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コグニティブ時代の気象予測サービスが登場!

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取材・文:ジェイ・コウガミ

 

ビジネスに「効く」気象データ分析

 
飛行機の遅延の70%以上は天候が原因――。世界で毎日5億人以上にあらゆる形式で気象サービスを提供する「The Weather Company」は、そう分析する。

天候が的確に予測できれば、あらゆる面においてビジネスのリスクを減らし、意思決定を迅速かつプロアクティブに行える。今、世界ではあらゆる産業において、より精度の高い効果的なビジネス施策を行うためのデータ分析が求められている。その1つが「気象予報」だ。

天候のビジネスへの影響

 
日本IBMは3月13日、「The Weather Company Japan」を立ち上げ、IBM WatsonをはじめとするIBMのコグニティブ技術を組み合わせた気象予報や気象データに関するソリューションを企業や業界向けに提供すると発表した。

The Weather Company Japanは、気象予報士とコンサルタントなどで構成され、単に気象データを企業に提供するのではなく、業界別のニーズに合わせたインサイトに基づいたサービスそしてソリューションの提供を目指す。すでに気象庁から気象予報業務の許可を取得し、日本でのサービス提供に向けて、動き出している。

その第一歩となるのが、日本IBMの本社内に設置された「アジア・太平洋気象予報センター(APCF: Asia Pacific Forecast Center)」だ。APCFは、気象予報士が日本の気象庁をはじめ、海外の気象局、レーダーやアメダスなどから送られるデータを基に、1時間ごとに気象予報データを作成し、パッケージ化して企業に提供するための拠点となる。IBMは、Watsonのテクノロジーを活用してこの気象データの精度を高めていこうという中長期的なゴールを定めている。

例えば、保険業界で気象予測データを使ったらどのようなことが実現できるだろうか。「世界では我々のデータを活用した事例として、これから雹が降ることを予測し、被害を最小限に抑えるために事前に保険会社からお客様に提案をするという取り組みがある。損害保険契約者の車の被害などを防ぐことで保険料を抑えることができるため、保険会社は予測データによってどの地域に住む契約者が影響を受けるかを事前に予測することができる」と、The Weather Companyプレジデント ビジネス・ソリューションズ担当のマーク・ギルダースリーブは説明する。

マーク・ギルダースリーブ

The Weather Companyプレジデント ビジネス・ソリューションズ担当
マーク・ギルダースリーブ

 

気象データを活用したソリューションを提供

本日、日本の企業向けにいくつかのソリューションが発表された。気象予測モデル「Deep Thunder」は、IBM Researchが開発した短期で狭域なハイパーローカルな気象予測と、The Weather Companyが運営するグローバルな予測モデルを組み合わせた最新の気象予測モデルで、機械学習を活用して気象データを学習し、天候が企業に与える影響を予測する。また、電力会社やエネルギー業界向けのソリューション「Energy Trader」のデモが披露され、いかに天候予測が停電や電力低下などリスクを予測し回避するための意思決定をサポートできるかについて説明した。Weather Company Japanと日本IBMは、日本の企業に加えて、アジア太平洋地域の企業にも気象予報サービスを届けていくという。

Energy Trader

「Energy Trader」のデモ画面。2週間先の気象予報を基にエネルギーの消費量を予測するといった使い方ができる。

 
「データをどう活用するかが企業の競争力の源泉になると考えている。日本では、データ活用の領域にまだまだ市場があると見ていて、気象データをソリューションとして展開していくことで事例を作っていく」と、日本IBMの吉崎 敏文 ワトソン事業部担当執行役員は話した。

吉崎 敏文

吉崎 敏文
日本IBM ワトソン事業部担当執行役員

 
IBM Watsonが牽引するコグニティブ時代のビジネスへのシフトが注目されている。今後AI技術によって飛躍的に進展すると見込まれるデータ学習の領域で気象予測データはさらに注目されていくだろう。データ活用が進むことで、私達の生活や企業のビジネスにおいて予測不可能な事態への不安は減り、最適な施策や決断を実現できる変革が、あらゆる局面で起き始めている。

雲の発生状況をリアルなグラフィックで再現

雲の発生状況をリアルなグラフィックで再現

 
乱気流を予測し回避する

航空業界での利用例として、乱気流を予測し回避するデモを紹介

 
日本IBMのニュースリリース:企業向けの気象情報提供サービスを開始

 

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