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Smarter Business

3分で読める「ここまで来たAIOps!」5.AIOps導入効果のまとめ

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谷松 清孝
日本アイ・ビー・エム
IBMコンサルティング事業本部
ハイブリッド・クラウド・サービス
アソシエイト・パートナー

 

三島 善行
日本アイ・ビー・エム
IBMコンサルティング事業本部
ハイブリッド・クラウド・マネージメント
シニア・プロジェクト・マネージャー

 

小林 武彦
日本アイ・ビー・エム
IBMコンサルティング事業本部
AIOps Technology IT Architect

5. AIOps導入効果とまとめ

AIを活用したITシステム運用サービス(以降、本サービス)の導入効果を説明します。

AIOps3つの導入効果

サービス品質が向上
本サービスを活用することでシステム全体の稼働状況を俯瞰し、イベントのグルーピングやノイズの除去、サービス自動回復により障害発生時のサービス停止時間が大幅に短縮されます。
例えば、図1のケースでは障害検知から調査、サービス回復の変更作業実施まで4~6時間の短縮が見込まれます。

図1.AIOPs によるインシデント対応を活用したケースのビフォー・アフター図1.AIOPs によるインシデント対応を活用したケースのビフォー・アフター width=

複雑化するITシステムに迅速に対応
ビジネス環境の変化に合わせITシステムのコンポーネントが追加・変更になります。
本サービスで導入するInstana Agentは監視すべき項目を自動的に把握するため、システムの変化に柔軟・迅速に対応できます。

また、IBMの持つAIOps製品をサービスのコアに据えており、IBM社内の技術エンジニアとも密に情報交換しながら、製品の機能・性能を最大限に発揮したサービスを提供します。

運用担当者不足を解決
専門知識を持った運用担当者をSaaS契約で調達するため、担当者不足の課題から解放されます。
今まで培ってきた数々のプロジェクトでの保守・運用経験に基づいたベスト・プラクティスを組み合わせた運用サービスとなっており、人手での作業をなるべく減らしています。

また、運用担当者の知識を複数システム間で共有・拡充することで、他社で解決したノウハウを横展開し、サービスの質の向上や問題発生時の迅速な対応が期待できます。

まとめ

一般的に、IT予算の80%以上はシステムの運用保守にかかると言われており、保守コスト、運用コストの低減は多くの企業で課題となっています。課題解決策の一つとして、ITシステム運用の自動化に取り組まれている企業もありますが、運用作業の抜本的な見直しには至らず、多くは一部の定型作業の自動化にとどまっています。

本サービスを利用することで、部分的な自動化などでの運用効率化によるコスト削減にとどまらず、今までのシステムを停止させないためだけのコストセンターだったIT運用部門を、ITシステム運用を実施する上で日々収集している大量のデータとAI技術を活用した「パフォーマンス監視」や「予兆検知」によるプロアクティブな運用へと変革できます。また、ユーザーの離脱や販売機会の損失を減すことで、ビジネスを創出するプロフィットセンターへと変革させ運用の価値を高めることにつながるでしょう。

こういったIT運用のDX化の実現を、私たちもぜひご支援したいと考えています。