複数層の z/OS ワークロードのためのシスプレックス分散の最適化

両方の接続エンドポイントがシスプレックス内の同一 TCP/IP スタック上にある場合、接続を最適化するように、シスプレックス・ディストリビューターを構成できます。この機能は、複数層のサーバー・アプリケーションが単一のシスプレックス内と同じ z/OS® システム・イメージ内に配置されている環境では非常に便利です。この環境で各層間の通信が TCP プロトコルに基づいて行われる場合は、シスプレックス・ディストリビューターを使用して可用性を高めることができます。

例えば、層 1 のアプリケーションがローカル・システム上の層 2 のアプリケーションに接続しようとしているにもかかわらず、層 2 のサーバー・アプリケーションが使用不可である場合、シスプレックス・ディストリビューターやその他の何らかの IP ロード・バランシングがないと、これらの接続は失敗し、ワークロードの処理は中断されます。シスプレックス・ディストリビューターを使用すると、これらの接続は、シスプレックス内のどこかで稼働している別の層 2 アプリケーションに動的に転送され、高可用性ソリューションを実現できます。

同じ z/OS 論理区画 (LPAR) 上の層 2 サーバー・アプリケーションと共に使用できる z/OS 上の層 1 サーバー・アプリケーションの例としては、IBM® HTTP Server、CICS® Transaction Gateway、および WebSphere® Application Server があります。層 1 サーバーと同じ z/OS システムおよびシスプレックスで層 2 サーバーとして使用できるアプリケーションの例としては、CICS Transaction Server、IMS™ Connect、および DB2® があります。