自社ブランドを構築する食品メーカーのコロンビーナは、小売顧客をサポートして製品の最適な組み合わせの発見を促すことが、売上促進につながると認識しています。IBM Services® から IBM® Rapid Move を使用した SAP S/4HANA® に切り替えることで、コロンビーナは適切な製品の組み合わせをすべての棚に配置できるようになり、顧客を喜ばせ、将来の成長に向けた完璧なレシピを生み出すことが可能です。
自社の食品ブランドの販売促進のためにコロンビーナはフィールドセールスチームの強化を目標に定め、小売顧客が最適な製品組み合わせを見つけることや、売上を促進する最良のプロモーションをサポートしますが—この分析は困難な課題と言えます。
変革の準備として、コロンビーナは IBM Rapid Move for SAP S/4HANA を使用して、SAP S/4HANA への切り替えに必要な事業のダウンタイムを従来の変換アプローチのそれよりも短縮しました。
1927 年以来、コロンビーナはおいしいキャンディー、チョコレート、焼き菓子を製造するコロンビアのトップメーカーです。消費者の嗜好が進化するにつれて、コロンビーナの製品ラインも変化してきました。現在の同社は日用消費財 (FMCG) ブランドの大規模なポートフォリオを管理しています。
ラテンアメリカの消費者の健康志向はますます高まっており、コロンビーナは新たに誕生したこの顧客セグメントに対応するために、最近「Colombina 100%」という名前のオールナチュラル・ブランドを立ち上げました。同社は小規模な独立系小売店が新しい製品ラインを販売する理想的なチャネルと考えていました。しかし、ひしめき合う日用消費財分野の棚スペースと顧客の注目の争奪戦は、同社に困難な課題をもたらしました。
コロンビーナのターゲット顧客の多くは小規模な小売店で食料品を購入しますが、このような店舗の場合、売上を分析し、トレンド商品を特定し、適切な量の商品棚に常備することで売上を最大化する能力を持たないところが大多数です。コロンビーナのフィールド・セールス・チームが小売業者にこれらの機能を提供できるようになれば、売上を伸ばし、収益を上げ、ブランドを構築する強力な機会となるでしょう。
FMCG 分野にいる多くの世界的リーダー企業と同様に、コロンビーナは長年にわたり、生産計画や工場管理から倉庫管理、物流、小売店への完成品の配送に至るまで、業務をエンドツーエンドで統合する SAP ERP ソリューションに依存してきました。最初のステップとして、同社は激しい分析ワークロードに対応できるビジネス・システムの準備を目指しました。
コロンビーナの CIO であるヘスス・アントニオ・ブランドは、次のように述べています。「小売パートナーに代わって在庫とロジスティクスの計画を立てることが、自社ブランド、特に新ブランド「Colombina 100%」の製品に対する全国の消費者の認知度を高める絶好の機会だと認識していました。同時に、複雑な分析を大規模に実行すると、既存の SAP ビジネス・システムに多大な負荷がかかることもわかっていました。」
コロンビーナは、最先端の SAP S/4HANA および SAP BW/4HANA® ソリューションへの移行により、次世代のビジネス分析プロセスのための強固な基盤が構築されると確信していました。同時に、必要不可欠なビジネス・プロセスを中断することなく SAP S/4HANA に移行することが重要でした。
「当社はデータに基づいて運営されており、SAP ソリューションが誤ったタイミングでオフラインになった場合、当社の業務は停止してしまいます。これはコロンビーナにとって容認できないビジネス・リスクです」と、ヘスス・アントニオ・ブランドは説明します。「データドリブンな自社の未来に備えるために、日常の業務運営に影響を与えることなく SAP S/4HANA への移行を支援してくれる信頼できるパートナーを探しました。」
コロンビーナは主要な統合専門家数人を慎重に審査した結果、SAP ERP からSAP S/4HANA および SAP BW/4HANA への移行の先導をIBMコンサルティングに任せました。
同社は、IBM Rapid Move for SAP S/4HANA の提案に特に感銘を受けました。IBM Rapid Move for SAP S/4HANAによりベスト・プラクティスのソリューションと専門知識と資産を統合し、これを変革ソフトウェア企業 SNP Groupのソフトウェア・ツールとともに提供し、同社の SAP ERPからSAP S/4HANAへの移行の効率化が促進されました。特に SNP Group のデータ変換プラットフォーム CrystalBridge® を使用すると、データ移行や SAP ソリューション統合を繰り返すことなく、企業は最新の SAP S/4HANA ソリューションに移行できるようになります。
「SAP S/4HANA への移行を完了するまでのダウンタイムが、計画では 4 日間というタイトなもので、この目標を達成するには信頼できるパートナーを見つけることが不可欠でした」と、ヘスス・アントニオ・ブランドは続けます。「従来のアプローチによる技術的な移行だと、少なくとも 6 日半の作業が必要になると計算しましたが、これは予定していたダウンタイムをはるかに超えていました。SNP Group が提供する IBM Rapid Move for SAP S/4HANA with CrystalBridge は、切り替えプロセスをわずか 2 日間に短縮するアプローチを提供してくれました。これは、新しい SAP S/4HANAソリューションに移行するための技術的な複雑さと大量の履歴データを考えると驚異的な成果です。
まず、IBM Services はコロンビーナと協力して IBM HANA Impact Assessmentを実施しました。 このプロセスは、データ・クレンジングの機会を特定するだけでなく、両社が新しい SAP S/4HANA プラットフォーム上の SAP ERP でコロンビーナの既存のデジタル・ワークフローを複製するために必要な変更を文書化するのにも役立ちました。
「IBM HANA Impact Assessment のおかげで、新しいソリューションに移行するデータの総量を 3TB 削減することができました」とヘスス・アントニオ・ブランドが付け加えます。「SAP S/4HANA のデータ圧縮機能が強化されているので、移行後のストレージ要件を削減できることはわかっていましたが、最初に移行するデータ量を制限できたことは厳しいスケジュールを考えると大きなメリットでした」。
高レベルのコンピューティングおよびストレージのパフォーマンスを提供し、新しい SAP S/4HANA ソリューションから最大の価値を引き出すために、コロンビーナは IBM と協力して、IBM データセンターにおいてホストと管理が実施されるまったく新しい IT インフラストラクチャを導入しました。新しい環境は、 SUSE Linux Enterprise Server for SAP Applicationsを稼動する IBM Power® Systems S822 サーバーで構成されています(リンクはibm.com外にあります)。オペレーティング・システムと、 IBM Spectrum® Virtualize 上に構築された低レイテンシーの IBM FlashSystem® ストレージに接続されています。
「このプロジェクトの何年も前から、必要不可欠な SAP ERPソリューションのサポートに IBM Power Systems サーバーを利用していましたが、IBMから受けたマネージド・サービスは素晴らしいの一言に尽きます」と、ヘスス・アントニオ・ブランド氏が振り返ります。 「IBM Power Systems サーバー、IBM FlashSystem ストレージ、そしてIBMが提案した SUSE Linux Enterprise Server for SAP Applications オペレーティング・システムの組み合わせは、現在そして今後の当社の分析ワークロードをサポートする信頼性、可用性、スケーラビリティを備えているという大きな自信を与えてくれました。
SUSE Linux Live Patching for Power を使用すると、IBM はメンテナンスのために重要なシステムをオフラインにすることなく、Linux カーネルに影響を与える SAP S/4HANA アップデートを展開できます。この新しいソリューションを SUSE Linux Enterprise High Availability Extension と組み合わせることで、コロンビーナのビジネス・システムが 24 時間年中無休でオンラインになると保証されます。
IBMグローバル・ファイナンスが提供する支払い延期オプションにより、コロンビーナはプロジェクトの資金調達を翌年度に移行でき、直ちに配備を進めることが可能になりました。
「私たちは SAP S/4HANA の導入をできるだけ早く進めたいと考えていました。IBM Global Financing の支払い延期ソリューションのおかげで、まさにそれが可能になりました」と、ヘスス・アントニオ・ブランドがコメントしています。
IBM Services と協力して、コロンビーナはダウンタイム枠内で SAP ERP から SAP S/4HANA への切り替えに成功しました。次に進む段階は高度な分析機能の実現で、同社は現在 IBM と協力して、SAP S/4HANA と IBM BW/4HANA ソリューションを人事管理向け SAP SuccessFactors® を含む SAP クラウドソリューション群への統合に取り組んでいます。
「将来的には、 SAP Commerce Cloud、 SAP Marketing Cloud そして SAP Analytics Cloud(外部リンク) を利用して、営業チームが小売パートナーから正確でタイムリーな取引データを取得し、そのデータを活用して各店舗に最適な品揃えやプロモーションを特定できるようにします」とヘスス・アントニオ・ブランド氏が続けます。「このデータを SAP S/4HANA の生産計画や SAP Transportation Management の物流スケジュールと組み合わせることで、最適な製品を製造して適切な店舗に配送し、あらゆるチャンスを確実に捉えることができるようになります。」
コロンビーナの SAP S/4HANA への取り組みはまだ始まったばかりですが、同社はすでに新しいデータ・プラットフォームへの移行による大きなメリットを測定しています。
「IBM Services と協力して SAP S/4HANA に移行して以来、レポート作成にかかる時間が全面的に短縮しました」とヘスス・アントニオ。ブランド。「当社の財務部門では、請求書発行レポートを 97% 早く作成できるようになりました。さらに SAP S/4HANA により、プラント計画と管理レポートを 12 倍の速さで作成できるようになり、チームは付加価値のある活動に集中できるようになりました。」
同氏はさらに次のように続けます。「全体として、ビジネスと業務の分析とレポート作成にかかるコストを最大 10% 削減できたと考えています。新しい在庫と物流計画の機能はまだ立ち上げていませんが、収益はすでに 8% 増加しており、プロジェクトの素晴らしいスタートとなりました。」
SAP S/4HANA を採用することで、コロンビーナはデータ圧縮の向上によるメリットも得ており、ストレージ・コストの最適化に役立っています。
「SAP S/4HANA で強化されたデータベース圧縮により、データベースは 22TB からわずか 5.8TB に縮小されました」と、ヘスス・アントニオ・ブランドが言い足します。「当社の分析データ量は今後数年間で急激に増加すると予測されているため、この機能は将来的に特に重要になります。」
IBM Servicesと提携で、コロンビーナはブランドの成長と、コロンビア国内の競争の激しい日用消費財分野での成長の加速に役立つ、顧客インサイトを獲得する軌道に乗っています。
「IBM との協力により、何百もの小売顧客の在庫を最適化し、コロンビーナとそのパートナーの両方が売上を伸ばし、収益を伸ばすことが可能になります。」とヘスス・アントニオ・ブランドは締めくくりました。「データは私たちの業界で成功するための重要な要素です。そして IBM Services のおかげで、私たちはビジネスに実用的な洞察を提供してくれる完璧なパートナーを見つけました。」
コロンビアのカリに本社を置くコロンビーナ (リンクはibm.comの外にあります)は、斬新でおいしい製品で消費者を喜ばせることを目指す世界的な食品会社。急速に変化する消費財ブランドの大規模なポートフォリオを管理するコロンビーナは、コロンビア、グアテマラ、スペインに製造施設を持ち、ラテンアメリカと北米で事業を展開。
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Linuxは、米国、その他の国、またはその両方におけるLinus Torvaldsの登録商標です。
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