mkboot コマンド

目的

ブート・イメージ、ブート・レコード、サービス・レコードを作成します。 このコマンドは、ユーザー・レベルのコマンドでは ない ためサポートされません。

構文

mkboot -d Device [ -b ] [ -D ] [ -c ] [ -h ] [ -i ] [ -I ] [ -l LVDev ] { -k Kernel | -e Expander } [ -L] [ -s ] [ -r ] [ -p Offset ] [ -w ] -f FileSystem

説明

mkboot コマンドは、カーネルとファイルシステムを組み合わせてブート・イメージを作成します。結果的に生成されるイメージは、標準出力に書き出されます。このイメージは、該当するブート・レコード情報を使用して、ブート・デバイスにコピーされます。 ブート・イメージは、圧縮状態または非圧縮状態で、イメージの先頭にブート・レコードを付けるか、または付けずに作成することができます。テープ用に作成されるイメージは、イメージ・ファイルの先頭にブート・レコードを付け、圧縮されます。ディスク用のブート・イメージは、圧縮せずブート・レコードを付けないで作成できます。 ブート・レコードはディスクの先頭セクターに書き込まれます。レコードには、そのディスク上のブート論理ボリュームに書き込まれたあとのイメージのサイズと位置に関する情報が入っています。

ブート論理ボリュームをミラーリングすると、mkboot コマンドはブート・イメージをブート論理ボリュームの各コピーに書き込むだけでなく、ミラーを構成する各物理ディスクにもブート・レコードを書き込みます。 mkboot コマンドがミラーリングされたブート論理ボリュームを少なくとも 1 つ更新できれば、エラーは戻りません。ミラーリングされたブート論理ボリュームの各コピーからブートできるようにするには、bootlist コマンドを使用して各物理ディスクを指定しなければなりません。

mkboot コマンドは通常、bosboot コマンドによって呼び出されます。 しかし、mkboot コマンドを 2 回目に実行すると、圧縮されたブート・イメージの先頭に拡張コードを置くことができます。

フラグ

項目 説明
-b 保管ベース・フィールドをゼロにします。このフラグはオプションです。
-d Device IPL レコードに必要なデバイスを指定します。 このフラグは必須です。
-c デバイス上のブート・レコードをゼロにします。このフラグはオプションです。
-D ブート時に低レベル・デバッガーをロードします。
-e Expander 圧縮されたブート・イメージ・ファイルを作成するためのカーネル・エクステンション・コードを指定します。-e フラグまたは -k フラグを指定しなければなりません。
-f FileSystem ブート・ファイルシステムを指定します。 このフラグは必須です。
-h mkboot コマンドがブート・ヘッダーを更新しないようにします。このフラグはオプションです。
-i ブート・レコードの通常区画を書き込みます。
-I (大文字の i) ブート時に低レベル・デバッガーを呼び出します。
-k Kernel ブート・イメージ中のカーネルを指定します。-k フラグまたは -e フラグを指定しなければなりません。
-l (L の小文字) LVDev ロード可能なブート・コードの入った論理ボリューム・デバイスを指定します。
-L MP システム用のロック機能を有効にします。MP カーネルを使用していないシステムでは、このフラグを指定しても効果はありません。
-p Offset ブート・レコード内で boot_pr_start フィールドとして使用するアドレスを指定します。このフラグは、CD-ROM 用のブート・イメージを作成する場合に使用されます。このフラグはオプションです。
-r 読み取り専用ストレージ (ROS) エミュレーション・コードであるイメージを作成します。
-s ブート・レコードのサービス区画を書き込みます。
-w ブート・イメージの前に、ブート論理ボリュームの最初の 2 つのブロックを出力します。このフラグは、ディスク・ブート・イメージにのみ適用できます。

セキュリティー

アクセス制御: root ユーザーだけがこのコマンドを読み取り、実行できます。

  1. カーネル /usr/lib/boot/unix および /tmp/bootfs ファイルシステムを使用して、 デバイス /dev/hdisk0 に圧縮されていないブート・イメージを作成するには、次のように入力します。
    mkboot -d /dev/hdisk0 -k /usr/lib/boot/unix -f /tmp/bootfs ¥
    -b -i -s > /tmp/boot.image
  2. ブート・レコードをクリアし、 hdisk0 ディスクの PVID をそのままにしておくには、次のように入力します。
    mkboot -d /dev/hdisk0 -c
  3. mkboot コマンドは、カーネルとランダム・アクセス・メモリー (RAM) ファイルシステムを組み合わせて、 1 つのブート・イメージを作成しますが、mkboot コマンドを二度目に実行すると、 圧縮されたブート・イメージの先頭に拡張コードを置くことができます。 例えば、次のように入力します。
    mkboot -b -d /dev/rmt0 -k unix -f ramfs | compress > /tmp/image
    mkboot -b -i -s -d /dev/rmt0 -k bootexpand -f /tmp/image ¥
    > bootfile
    ブート可能なテープの場合、各パラメーターの意味は次のとおりです。
    項目 説明
    unix カーネルを指定します。
    ramfs RAM ディスク・ファイルシステムを指定します。
    compress 圧縮または短縮ルーチンを指定します。
    bootexpand 拡張またはカーネル非短縮ルーチンを指定します。

ファイル

項目 説明
/usr/include/sys/bootrecord.h ブート・レコードの構造を指定します。