application Serverのプラットフォームで稼働させていました。手動でデプロイメント・プロセスを実行すると、新しいアプリケーションのリリースには最大8週間かかりました。さらに、開発チームと運用チームがサイロ化されていたため、エラーと再作業のリスクを増大させることになりました。
Janssen氏とNiemegeerts氏は、顧客と直接コミュニケーションを取りながらこの業務に取り組みました。「お客様の開発はすべて手作業で、統合開発環境というものはありませんでした」と、Niemegeerts氏は説明しています。「お客様の開発チームは、まず最初にアプリケーションや新機能を開発します。開発が終わると自前のシステムでテストを行い、Wordの指示書を運用チームに投げていましたが、時にはその指示書は20ページを超える分量になることもありました。アプリケーションごとに個別の指示書を出すので、すべて合わせると65件にもなります。当然のことながら、あちこちで手違いが起こります」
FlowFactor社にとって、こうしたミッションはおなじみのものでした。顧客がアプリケーションのモダナイゼーションとコンテナ化を行うためにサポートし、主要なプロセスを自動化できるように柔軟性を高めることが必要でした。さらに、こちらの公共交通事業者が新機能を最大限に活用する方法を学ぶための支援を行うことも必要でした。
ベルギーのKontichにあるFlowFactor社の本社
モダナイズしたアプリケーションをいくつか導入すると、お客様はそのメリットにすぐお気づきになりました。短時間で導入できるだけでなく、既存の環境への影響も少ないことを理解していただけたのです。新しいアプリケーションを展開しても、そのメンテナンスに時間をかけることもありませんでした。
Kilian Niemegeerts氏
FlowFactor社の経営パートナー、共同創設者
このプロジェクトがアプリケーションのモダナイゼーションの段階に到達すると、FlowFactor社は以下の3つの主要コンポーネントを使用して、こちらの公共交通事業者のアプリケーションをモジュラー型のコンテナ化されたアーキテクチャーに変換しました。
今ではすべてが自動化されています。以前は手作業で行っていたことも、今ではすべて自動です。手作業が必要なことといえば、ボタンをクリックすることぐらいです。
Kilian Niemegeerts氏
FlowFactor社の経営パートナー、共同創設者
FlowFactor社は、顧客のビルド・パイプラインを再設計し、標準化された再利用可能なプロセスを作成しました。プロセスの完成後、チームはオープンソースのJenkinsの自動化ソフトウェアを、最初のビルド・プロセスから実稼働での導入まで、エンドツーエンドで適用しました。新しいアプリケーション・アーキテクチャーのおかげで、Jenkinsの自動化ソフトウェアはソフトウェア・ライフサイクル全体にわたるコンテナ化されたコードの移動を自動化することができます。
とはいえ、ここまでの作業はこのプロジェクトのほんの一部に過ぎません。
公共交通機関に人を乗せるのは簡単です、それに対してアプリケーションのモダナイゼーションは一筋縄ではありません。プロセスを自動化するテクノロジーを導入することも大きな難題ですが、従業員が自動化による価値を最も享受できるように作業形態を進化させることはさらなる難題です。
そのためには、こちらの公共交通事業者が自動化を取り入れてDevOpsプラクティスを採用するように、FlowFactor社が先導してサポートする必要がありました。
「大規模でかなり伝統的な文化や習慣のある顧客や官公庁・自治体の場合、これはやや難しい課題です」と、Niemegeerts氏は説明します。既存のプロセスに関する専門知識を持つエンジニアなどが神妙な面持ちで、『このような急激な変化は、本当にうまく機能するのでしょうか』『自動化されると自分たちの仕事が完全に無くなってしまうのでしょうか』などと聞いてくるからです。
それについてNiemegeerts氏は、次のように話します。「ここで大事なことは、バランスを取ることです。多くの作業が自動化されますが、引き続きエンジニアを必要とする作業もあるので、今後も変わらない作業については彼らに説明することになります。そうすることで、エンジニアの仕事が決して自動化に取って代わられるのではなくて、仕事の中身が変わるだけであることを理解していただくのです。自動化で最も重要な点は、反復作業が減ることで、よりやりがいのある作業をこれまで以上に頻繁に取り組む機会が増えることです。トラブルシューティングや調査やイノベーションに、多くの時間を費やせるようになるのです」
Niemegeertsはさらに続けて、「モダナイズしたアプリケーションをいくつか導入すると、お客様はそのメリットにすぐお気づきになりました。短時間で導入できるだけでなく、既存の環境への影響も少ないことを理解していただけたのです。新しいアプリケーションを展開しても、そのメンテナンスに時間をかけることもありませんでした」と語っています。
またDevOpsは、より迅速で、より柔軟なプロセスを最大限に活用する方法です。これにより、以前はサイロ化されていたチームが、それぞれの責任のバランスを取り、より効率的かつより俊敏にコラボレーションできるようになります。Janssen氏が、これについて説明しています。「アプリケーションの可用性確保は、以前はインフラストラクチャー・チームの担当でした。しかし開発チームが新機能の開発だけではなく実動環境の安定性確保も担当していることがインフラストラクチャー・チームに伝わるとチームの姿勢が変わり始め、新たなアプリケーションを実現するためのプロセスが本格的にスタートしました」
開発側の変化を、Janssen氏は次のように話しています。「今では開発チームは以前より多くのことを実践できるようになっています。今や彼らは、いつでもどの環境にも飛び込んでいけるのです」
こちらの交通運送事業者がモダナイゼーション、自動化、DevOpsに取り組んだところ、劇的な改善が見られました。
以前なら数ヶ月かかっていたインフラストラクチャーのアップグレードが、今では1~2日で終えられるようになりました。また最大で1カ月かかっていたデプロイメント・サイクル全体も、約1時間で完了できます。数時間かかっていた単一のデプロイメントにいたっては、たったの数分です。
「すべてが自動化されています」とNiemegeerts氏は話します。「以前は手作業で行っていたことも、今ではすべて自動です。手作業が必要なことといえば、ボタンをクリックすることぐらいです」
Janssen氏は、組織のあらゆるレベルでの満足度について説明しています。開発者はより少ない時間でより多くの作業を行うことができ、運用チームは安定性を確保する上でより大きなサポートを得られています。そしてそれ以上に、「ビジネス・リーダーの皆さんは、新しいアプリケーションや機能を素早く提供できることに満足しています」
FlowFactor社について
FlowFactor社(ibm.com外部へのリンク)は、ベルギーのKontichを拠点とし、さまざまな業界の組織が、DevOpsを自動化し、市場投入までの時間を短縮できるように支援するマネージド・サービスとソリューションを提供しています。FlowFactor社はIBMビジネス・パートナーで、Cronos Groupのメンバーです。
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2021年11月
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