locktrace コマンド

目的

カーネル・ロック・トレースを制御します。

構文

locktrace [ -r ClassName | -s ClassName | -S | -R | -l ]

説明

locktrace コマンドは、trace サブシステムによってトレースされるカーネル・ロックを制御します。 デフォルトは、trace なしです。 bosboot -L コマンドの実行後、マシンがリブートした際に、カーネル・ロック・トレースは 1 つ以上のロック・クラスに対して個別にオン/オフすることも、すべてのロック・クラスに対してオン/オフすることもできます。 bosboot -L が実行されなかった場合には、ロック・トレースはすべてのロックに対してオンにするか、またはトレースしないかのいずれかです。 ロックが取得、ミス (フック ID 112)、および解放 (フック ID 113) されたときに収集される trace イベントには、使用可能なロック・クラス名はありません。

フラグ

項目 説明
-r classname 指定されたクラスに属するすべてのカーネル・ロックのロック・トレースをオフにします。bosboot -L コマンドを実行しなかった場合、このオプションは必ず失敗します。
-s classname 指定されたクラスに属するすべてのカーネル・ロックのロック・トレースをオンにします。bosboot -L コマンドを実行しなかった場合、このオプションは必ず失敗します。 同時に複数の特定のクラスをトレースするには、毎回特定のロック・クラスを指定して、locktrace コマンドを複数回実行してください。最大 32 個のクラス名を入力できます。
-R すべてのロック・トレースをオフにします。
-S クラス・メンバーシップに関係なく、すべてのロックのロック・トレースをオンにします。
-l カーネル・ロック・トレースの現在の状況をリストします。

  1. SEM_LOCK_CLASS のトレースを開始するには、次のコマンドを入力します。
    locktrace -s SEM_LOCK_CLASS
  2. すべてのロック・トレースを停止するには、次のコマンドを入力します。
    locktrace -R
  3. 前のロック・トレース・エントリーをリセットして、SEM_LOCK_CLASS および SHM_LOCK_CLASS ロック・クラスをトレースするには、次のコマンドを入力してください。
    locktrace -R 
    locktrace -s SEM_LOCK_CLASS
    locktrace -s SHM_LOCK_CLASS
    -l フラグを使用すると、現在のロック・クラスを表示することができます。
    locktrace -l
    次の出力が表示されます。
    lock tracing enabled for classes:
      SHM_LOCK_CLASS
      SEM_LOCK_CLASS

ファイル

項目 説明
/usr/bin/ locktrace locktrace の場所。
/usr/include /sys/lockname.h lock クラス名の場所。