Apptioによるデジタル・トランスフォーメーション

IBMにおけるテクノロジー・ビジネス管理(TBM)モデルの導入
1台のコンピューターで一緒に作業する4人
ビジネス・コストと支出の最適化

意図的なハイブリッドクラウドの導入は、トランスフォーメーションの成功とイノベーションの継続につながります。この目的を念頭に置いて、IBMの最高情報責任者(CIO)は、ビジネス・コストと支出の最適化を包括的に分析する取り組みを開始しました。この取り組みは、ハイブリッドクラウド環境の変革に向けてIT予算を再配分することを目的としていました。以前は、CIOがコストの課題に直面すると、財務的観点から意思決定を行っていました。あらゆることにまんべんなく同様の手法を当てはめるピーナツバター・アプローチをとることで、組織には全体像を把握することなくビジネス上の意思決定を下すという危険性がありました。

CIO組織は、イニシアチブ、目標、および主な成果にリソースがどのように整合しているかを完全に可視化するために、複数のデータソースとツールを当てにしていました。組織は台帳データを取得して非常に高い精度で結び付けることはできていたものの、財務、IT、およびビジネスの全体のビューを可視化するには至りませんでした。正しい意思決定を行うためにCIOは、座礁資産や優先度の低いアプリケーションに投資するのではなく、アプリケーションのモダナイゼーションなど優先度の高いイニシアチブに投資するための情報と詳細が必要でした。

この課題には、25億米ドルのITスタック全体に関する洞察を得て、以下の課題に対処するためのソリューションが必要でした。

  • IT目標とビジネス目標の連携の欠如
  • 影響力のある意思決定を行うためのIT支出の透明性の欠如
  • アプリケーションとオンプレミス・データセンターを稼働させる総所有コスト(TCO)1が不透明
  • パブリッククラウドの拡大とトランスフォーメーション・コストの増加
  • 支出の最適化

 

1 アプリケーションのTCOには、ソフトウェアのライセンスと費用、開発とサポートのための人件費、インフラストラクチャー、インフラストラクチャーの労働サポート、データセンターのリース料が含まれます。

25億米ドル Apptio統合スイートは、25億米ドルのIBM CIO ITスタック全体に関する洞察を提供します。
当社には、戦略的目標を必ずしもサポートするとは限らない業務があります。当社の目標は、支出を最適化し、戦略的な行動や目標に合わせて支出を調整してより迅速にやり遂げ、優先度の低い項目を削減または排除することです。
Algenon Willis CIOハイブリッド・ビジネス・マネジメント担当リーダー IBM
Apptioスイートのデプロイメント

CIO組織は、IBM® Apptioを選択し、IBMのハイブリッドクラウド環境を変革してテクノロジー・ビジネス・マネジメント(TBM)モデルをデプロイしました。この取り組みは、2021年にPoC(概念実証)から始まりました。このスコープには、CIOハイブリッドクラウド・プラットフォーム組織に主に焦点を当てた米国でのApptio Costing(旧称 ApptioOne)(ibm.com外部へのリンク)の実装が含まれていました。当初のスコープには、15億米ドルのITコストが充てられていました。PoCの結果から、スコープを拡大して残りの10億米ドルのITコストを算入することが正当化され、CIO ITコストの全体像を把握できるようになりました。

IBMは、2023年8月にApptioを買収しました。その結果、CIOは、2021年にスタートしたApptioイニシアチブを拡大してApptio統合スイートを採用し、クライアント・ゼロになることでエンタープライズ環境におけるその効果を見せるまたとない機会を得ました。Apptio統合スイートには、既存のApptio Costingモデルで利用できるTargetprocess(ibm.com外部へのリンク)とApptio Planning(ibm.com外部へのリンク)の機能が含まれていました。

Apptioイニシアチブの拡張により、アプリケーションの実際のコストとリアルタイムのビジネス・インサイトに基づくデータ駆動型の意思決定をサポートすることで、コストの透明性が高まり、CIO組織がアプリケーションのTCO2を可視化できるようになりました。

スライド1:テクノロジー・ビジネス管理(TBM)の概要

2アプリケーションのTCOには、ソフトウェアのライセンスと費用、開発とサポートのための人件費、インフラストラクチャー、インフラストラクチャーの労働サポート、データセンターのリース料が含まれます。

完璧さよりも進歩を重視します。重要なのは、データの品質を向上させるためにデータの透明性を確保することです。
Christine Shortell CIO ITストラテジー兼プランニングおよびアイデンティティサービス担当、バイス・プレジデント IBM
コストの透明性とビジネス消費

Apptio Costingは、既存の各々の情報(総勘定元帳、ベンダー・データ、人事データなど)に対する洞察を提供することでアプリケーションのTCOを確認し、滞留しているコストやITコストの無駄が特定され、生産性を向上させるためのITベンチマークも実行されました。そこから、IT支出を分析、最適化、計画するためのコストの透明性とデータがもたらされました。

Targetprocessからは、エンタープライズ・アジャイル・プランニングの見方と、ポートフォリオおよびリソース管理を実行する能力が提供されました。リソースがどのようにイニシアチブ、目標、主な成果と整合しているかを可視化することで、戦略計画が促進されました。さらに、イニシアチブに関連するコストと価値を理解するのにも役立ちました。

Apptio Planningは、主に財務チームとビジネス・オペレーション・チームが使用する情報となる、統合された労働資源の計画立案と予算編成のビューを提供しました。

これらの製品の背後には、異なるビューをつなげて見通すための視点を与え、それらのビューの間で共通言語を作成するフレームワークとなるTBMが基盤にあります。財務、IT、およびビジネスの各ビューによって、部門を超えたチームが各事業単位に関連する情報を取得し、それぞれコスト・プール、タワー、ソリューションごとにデータを表示するのに役立ちます。

Apptio統合スイートによってコストと消費の透明性が実現されたことで、重要な最適化の機会を特定できるようになりました。 Apptioによるトランスフォーメーションの過程では、次の洞察も得られました。

  • アプリケーションTCO3データ
  • 滞留状態のITコスト
  • サードパーティ製ソフトウェアの費用

洞察とアプリケーションのTCOデータは、CIOのポートフォリオを合理化し、アプリケーションの重要性、消費量、支出についてより多くの情報に基づいた意思決定を行うのに役立っています。また、トランスフォーメーション・イニシアチブへの再投資やパフォーマンスの最適化目標の確立にも役立ちました。

スライド2:IBM CIOによるApptioの導入

3アプリケーションのTCOには、ソフトウェアのライセンスと費用、開発とサポートのための人件費、インフラストラクチャー、インフラストラクチャーの労働サポート、データセンターのリース料が含まれます。

 

 

スライド3:IBM CIOによるApptioの運用コスト
次のステップ
  • 戦略的ソリューションを活用し、オートメーションとAIを通じて生産性をさらに最適化。戦略的な統合には、IBM InstanaIBM TurbonomicIBM watsonx、およびServiceNowが含まれます。

  • 企業向けビジネス管理モデルをIBM全体に拡大。4

  • クラウド・コストの管理と最適化のためにCloudability組み込むことで、Apptio統合スイートの導入を拡張。このクラウド財務管理プラットフォームは、クラウド環境全体の可視性、最適化、ガバナンスなどを向上させます。このプラットフォームは現在、Amazon Web Services(AWS)、Microsoft Azure、Google Cloud Platform、Oracle Cloud Infrastructureなど、複数のクラウド・サービス・プロバイダーに対応しています。IBM Cloudへの対応は、今年の下半期に予定されています。

    Cloudabilityは、チームが複数のプロバイダーにまたがるクラウド・サービスのコストを管理し、クラウドの最大の価値を引き出せるよう支援します。それはクラウドの使用量を削減することではなく、クラウド・サービスとリソース(ワークロードなど)を最適化することです。ツールによって収集された情報は、最適化を達成し、パフォーマンスの問題を回避するために必要なリソースやキャパシティーに関する知見を提供することで、意思決定にも役立ちます。

    CIO組織は、IBM Software組織にCloudabilityを導入し、現在はIBM Consultingチームと連携しています。このプラットフォームは、CIOを含むIBMの全事業部に拡大する計画です。

    Softwareチームの取り組みは、2024年1月にAWSアカウントのオンボーディングによって開始されました。当初、チームは、成功するまで一連の反復的な手動手順に従い、AWSアカウントをCloudabilityにオンボードさせていました。オンボーディングには、サービスのコストと使用状況データをゴールデン・ソースから直接取得することを伴います。このプロセスは、自動化すべき領域を特定し、ユーザーが取るべき簡単な手順を文書化することによって改善されました。

    <span style=" ">CIOチームは、カスタム・オートメーションを用いて1,000件を超えるAWSアカウントをCloudabilityにオンボーディングしました。オートメーションを組み込むことで、オンボーディング・プロセスの所要時間が15分未満に短縮されました。

 

4PoCでは2024年に予定されており、完了後に規模が拡大される予定です。

得られた教訓
  • 他のあらゆる組織の大掛かりなトランスフォーメーションと同様に、組織変革管理(OCM)はTBMプログラムにおける重要な機能であること。OCMを管理する専任スタッフを割り当てることが重要な成功要因でした。
  • トランスフォーメーションの過程には、ツール、チーム間のコラボレーション、プロセス、新しい働き方が含まれること。これは、IT目標とビジネス目標の間の調整を成し遂げ、組織全体にソリューションを展開するための鍵でした。
  • TBMモデルを可能にするためのチームの強化。TBM教育を実施して、各自の役割が成果の達成に与える影響をチームが理解し、またメリットを理解して変化を受け入れることができるようにすること。
  • 標準化されたプロセス、タグ付け、属性を通じてデータ品質を向上させること。データは、ビジネス上の意思決定に使用されます。正確なデータをTBMモデルに収集することが重要です。
  • スコープ・クリープを回避すること。完璧さよりも継続的な改善に重点が置かれます。強化することに優先順位を付け、それに応じて計画を立てます。
  • ApptioOneを介してTBMモデルに取り込まれたデータを適切なコスト・プールに調整し、財務、IT、ビジネスのビューに正確な情報を表示すること。
  • Cloudabilityにより、組織間のコラボレーションを向上させ、複数のクラウド・サービス・プロバイダーにまたがるクラウド・サービスの利用と支出について、より多くの情報に基づいた意思決定を可能にすること。合併や買収を行う際に、そのメリットを活用します。このプラットフォームは、クラウドの使用状況と支出、およびその変遷を収集します。各チームは、推奨事項の評価と実装を担当します。
  • 責任共有モデルは実装することが重要ですが、課題が伴うため、ワークショップを通じて継続的に対処し、チームにクラウドの使用に対する責任を持たせる必要があること。

 

Cloudabilityは、クラウドの使用状況やリソースに関する洞察を提供することで、当社の使命である「より少ないコストでより多くのことを」を実現するのを支援しています。
Pimmi Malhotra CIOハイパースケーラー・クラウド・センター・オブ・エクセレンス、リーダー IBM
IBMロゴ
IBM CIOについて

最高情報責任者(CIO)組織は、IBMの社内ITストラテジーを主導し、IBM従業員が日々の業務に使用するITソリューションの提供、保護、モダナイズ、およびサポートを担当します。CIO(最高情報責任者)ストラテジーには、企業全体でITへのアクセスを容易にし、問題解決を加速し、IBMのイノベーション・エンジンとして機能してビジネスの成長を促す適応型ITプラットフォームの構築が含まれます。

 

製品・サービス Apptio Costing(ibm.com外部へのリンク) Targetprocess(ibm.com外部へのリンク) Apptio Planning(ibm.com外部へのリンク) Cloudability(ibm.com外部へのリンク)
次のステップ

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引用または説明されているすべての事例は、一部のクライアントがIBMの製品を使用し、達成した結果の例として提示されています。他の運用環境における実際のパフォーマンス、コスト、節約、またはその他の成果は異なる場合があります。