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Accenture
金融業界は急速に肩を並べようとしています。近年、他の業界がクラウド・テクノロジーの導入によって急速に進化する中で、金融業界は重層的な規制により新しいテクノロジー環境に適合するのに時間を要したことから、遅れをとっていました。
しかし、業界のITリーダーたちは他の分野でのイノベーションを目の当たりにし、それを金融や銀行業務にも適用することに意欲を燃やしました。世界的なパンデミックによってクラウドの迅速な導入が必須となったとき、規制改革も迫られました。ついに歯止めが解かれたのです。現在、金融企業は積極的にクラウド戦略を展開しています。しかし、依然としてリスクを最小限に抑える必要があります。
そこで、Accentureは、スイスの金融市場監督当局(FINMA)の勧告に基づき、オープンなハイブリッドおよびマルチクラウドのエンタープライズ対応リファレンス環境である、金融サービス向けAccenture Cloud Innovation Center(ACIC)を構築しました。金融サービス向けACICは、テクノロジー・プラットフォームであると同時にワークショップ・プログラムです。これにより、金融企業はAccentureと協力して、顧客の既存のテクノロジーやデータに依存することなく、効果的なソリューションを設計したり、組織の課題について話し合ったりすることができます。
金融サービス向けACICには、IBM® Cloud PakソリューションやRed Hat® OpenShift®コンテナ・プラットフォームなど、パブリッククラウド、ハイブリッドクラウド、セキュリティー、オートメーション・リソースのエコシステムが結集されています。
金融サービス向けACICは、 フォーチュン100に名を連ねる金融企業30社にサービスを提供しています
これらのクライアントに対して、45 を超えるディスカバリー・ショップを実施し、業界のイノベーションを推進してきました
金融業界におけるクラウドの需要は膨大かつ緊急性を帯びていますが、当然のことながら、企業は依然としてリスクを回避しようとしています。データ・セキュリティーと進化する規制の遵守は引き続き最優先すべき事柄です。
Accentureは、金融機関がクラウドの経験を積み、リスクのない方法で理想的なソリューションに向けて取り組むことの重要性を認識していました。
「金融業界では、常にリスクを最小限に抑え、利益を最大化することが重要です」と、Accentureの金融サービス向けACIC担当リードであるGuido Greber氏は述べています。「これらの企業は、クラウドに移行するだけでは不十分でした。自社のビジネスに適したクラウド環境を戦術的に開発する必要がありました。」
ACICは、顧客に白紙の状態でソリューションを設計させるのではなく、Accenture Cloud First事業部門のスキルと専門知識を活用して、業界で一般的で価値の高いユースケースのためのエンタープライズ対応かつコンプライアンス対応の「青写真」を作成します(例えば、Compostable Enterprise、App Containerizationなど)。オープンソースのテクノロジーに基づき、分離されたスタイルで開発された青写真は、非常に柔軟性に富んでいます。そのため、顧客がACICを利用する際に、Accentureのアドバイザーは適用可能な青写真を理解し、顧客のニーズに適応できるよう支援します。
しかし、それぞれの顧客が青写真に独自の要件を適用できるようなプライベートな空間を提供し、そのためにパブリッククラウドとハイブリッドクラウド、およびオンプレミスのリソースを適切に組み合わせるよう求めるために、Accentureは、ハイブリッドおよびマルチクラウドのコンテナ・プラットフォームをあらゆる顧客にオンデマンドで提供する方法を必要としていました。
Greber氏は次のように述べています。「クラウド環境は、規制遵守のためにオンプレミスで運用されているか、IBM、Azure、Google、AWSによってパブリッククラウドでホストされているかに関係なく、いつでも、どこからでも、権限を与えられたすべての人がアクセスできるものでなければなりません。」
青写真を柔軟にプロビジョニングし、顧客固有の要件に合わせて調整するための鍵となるのはコンテナ化です。Accentureは、ACICの主要なコンテナ・プラットフォームとしてRed Hat OpenShiftを使用しています。顧客環境では追加のKubernetes Serviceサービスも利用できますが、ACICのバックエンドはOpenShiftでコンテナ化されており、Accentureは必要に応じてクラウド・プラットフォームやツールを組み合わせることができます。
コンテナ化により柔軟性が得られる一方で、顧客のニーズに迅速に対応できるかどうかは、自動プロビジョニングとACICテクノロジー・スタック全体にわたる統合管理という2つの重要な機能にかかっています。これらに対して、AccentureはIBM Cloud Pak for Watson AIOpsのマルチクラウド管理ツールを使用しています。Accentureは、単一の集中管理により、クラウド・プラットフォームやツールのオープンなエコシステムからあらゆる環境、あらゆるリソースの組み合わせをプロビジョニングできます。
Accentureはこれらの能力を使用して、新しいユースケース(新しい青写真)を常に構築しています。これらは市場との関連性に基づいて優先順位を付けられ、次の4つのカテゴリーに分類されています。
顧客にとって最大の価値をもたらす、最も実用的で有用なユースケースを開発することに重点を置いています。Greber氏は、ACIC は一般的な「MVP」(実用最小限の製品)のパラダイムに従うのではなく、代わりに「MIP」 (有意義な影響を与える製品) に焦点を当てていると述べています。「インパクトを生み出し、人々がそれを気に入れば、それを土台にすることができます。」と彼は言います。彼はそのプロセスをレストランに例えています。「私たちは厨房を閉め、お客様が望むであろう基本的なメニューを開発しました。そして今は改善、拡大、革新に取り組んでいます。」
2018年のソフトローンチ以来、金融サービス向けACICはフォーチュン100に名を連ねる金融企業約30社にサービスを提供し、45を超えるディスカバリー・ワークショップを実施してきました。お客様は、ACICの青写真を使用して運用準備を加速させ、ハイブリッドおよびマルチクラウドの実地経験を積むことができる点にすぐに価値を見出しました。あらゆる企業のIT担当者が慣れ親しんでいる、スライド上のアーキテクチャー図だけではありません。Greber氏は次のように述べています。「あるクライアントが私にこう言いました。『これほど素敵なスライドを作成するのは素晴らしいことですが、実際にそれを構築して運用できるのですね。』大きな違いはそこにあります。それが始めた理由です。」
現在、金融サービス向けACICは、主に欧州の企業にサービスを提供していますが、Accentureの全従業員を通じてグローバルに利用できます。Accentureは今後、他の地域からより多くの顧客を取り込んでいく考えです。また、金融サービス向けACICのポートフォリオに、IBM Cloud for Financial Servicesを含め、トップクラスのクラウドおよびハイブリッド・テクノロジーを継続的に追加していきます。実際、IBM Cloud Pak for Watson AIOpsの他の機能やTurbonomicソフトウェアを使用して、運用管理を自動化する方法をすでに模索しています。
Accenture(ibm.com外部へのリンク)は、デジタル、クラウド、セキュリティーの分野で業界をリードするグローバル・プロフェッショナル・サービス企業です。40以上の業界における他にはない経験と専門スキルを結集し、戦略およびコンサルティング・サービス、インタラクティブ・サービス、テクノロジー・サービス、オペレーション・サービスを提供しています。これらはすべて、世界最大の先端技術とIntelligent Operations Centerのネットワークに支えられています。67万4,000人の従業員が日々、テクノロジーと人間の知恵の実現に取り組み、120カ国以上の顧客にサービスを提供しています。私たちは変化の力を受け入れて、顧客、従業員、株主、パートナー、地域社会のために価値を生み出し、成功を分かち合っています。accenture.com(ibm.com外部へのリンク)をご覧ください。
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2021 年 12 月
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